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178話



  第7長官室で仕事をしていると、ウルスラさんがコンスタンティンさんが書いた手紙を持って来てくれた。早速読んでみる。




『王宮勤めの人ならいいよ。メンバー決まったら教えて。後、学園のパンフレットが届いたから仕事終わったら私の部屋に寄ってね』




 では、早速メンバー集めだ!女子会やりますけど、ウルスラさんどうですか?と聞いてみた。




「『女子会』とは何でしょう?」




「女性が集まって、美味しいものを食べながらお話しする会ですかね。実は、食品を売りたいと思っているんですけど、女性の意見が聞きたくて…どうですかね?試食も兼ねて食べる物と飲み物はこちらで用意するので、私の自宅に手ぶらで来ていただければ…」




「参加します!」




「本当ですか!ありがとうございます」




 よし、ウルスラさんが参加してくれるなら心強い。

 開催日も来週の金曜日の夜に決めてしまって、知り合いの女性陣に簡単な招待状を書いてウルスラさんに届けて貰った。





 手紙は『欠席』、『出席』に丸をすればいい物にしたので返事は昼休み前には帰ってきた…皆んなお返事早いね。

 参加者はウルスラさん、皐月先生、椿さん、ミアさん。

 残念ながら水島さんは結婚記念日だそうでその日仕事には出勤はしているが夜は旦那さんと2人で過ごすらしい。

 返信の手紙に『涙を呑んで欠席します。次があったらぜひ参加したい。りんごジャム美味しかったよ、ありがとう。』書かれていた。


 ウルスラさんが水島さんから返信の手紙を受け取った時に物凄く残念そうにしていたと言う事で、結婚記念日に何か送ろうと心に決めました。



 昼食は瑞希さ…じゃ無かった、累さんは食堂に行って、ロジャーさんとユリエルさんはバナナを食べている。私はカツサンドとサラダにバナナ。




「バナナってナイフとフォークでどうやって食べるんですかね?」




 素朴な疑問にロジャーさんが実践して見せてくれたけど、とても優雅。

 ロジャーさんとバナナの食べ方について盛り上がっていると、ユリエルさんが話しかけられた。




「……つばめ、私も半分は女だ」




「?」




「……何故私は『女子会』に誘わない?」




「確かに!ユリエルさんも女性なのかな?…いや、でも……んー………すいません、そもそも参加したかったんですか?」




「……参加したいから聞いている」




「それは大変失礼しました。ユリエル長官も女子会しましょう」




「……あぁ。つばめ、来週金曜日は休んでいい」




 そのまま今後の出勤日について話し合い。私は来週から金、土、日曜日が固定休みに。

 水曜日は図書室勤務で午後休みなのでこれで結構時間に余裕が出来る。


 第7長官室と図書室の仕事のおかげでお金に余裕が出来た。と、言うか怖いくらい稼げたので…本当は暫く働かなくても大丈夫そうなんだよね。

 いつも水曜日に貰う筈の給料明細を今日見て、度肝を抜いた。

 とうとう聖書レプリカの解析代金が振り込まれたんだけど、正直「宝くじかな?」と思った位のケタだった。何回もゼロを必死に数えたので間違いじゃ無いらしい。



 正直このまま図書室や第7長官室で働くのもアリかと思ったけど、毎回聖書レプリカの様な高額依頼があるとも思えないし、何より重要書類を扱う第7長官室の翻訳はストレスが多い。


 例を上げると、某エルフ族王族級の書類とか混じってたりするからさ(遠い目)。

 ヤバそうな書類を翻訳するのは1日に何度もあるし…正直「これ私見ちゃダメなヤツ」って思うけど、上司命令で心を無にして仕事してる。


 お陰で他国の内部事情とか書類上とは言え知れたけど、もう私はお腹いっぱいです。






 今日も不穏な書類が何枚も混じる仕事を終わらせて、午後から護衛を交代したと言うミアさんと共にコンスタンティンさんの居住区に向かう。




「あの…ウェルエルの件はすいませんでした。こんな私まで『女子会』に誘って頂いてありがとうございます」



「クマさんの事は私も無知ですいませんでした。お互いこれから気をつけましょう。女子会来て下さるみたいで、ありがとうございます。助かります。お肉沢山用意しますね」

 


「こちらこそ、ありがとうございます!楽しみにしています!」




 話しながら歩いていると、ミアさんは立ち止まった。どうやら許可証が無いのでコンスタンティンさんの居住区に入れないみたい。




 ミアさんと…一見して階段途中の壁のところで分かれて、コンスタンティンさんの居住区に到着。内側からドアが空いて、リビングのソファを勧められる。今日はカールさんはいないみたいだ。




「つばめ、これが学園都市案内のパンフレットね?で、こっちが入学手続きの書類。入学時期は新学期の4月がオススメだよ」




ありがとうございます」



 コンスタンティンさんから受け取った『新規入国者用学園案内』と書かれたパンフレットをザッと見ると学園の案内やカリキュラム、追加選択科目一覧に入学費用や別途料金など色々書いてあった。後は提出書類が数枚。



 新規入国者は寮に最低1ヶ月、勉強の為に3ヶ月程。学園の高等学校に通わなければならない。

 なるほど…寮暮らしと課外授業が強制参加なのか。課外授業が4月半ばで毎年固定なので、4月に入学すれば3ヶ月基礎学科の授業がクラス替え無く受けられると…なるほどなるほど。



 4月に入学出来ない場合は基礎科目を個別で受けてもいいとあるが、別途料金がかかり、更に4月半ばの課外授業の日に学園に出て来ないといけないみたいだ。




「ありがとうございます、4月に入学したいと思います」



「わかった。私が記入しなきゃ行けない書類はもう記入済みだから、後はつばめ自身が学園に必要な書類を郵送なり、直接学園に提出して貰ってもいいかな?」




「わかりました」




 提出期限は1月末までなので選択科目等ゆっくり決めようと思う。




バナナの美しい食べ方



ロジャー「両端を切り落として、皮に縦に切れ込みを2本入れて皮をフォークでクルクル巻き取ります。身と皮をナイフでこう…身を房の中で剥がす様にして、後は一口ずつ切って食べます」



つばめ「綺麗ですね。凄い、尊敬します」



ロジャー(バナナの食べ方ひとつで尊敬されるなんて…ちょっと照れる)



ユリエル(絶対美味しい物あるだろ…女子会…呼んで欲しい…切実に参加したい…)




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