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143話



 ユリエルさんは部屋に行くと言っていたが、どうやらコンスタンティンさんの居住区に行くみたいだ。



 客間から行く時と道順が違うのでまた覚えなきゃいけなくなった………あそこを左に曲がって更に階段を降りて…え、元きた階段を更に戻って階段途中の壁にペンダントをかざして……相変わらず出鱈目な道を通る。気がつくといつものドアが目の前にあって中から扉が開いた。



「つばめ仕事お疲れ様。リビングで話そうか」



「ありがとうございます」






 ソファに座ってと促されたので、腰かけると既に紅茶が目の前に置かれていた……いつ準備したんだろう?



「今日はカールはちょっと席を外してるから私が淹れたので申し訳ないけど、よければどうぞ?ユリエルはどっちでもいいや」



「変なもの入れてないだろうな?」



「ふふっ、飲めばわかるよ?」



「いただきます………美味しいです」



「つばめは素直で可愛いよね。ユリエル見習って?」



「無茶を言うな……」




 そんな感じで戯れながらも話はスタートしたが、そうだお礼を言わなければ。



「コンスタンティンさん口座を作っていただいたのと、お金までいただいてありがとうございます。今日のお昼ご飯を食べる時に、危うく支払い出来ないところでした。助かりました」



「口座自体は大分前に作っていたんだ。私も伝え忘れててごめんね?ついでにお小遣いも入れてたのすっかり忘れてたから、就職祝いだと思って受け取ってくれるかな?」



「はい、ありがとうございます」



 何でも、ペンダントを手渡された時に既に口座は作っていてお金も入れてくれたみたいだが、しばらくしてから皐月先生に「つばめさんに余りお金とか使うと、本人が遠慮しちゃうからほどほどにしてあげて下さい」って言葉を聞いて急いで入金額を下げたらしい。

 更に昨日皐月先生に具体的な金額を聞いてみたそうだ。



「え?いくら入っていたんですか」



「100億あれば当分は生きていけるかなと思って入れておいたんだけど、皐月に『仕事始めたならとりあえず100万あれば十分』って言われてね…少なく無いかな?」



「来週になったらお給料が入るので…100万でも多いくらいです」



 皐月先生、コンスタンティンさんを止めてくれて本当ありがとう。

 100億とか当面どころか一生遊んで暮らせ……るかな?私寿命長いんだった。


 コンスタンティンさんの『当分』がどれくらいなのか定かでは無いが、そんなに入金されても困っていただろうな。



 今は生活費とかもコンスタンティンさんにおんぶに抱っこ状態だから、使うとしてもお昼代くらいかな?



「私はいつ寮に移動するんですかね?」



「あちらは警備が手薄だ。囮の間は客間を利用しろ」



「わかりました……流石にお給料が入ったら生活費の支払いしてもいいですかコンスタンティンさん?」



「パパって呼んでくれる気になったの?」



 私はコンスタンティンの顔を見ながら……くっ今日も素敵なお顔ですね。



「ぱ………ぱぱ」



「え、何?もう一回言って?」



「コンスタンティン、出させる気も無いのに何言わせてるんだ」



「え?」



「いいところで邪魔しないでくれる?」



「コレの事を余り信用するな。『呼んだら金を出させる』なんてひと言も言ってないぞ」



「………コンスタンティン様」



「つばめ、からかった事は謝るから名前くらいはちゃんと呼んで?でないと入れ知恵したユリエルの心臓止めちゃいそう」



「やめろ、物騒な事を言うな。もとを辿ればーーー」




 こんな感じで会話していたが、結局生活費は変わらずコンスタンティンさんが出す事になったよ。「使うところが無くて貯まる一方だから社会貢献だと思って使わせて?」と、言われたので私は社会貢献だと思う事にした…まぁ、助かるっちゃ助かるけど、こんなに良くしてもらって私コンスタンティンさんに何返せばいいんだろう…。




「異世界人は皆んなこんな思考回路なのか?獣人族並みに自立心が強いな。こちらだと、養い親に面倒見てもらうのは普通の事だ………まぁ、つばめの場合は養父が既に特殊なので普通に当てはまるかは謎だが」



「まるで私が特殊な人みたいな言い方だよね?」



「『みたい』では無く特殊そのモノだ。私は信じられんが何処ぞの神だろう」



「いや、私もあれは引いたよ?崇めたいって言うから軽い気持ちで『好きにすれば?』って言ったらいつの間にか国教になってるんだもん」



 あー…紅茶美味しいなぁ。

 2人で楽しそうにジャレ合っているけど、話の内容は歴史の裏側なんだろうな。神様も大変だなぁ………。








 ところで、何の用事でコンスタンティンさんの居住区まで来たんだろう?





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