24話
現在、目の前に居るのは第三王子………人族だけど髪の毛が黄色くて細かなパーマがかかっている。
多分染めてるんだろうな…髪の根本は黒いし。
「聞いてるのかつばめ!?」
聞いて無かった。もしゃもしゃもしゃ…
いつもはシカトしてると帰るんだけど、今日は粘るね…どうしたんだろ?ま、いっか。
「おい!聞いてるのかッ!?」
カラーーーンッ
あ、手を叩かれてフォーク吹っ飛んだ…え…?
「!!!?…何の真似だ!手を離せ…イタイイタイイタイッ!!!」
奏君が第三王子を床に取り押さえてた。何事???
「まったく…暴力まで振るわれるなんて………誰か警備兵を呼んで来て下さい」
その後警備兵が来て、第三王子は連れて行かれた。
何かぎゃーぎゃー騒いでたけど、よくわからん。
奏君が「お騒がせしてすいませんでした〜」といつもの調子で言って、皆食事を再開した。
「えっと………」
「大丈夫ですかつばめさま」
「大丈夫だよ?」
私は大丈夫だが…奏君が第三王子の手を捻りあげてた方が痛々しくてビックリしたよ。
ご飯を食べて、トレーを返却する際に水島さんに「うるさくしてごめんなさい」したら逆に手を怪我して無いか心配された…優しい。
昼休みの時間はまだあるけどはやめに仕事部屋に戻ってお茶を入れて2人で飲んで居ると、ユリエルさんとロジャーさんが帰って来た。あ、ウルスラさんも居る。
「…奏、つばめの護衛のウルスラ殿だ。普段は部屋の外で待機している」
「ウルスラと申します。よろしくお願いします奏さん」
「こちらこそよろしくお願いしますウルスラさん」
顔合わせが済んだところで午後の仕事に入ろうとしたら、ウルスラさんに呼び止められた。
「マシロはつばめ様が帰る時にカール様が連れてきてくれるそうです。ついでに渡したい魔道具もあるそうなので、コンスタンティン様から伝言を頼まれました。『トースターが手配できたから、楽しみにしててね』だそうです」
楽しみですコンスタンティンさんありがとう。
さっきまで駄々下がりだったテンションがトースターのお陰でほんの少し浮上した。