180話
水島さんに紅く色付いたりんごジャムと、白桃のジャムを結婚記念日の前日に送った。
皮が真っ赤な品種のりんごを選び、りんごの果肉を煮る時に洗ったガーゼに剥いた皮を包んで一緒に煮れば、皮の色がジャムに移ってほんのり紅い色が着く。
白桃は普通のジャム作りと一緒。
装飾の施された瓶に紅白にラッピングすると我ながら見映えが良く出来たと思う。
水島さんはわざわざ保冷袋と箱から出して確認してくれたが、凄い喜んでくれたね!握手して手をブンブンされるくらい。そんなに喜ばれると私も嬉しい。
贈ったジャムは、結婚記念日の当日のディナーで旦那さんと一緒に食べてくれるそうです。素敵な記念日をお過ごし下さい。
そして、待ちに待った女子会の金曜日。
食材は予め買ってある物もあるが、新鮮な葉物野菜を八百屋さんで、食べ頃の果物を果物屋さんで購入。
後は肉類を角のお肉屋さんでい〜っぱい買った。
家に帰り、鶏もも肉に塩胡椒、白ワイン、ニンニク、生姜、小麦粉、片栗粉、で下味をつけて冷蔵庫に入れておく。塩唐揚げにする用だ。後はスープを途中まで作ってしまおう。
買って来た果物も切ったり、皮を剥いたりして冷凍庫で幾つか凍らせておく。
注文していた玉子焼き器、すり鉢、すりこぎを取りに行き、木工工房でお買い物。一旦家に荷物を置いて、パン屋さんで幾つかパンを買う。
家に着いたら料理を始めようーーー。
粗方料理や下拵えも終わった頃にインターホンが鳴る。
休日組のウルスラさんとミアさん、半休の皐月先生の第一陣が到着したみたいだ。
部屋に招き入れて各自荷物を置き、一旦全員でお出かけする。行き先は東大通りにある酒屋さん。
「買い出し手伝っていただいて、ありがとうございます」
「いえ、こちらこそこれ位しか手伝えなくて申し訳ありません」
「部屋に入った瞬間いい匂いがしてたんで、食べるの楽しみです!荷物持ちはお任せ下さい」
「私も楽しみだわ。今日は何が出るのかしら?」
「今日はクレープ生地と葉物野菜で各自好きな物を巻いて食べられるものにしました」
食べられない物はジャムを贈る時とミアさんと椿さんは紹介状で確認済み。
紹介状に出欠席の確認の他に、好きな食べ物を書く欄を設けてみたが、細かな味付け等は個人で好みが別れると思ってこの形にした。
他にも料理等は用意したが、飽くまでメインは巻き料理。
ちなみに各自好きな食べ物
ウルスラさん 肉類全般
ミアさん 鶏肉、人参、お菓子
皐月先生 果物、酒
椿さん 辛い食べ物
ユリエルさん 甘味、苺
水島さん つばめ君が作ったジャム
マシロさん 甘い物
何故か出席しない筈の水島さんもわざわざ書いてくれて、しかも私が作ったジャムが好きとか…本当いい人だよね。今頃は旦那さんと結婚記念日楽しんでるかな?
ユリエルさんが肉の脂身が余り好きじゃない以外は、皆さん食べられない物や体が受け付けない物は無いみたいだ。
お喋りしながら酒屋さんの店前に到着し、入り口で身分証を翳して入店する。
実は一度だけ料理酒と晩酌用に買いに来た事があるだ。買った赤ワイン美味しかったなー。
店内を物色しながら皆んなで選んで行く。仕事組の2人が何が好きか分からないので色んな種類をチョイス。
酒は好きだが、余り量は飲めないと言うミアさんの為に飲み物を扱う専門店で果物のジュースと炭酸水も幾つか購入。
結構な量になったが、ウルスラさんとミアさんが活躍。流石軍人さん、力持ちで羨ましい。さて、帰宅しよう。
「つばめさん、この間は愚息がごめんなさいね。危ない目に遭って怖かったでしょう?」
「こちらこそ巻き込んでしまってごめんなさい…」
「いえ、詳しく聞いたら息子が焚き付けたみたいなのよ。つばめさんの所為じゃないわ」
「はい…」
「でも、その前に私に内緒でユリエル長官に唆されて囮役を引き受けたみたいね?アレはいけないわつばめさん」
「う…はい。すいませんでした…」
危ない事する前に、今度から誰かに相談して欲しいと言われた。気をつけます。本当にすいませんでした。
自宅に到着すると、1階の店舗前に馬車が停まっていて、降りて来たのは椿さん。少し早めに仕事を抜けられたみたいだ。
予定の時刻にはまだ早いけど、先に始めてしまおうと言う事に。皆んなお腹を空かせて来てくれたみたい。
さて、それでは待ちに待った女子会開始!!




