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145話



 椿さんの提案は3つあった。

 レプリカの翻訳場所についてだ。



 1つ目はコンスタンティンさんの居住区か、第7長官室で翻訳作業をさせてもらう。


 2つ目は王宮司書に席を設けて、図書室地下で作業を行う。


 3つ目は先程言われた神聖帝国に赴き、金庫内で翻訳作業だ。



「………第7長官室内は許可出来ない」



「わたしが聞いた話しだと、あそこは機密漏洩の為に他より厳重な結界が作動してると聞いたが無理なのか?」



「………現在は事情により無理だ」



 第7長官室での話しは無しになった。スパイがいるもんね。




 正直言って、神聖帝国に行くのは怖い。

 今現在、知識や常識が無くても働けているのは、事情を知っている人達が近くにいてくれてるからだ。


 本当ありがたいよね…こんな私が他国に行って何かやらかしでもしたら、コンスタンティンさん(神)に迷惑かけてしまいそうなので、国外に出るのは当分先にしたい。



 なので、残ったのはコンスタンティンさんの居住区か、図書室地下か、翻訳自体を受けないの3つの選択肢。んー………どうしよう?



「コンスタンティン様の居住区だと個人依頼になるので、書物の取り扱いや解析内容の信用面の問題で『司書』などの資格を取った方がいい。図書室地下の場合は王宮司書所属になるので、面接と採用試験と『司書補佐資格』の受講だな。こちらが物品の準備や解析内容等の補償を受け持つ形になる。受けないと言うのであれば止めはしないが…個人的には受けてもらいたい」



「第7長官室所属でも、王宮司書になれるんですか???」



「第7長官室は臨時雇用だと聞いた…こちらも同じ様な条件で採用したいと考えている。第1、2長官には許可を得ているので、後はユリエル長官の許可が出れば採用可能だが…」



「……第7長官室の仕事を優先するのであれば許可は出す」



 うん、後は私次第。いや…本当どうしよう?

 椿さんの話しだと、特殊雇用で地上図書室の貸し出し業務やらは無しで、地下の解析や翻訳専門で雇いたいらしい。


 主な業務は外部から委託された解析依頼待ちの書物や資料の翻訳作業と、それが落ち着いたら他国の本の翻訳など。




 詳しい雇用内容が書かれた紙を出されたので読んでみると……またもや出勤時間フリーダムの出来高制だね。


 ただし、年5回の夜勤の内1回以上は特別手当を出すので、出来れば出勤して欲しいと言われた。



「3年以上依頼待ちの古代文字解析が代金の8割支給に変更にしたので悪い話しでは無いと思うが、どうだろうか?」



 普通の物は7割り支給。

 8割り支給の3年以上依頼待ちの一覧を見せてもらったが………最低で10万ぺリンからだった。

 最高額がちょっとおかしい金額だった。ゼロの数が凄い付いてた。



「わかりました。採用試験を受けさせて下さい」



 レプリカの解析依頼が来たら受ける事も了承した。

 採用試験と司書補佐資格の受講は後日改めてと言うことで、ジョンさんに何度もお礼を言われながら本日は解散となった。








 ユリエルさんに客間まで送ってもらって、そのまま夕飯を食べてお風呂に入り、今日の出来事を思い浮かべる………。



 就職先が2つも出来るとは思わなかった…異世界でバイト掛け持ち。


 カイザス国は所得税とか無い代わりに、20歳以上は1人年間50万ペリン払わないといけない。

 土地の貸し出し料が50万ぺリンなので、合わせると100万ぺリン。


 更に年金制度とかも無いので将来の為に貯めとかないと、病気になった時に医療費が無いとか辛い。稼げる時に稼いで将来に備えたいね。



 私の老後は何歳だろう?

 少なくとも1000年ってスケールが大きすぎて老後のビジョンが全くわかんないけどね。

 まぁ、時間はたっぷりあるから色々調べながら出来たら他の国とかも旅行して美味しい物でも食べたいな。折角異世界来たなら楽しまないとね!


 旅行の前に、働いてお金貯めて学園都市で学ぶ事もあるし、資格もまだ取って無いのがあるのでまずはやる事ちゃっちゃっとやってしまおう。





 さて、お風呂から上がって夕食時に届いた手紙を読む……うん、また第3王子から来てる。


『会って話したい』と言う内容だったのでお断りの返事を書いたので、明日侍女さんに渡してもらおう。




 寝室の広いベッドにダイブ。


 目覚まし時計がセットされてる事を確認して、それではおやすみなさい。今日も濃い1日だったな…スヤァ。







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