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151話



 本格的に第7長官室の仕事が忙しくなってきた。


 更に手紙攻撃と、第3王子のお陰で精神的苦痛が増し。最近あのラーメン頭王子客室前まで現れる…ユリエルさんが送り迎えしてくれる時も現れる様になったが、ユリエルさんも忙しいので、たまに奏君が代わりに送り迎えしてくれる時は尚の事酷い。




「おい!いい加減にしろっ!話を聞け!?」




「………」




 幸い手は出して来ないけど、言葉がキツいんだよ。本当イヤになる………。

 仕事に行くのが辛くなって来た。毎回律儀に第3王子の手紙を返していたが、それもまちまち。



 結局、第7長官室の仕事が忙しくて残業やら6連勤やら7連勤が当たり前になって来たね。

 好きな時に出勤していいとは書いてあったが、私が休むと結局次の日に大量の仕事が振られるのでユリエルさんやロジャーさんに皺寄せが行ってるみたい。




 部屋から出ると王子と遭遇してしまう可能性があるし、休みの日は結構な量の手紙が運ばれて来る様になったので客室に居るのも面倒臭い。


 手紙だけじゃ無くて贈り物も届くんだけと、全部返品してもらってる。

 しかも、衣装部屋?に「普段着にどうぞ」と言って見知らぬフリフリのドレスが日に日に増えてるのは侍女さん達の仕業だ。

 流石にドレスは無理。何だか部屋で着てるのもシンプルな白いワンピースから徐々に装飾が増えてるのは気のせいじゃない気がする。



 皐月先生もパンケーキを量産した2日後からいない。大きな大会があるとかで医療班としてベスティア国に派遣されて、コンスタンティンさんは私の家を建てたり魔道具類の準備で忙しいので会えていない。



 やる事もと言うか、出来る事も無いのでどうせストレスを受けるなら仕事してお金を稼ごう!と言う事にした。部屋に居ても盗撮盗聴されてて心休まらないしね。




「……つばめ、ミスが多くなって来た。キチンとしろ。ロジャーも奏もだ」




「すいません」




「申し訳ありません」




「…すみません」




 書類のチェックは主にユリエルさんの仕事だが、最近ミスが多いみたいだ。


 ユリエルさんはピンピンしていると言うか表情も余り変わらないので良くわからないが、ロジャーさんも最近は元気が無い。

 多分疲れてるんだろう。この間紅茶を淹れて運ぶ時に珍しくひっくり返していた。


 しかし、元凶奏君が1番疲れた顔をしてる。本人曰く友達と夜遊びしてるみたい…この激務の中で。若い…そして遊んでるのかよ!



 ミスが目立って来て疲労困ぱいの中、久しぶりにコンスタンティンさんから呼び出しを受けた。


 道も既に覚えたので、1人で向かう事に。いつものコンスタンティンさんの部屋の前に行くと、内側からドアが空いてカールさんが迎え入れてくれた。




「主は暫くしたらまいります。リビングで少々お待ち下さい」




「わかりました」




 ソファを進められたので座ると、紅茶とカールさんお手製バナナのパウンドケーキが既にテーブルに置かれていた。いただきます。久しぶりのカールさんのお菓子おいしー…体に染み渡るよ。




「お味は大丈夫ですか?」




「とっても美味しいです。ありがとうございます」




 暫くすると、エプロン姿にゴム手袋?らしき物を嵌めたコンスタンティンさんがリビングに現れた。

 エプロンとゴム手袋を脱いでポポーイとカールさんに投げて、私が座っている向いのソファに腰掛けた。




「ふぅー……待たせてごめんね?」




「いえ、大丈夫です」



 髪を掻き上げて気怠げなコンスタンティンさん眼福。ごちそうさまです。

 私がコンスタンティンさん鑑賞会を始めると笑われた。




「ふふっ…楽しい?」




「はい、顔鑑賞会楽しいです」




「最近この顔を見せられなくてごめんね?ユリエルから手紙が来たんだけど、仕事大変みたいだね」




「仕事もですが…どちらかと言うと……」







 仕事以外の精神的ストレスをコンスタンティンさんに説明した。そしたら、提案を出される。




「部屋の物がまだ全部揃ってないけど、早めに引越しする?家自体は完成したんだ。中身はスッカラかんだけど、2階だけなら備品を揃えれば住めるよ」




「出来れば王宮から出たいです」




「じゃあ、手配するね。客室で今使ってる物は全部つばめのだから、持って行ける物以外で最低限必要な物を書き出して。後、冷蔵庫と洗濯機とコンロとかは出来たけど他の魔道具がまだ作れて無いんだ。ごめんね?」




「十分です。ありがとうございます」






 私はカールさんが用意してくれた紙とペンを受け取り、必要な品物を書き出して行った。




「布団類は手配してあるよ。後は丸テーブルと座布団も…それから……」




 とりあえず私が必要だと思う物を書き出して、コンスタンティンさんが既に手配している物は取り消して、こちらから持って行く物は印を記入する。

 必要な物は大体は調理器具や食器類だけだった。




「こんなに少なくていいの?」




「はい。後は街で自分で探してみます」




「わかった。今から引越しの荷物をまとめて。後、申し訳ないけど今日だけ私の居住区に泊まってくれるかな?」




「い…今から引越しですか???」




「そう、今から」



 え?冗談じゃ無くて本当に今から?








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