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146話



 第7長官室の仕事の休みの日に、王宮司書の採用試験と言う名の解析依頼待ちの本やら資料の翻訳作業をして無事合格し、採用が決定した。


 司書補佐資格の受講もさせてもらったが、働きはじめるのは数日先に。何やらあちらも準備等があるみたいだ。





 そして今日は初の水曜日。そう、給料日だ。

 ユリエルさんに明細を手渡されたが………これ週払いだよね?って感じの結構な金額の給料が振り込まれている事に驚愕した次の日ーーー。






「出張ですか?」



「そうなのよ。急遽決まってこれから行く事になったから後はよろしく!お土産買ってくるわね☆」



 瑞希さんは皆んなに挨拶して回ってから第7長官室を後にした。


 出張って事はコンスタンティンさんの使いっ走りかな?国内だが帰って来るのは3〜4ヶ月先だと言われた…ちょっと寂しい。


 瑞希さんがいないと静かだなーと思っていたら、ユリエルさんに話しかけられた。

 どうやら、王宮司書の仕事を始めるのにあちら側の準備が出来たので出勤可能らしい。



「……週1日だ。それ以上働くなら休みを削れ」



 私は現在土日休みになっているが、瑞希さんが抜けたので司書の仕事をしたいなら土曜日に出勤して欲しいと言われた……日曜日も削ったら勉強時間も無くなって、最早休み無しになっちゃうから流石に無理だー。









 ー土曜日ー




「今日からよろしくお願いします」



「こちらこそ、よろしく頼む」



 いつもの様にユリエルさんが朝迎えに来てくれたが、今日は図書室に勤務。


 お昼は奏くんが来てくれる予定で、「一緒に昼食を取れ」と上司ユリエルさん命令が出た。

 表面上は普通に話してるんだけど、実は奏君ちょっと苦手なんだよな……瑞希さん早く帰って来て。



 地下の作業場に椿さんと向かいながら、今日のお昼ごはんのメニューは何かな?と考えていたら目的地に着いた。



「こちらが作業場になる」



「大分階段降りましたね…すみません、ここ地下何階ですか?」



「地下7階だ」



 ラッキーセブンね、覚えた。今度から土曜日はこちらの作業場を使って欲しいと言われた。



「わたしか誠一郎以外が来ても、絶対に扉を開けるな」



「コンスタンティンさんもですか?」



「あの方は開けなくても勝手に入って来るさ」



「………そうですね」



 コンスタンティンさんの感覚だと、自分の家と言うか、広い自宅書庫位にしか思ってなさそう。


 前に、王宮で入れない部屋無いって言ってたんだよね。「つばめもだよ。私の宝物庫入る?」って軽く言われた時はスルーした。

 コンスタンティンさんの宝物庫とか、伝説の剣やエリクサーとか置いてあっても不思議じゃ無い。




 今回、私が就職したと言う事で元は保管庫だったと言うこの部屋を片付けて、新たに場所を作ってくれたそうだ。わざわざありがとうございます。



 用意された部屋の作り自体は地下1階の作業部屋と変わらない。

 しかし、並んでる本や資料は全て『解析待ち』の方にしか置いて無いので、私が翻訳し終わった物を『解析済み』の棚に移動させてくれと言われた。

 修復が必要なモノはここには無いので、翻訳に専念してくれと説明を受ける。了解です。


 最後に白い手袋を一組み手渡される。



「資料を扱う際はこの手袋を必ずはめてくれ……間違っても素手で触るなよ。特に箱型の状態保存のかかった魔道具の中の物を触る際は、この手袋をしていないと触れられないからな」



「わかりました。気をつけます」



 その後、細かな作業場内容や注意点などの説明を一通り受けて、椿さんは部屋を後にした。





 私は早速翻訳作業に取り掛かる。

 手袋をはめて、解析待ちの棚に向かうが………どれからやろうかな?とりあえず1番右端から。



 作業スペースに手に取った小さな冊子を置いて、用意されていた用紙に私の名前を書いて、『つばめ司書補佐』のハンコを押す。


 本に付属でついていた『解析No.10535』と書かれた封筒の中身を見て、何処を翻訳すればいいのか確認。今回は冊子の題名と、目次と思われる数ページを翻訳すればいいみたいだ。


 いや、題名って…見た感じ表面には何も書いて無かったので、本を開いて見る………あ、これか。


 1ページ目に書いてあったので、先程私の名前を記入した紙に書き出して、次のページをめくる。


 目次というか、コレは目録みたいだ。

 翻訳した物をそのまま写すと分かり辛いだろうと思う。


 なので、目録の元の文字を書いた後に、横に翻訳した文字を違う色のペンで書いて行く。うん、コレで見やすい。



 目録の先のページは品物の名前の後に何処の産地だとか、誰が作ったとか細かな説明書きだったので、多分もう翻訳しなくて大丈夫っぽい。


 最後に解析No.を紙の左上に記入して、元から封筒に入っていた翻訳指定が書かれた紙も封筒に一緒に入れれば作業は終了だ。

 解析済みの棚に冊子と付属の封筒を移動してさせる。




 1人での初めての翻訳作業は20分少々で終わってしまったね。ちゃんと1人で出来るか心配だったが、これなら私でも大丈夫そう。よかった。


 それでは、次の巻物みたいなのに取り掛かるとしようかな…………。








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