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196話



 現在ユリエルさんはカールさんに頼まれて善意でエルフ族大使館に滞在して、設備の維持などカールさんの代わりに行っている。後は手紙の処理など。


 ユリエルさんは結界を発動させながら、お玉やフライ返しを見ている。




「そもそも、第7長官室に来るハイルング国から送られて来る書類はカール宛だ。長官の前任者がカールだったからそのままだが、いい加減目障りだ。釣書や嘆願書の処分など自分でして欲しい」




「うわー…」




「設備維持も家の者がしっかりしているから確認だけすればいい。それこそ判断が必要な所だけカールに指示を仰げばいいし、俺じゃ無くてもいい筈だ。何ならミアでもいい。私と同じカイザス国籍のエルフ族だ。文句は言わせん」




「ユリエルさん、カトラリーも選んで下さい」




「俺が選んでいいのか?」




「ハルさんのは私が選びますよ。自分の分はお願いします」




 ユリエルさんが本当にエルフ族大使館を出て行っても問題無いのかは別として、家出の手伝い位はしよう。主に生活環境整える手助け位はしてもいいよね。

 下の部屋は誰か住む予定今のところ無いし、好きなだけ滞在して。




「つばめはカミュと違って親切だな」




「ユリエルさんの話しだけ聞いてると、恐らく同じ日本人でもユリエルさんのお祖父さんは特殊だと思いますよ」




「そうなのか…そうか、カミュだもんな」




 金物、陶器、木工の工房を回って品物を買うと、木工工房の人がまとめて自宅に配達してくれると言われた。




「近くに用事があるんでついでだ。玄関の前に置いておくでいいか?」




「よろしくお願いします」




 木工工房の人に荷物をお願いして、私とユリエルさんはさて、どうしよっかとなった。




「遅いが、昼にするか」




「そうですね」



 前に鈴木さんと来た甘味処があったので、そこにした。他も気になるけど、もうね…お腹空いて決められなかったの。

 ユリエルさんが、ここなら自分でも食べられる物があると喜んでいた。パスタもだが、パンケーキ置いてあるからね。





「……なかなかだな」




「素直に美味しいって言って下さいよ」




「…………」




 後で聞いたら、私の作るパンケーキの方が美味しいと言われた。あれか、ユリエルさんしっとりした生地の方が好きなのかも。ここのはふわふわだもんね。私はどっちもウェルカムだ。




「ユリエルさん、後買いたい物無いですか?」




「………後は実際使ってみてから増やすか…あぁ、酒は欲しいな。東大通りにあると言う店を後で教えてくれ」




「私も欲しいんで一緒に行きましょう……他に行きたい店が無いならちょっと寄り道してもいいですか?」




「……あぁ、構わない」




 食事も終わり、私達は北裏大通り沿いのあるお店に来た。


『案山子の調味料 北裏通り店』。味噌を求めてやって来たこのお店…うん、今日は高級店三昧だね。さっき鍋とか選んで心穏やかに買い物出来てたのが懐かしい。


 『シャングリラ 菓子店』位の店構えで中身も似ていた。小さめのショーケースに味噌や醤油。壁際に調味料………………………ここパラダイスかな?私の目が正常なら、花鰹置いてあるな?出汁…お浸し…お好み焼き……。




「……つばめ、店員が話し掛けてるぞ」




「あ、すいません。考え事してました」




「い…いえ大丈夫です。もしかして、お醤油をお取り寄せして下さった方では?」




「はい、お取り寄せさました。ありがとうございます。とっても美味しい醤油でした」




 商品の説明を承ると言う事で、早速鰹節の説明を受けた。うん、良い出汁取ろうと。




「……買いすぎじゃ無いか?」




「んー…出汁取るのに欲しいんですよね」




「お味噌なら此方もオススメです」





 鰹節や昆布エキスの入った顆粒だしをオススメされた。花鰹は幾つか商品棚に戻した。代わりに顆粒だしこんにちは。




「ユリエルさん、この店無限に買い物出来そうなんで、ちょっとまた今度来ますね」




「……カゴいっぱい買う前に気づけ」




 合わせ味噌はもちろん買ったが、コチュジャン、顆粒コンソメ、バルサミコ酢にバニラエッセンス、ココアパウダー、きな粉、メープルシロップ。花鰹と追加の醤油も購入。



 店の人に話を聞いたら、商業都市の本店はスパイスや味噌のブレンドや鰹節丸々とか、どちらかと言うと加工前の量り売りなど幅広く対応しているらしい。なるほど。カレーが出来そうなフラグが立った。


 今の所は加工品の方が使い勝手がいいので、この店にお世話になります。通います。



 配送は断って馬車を捕まえて自宅に戻る。1階の店舗入り口に荷物が置いてあった。

 そっか、2階の居住区入り口は裏にあるから、ここが家の入り口だと思われたのか。


 ユリエルさんに3階共用スペースのキッチン用品の収納やレイアウトはお任せして、私は先程買った調味料類を2階自宅に仕舞う。

 私は直ぐに終わったので、ユリエルさんと合流してお手伝い。



「棚があるからそんなに仕舞うのは大変じゃ無いな」




「シンク下にも仕舞えますしね」




 キッチン用品を収納したら、今度は酒屋さんにGO。やっぱり1日買い物三昧だね。今日も充実した1日で何よりです。

 



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