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174話



 クマ昼ごはん


 丸ジャムパン

 ハムエッグ

 ウィンナー

 サラダ

 ホットミルク


 キャラメルアーモンド




 烏丸井ベーカリーで買った丸パン大を横に半分に切ってから、トースターで焼き目をつけて、バターと蜂蜜りんごジャム、普通のりんごジャム、所々にシナモンパウダーをまぶしてサンドすれば出来上がり。2個あれば足りるかな?



 ハムエッグはフライパンに薄く切ったハムを敷き詰めてから卵を割り入れ、白身に少し色が着いたら水を少量入れて蒸し焼きにする。

 ウィンナーはお肉屋さんで買った物を大量に茹でただけ。



 サラダはレタスとトマトときゅうり。後は小ぶりのジャガイモを皮ごと茹でる。オリーブオイル、塩、乾燥バジルを混ぜ合わせたドレッシングを掛ければ完成。



 牛乳を温めていたらクマさんが上がって来たので、リビングの丸テーブルに食事を並べて先に食べてて貰った。



 ホットミルクを出して、マシロさんにはキャラメルアーモンドを専用のお皿に3つ並べてあげると、ガリゴリ言わせながら食べ始めた…相変わらずいい音だね。




「………」




「どうしたのクマさん?クマさんもキャラメルアーモンド食べたい?」




「あ…うん、後で貰おうかな……」




 ホットミルクをマグカップに移してから運んで、予め取り分けておいた食事を私も一緒に食べる。


 私はパンだけ普通ので、おかずはワンプレートにした。

 申し訳ないがクマさんのハムエッグはフライパンごと、ウィンナーとサラダもそれぞれボールで出した。ちなみに大きいジャムパン2つはラップをしたお盆の上。

 今度クマさん用の大きい食器を買おうかな。



 クマさんは全部「美味しい美味しい」と言って食べているが、特にジャムパンを気に入った様子。齧ると味が所々違くて幸せらしい。

 食事も食べ終わって、ホットミルクを飲みながらキャラメルアーモンドを食べてるとクマさんがウトウトしはじめた。




「クマさん眠い?」




「んー……」




「歯磨きだけしちゃお?」




 洗面所で新しい歯磨きを手渡したが、瞬きが多いし、受け答えも「うー」とか「んー」しか返って来ない。今にも寝そうだ。



 ボーッとしたクマさんを何とか寝室の布団の上に横にすると、熊型になったのでそのまま掛け布団をかける。お風呂は人型なのに、寝るのは熊型なんだね。オフトゥンに丸まって寝てる弟の熊が可愛い件。

 直ぐに寝息が聞こえて来たので、そーっと寝室の扉を閉めて食器類を片付ける。食洗機さん、お願いします。


 クマさんは毛がある時は寒さに強いって言ってたので、多分エアコン無くても大丈夫かな?布団もかけたし。


 起きてからも食べるだろうから、後で何か作ろう。

 その前に隣の『五月雨書店』に行ってマシロさんに絵本を買いたい。




「マシロさん。マシロさんが読みたい絵本を買いに行きたいんだけど、選んで貰ってもいいかな?」




 こくこくこく




 どうやらノリノリなご様子。早速出かけるが……あ、ローブ無いんだった。仕方ないのでマシロさんには肩に乗ってて貰い、隣の書店に向かう。











 書店に到着して絵本コーナーを物色していると、店主の雄也さんに話しかけられた。




「スライム?」




「こんにちは雄也さん、こちらスライムのマシロさんです。マシロさん、こちらお隣さんで本屋を経営している画家の雄也さんです」




 ぺこり




「よ…よろしくな。随分知能の高いスライムだな」




 自己紹介も終わったので、ついでに文字を覚えるのに何かいい絵本はないかと尋ねたら、簡単な図鑑と数の絵本を勧められた。よし、それは買おう。




「マシロさんは他にどれが欲しいかな?」




 掌に乗せて本の表紙を見て貰い題名を読みながら、興味のある所で合図してもらって選んで行く。

『嘘つきスライム』、『エルフ様と花売り少女』、『ドラゴンの嫁探し』。待ってマシロさんスライムの本はやめない?ダメ?わかった全部ください。







 お会計を済ませて五月雨書店を後にし、自宅に帰って早速マシロさんに絵本を読んだ…まさかの『嘘つきスライム』からでした。



 読み終わるとマシロさんは微動だにしない…気を取り直して、他の2冊も読むと『ドラゴンの嫁探し』が思ったより悲しい話しでまたしてもマシロさんは微動だにしなくなった。『エルフ様と花売り少女』はもの凄いイイ反応だったんだけどな…そうだ!




「マシロさん、恋愛小説の短編集読もう!」




 こくり




 前に買った獣人族…ベスティア語の短編恋愛小説集を読む。またしてもダークサイド。ユリエルさんのお祖父さんがメインヒーローで甘い言葉がマシマシ。おかしい…短編7作品あるのにヒーローの名前が全部『カミュ』。


 マシロさんにはウケが良くて、甘い台詞を全力で音読した。




「『愛する貴方の為ならこの命、惜しくはありまセン!』」(棒)




 ピョンピョンピョン




 マシロさんその場で飛び跳ねてるけど、本人曰く喜んでいるらしい。こんな大根役者より更に酷い演技力の私の音読を喜んでくれてありがとう。



 その後、短編小説をキリのいいところまで読んで、マシロさんが図鑑と数の絵本を眺めている間にクマさん用のごはんを量産する事にした。

 




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