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139話



 昼食を客間で済ませて、迎えに来てくれたユリエルさんと一緒に第7長官室に向かう。


 幾つかの廊下と階段、扉を通過してたどり着いた第7長官室は一部書類が山積みになっていた。




「……トイレはあちら、給湯室とあそこにソファとテーブルがある。以上…ではこの書類にサインを」



 そう言って出されたのは2枚の紙。『第7長官室雇用形態』と書かれたそれは、前に見た『案』と言うところが削除されて『この雇用形態で同意します』と、言う文の下に名前を書く欄があった。


 後は守秘義務に関する書面…いや、ちょっと待って…私見学に来ただけだよ?



「………何事も経験だ。正直、つばめの所為で仕事に支障が出ている。責任を取れ」



「うわー。…………わかりました臨時のアルバイトですがよろしくお願いします。ユリエル長官」



「………ああ。君の机はそちらだ。好きに使え」



 正直、ユリエルさんの所がこんなに忙しそうなところだと思わなかった。

 私の授業のせいも有るかもしれないなら、少し位お手伝いしてもいいよね?


 書類にサインをして、ユリエルさんに渡したらハンコを渡された。『臨時補佐官』と書かれたハンコを名前の端に被る様に押せと言われたので、ポンッと押して提出。



「ロジャーさんは?」



「………今は午後の分の書類を回収しに行っている。つばめ、これを翻訳しろ。青いインクで書け」



「あ、はい」



 ドサッと渡されたのは書類の束だ。

 急ぎの物は渡さないし、チェックはするのでとりあえずやってみろと言われた……ユリエルさんってたまにアバウトだよね。



 公文書の書き方は2パターンあって行間が無い物と、1行分下にスペースが開いていて線が引いてあるものだ。


 他国から来る書類は共通語で書かれている物はそのままだが、外国語で来る物はスペース部分に翻訳された文章を直接書き込める様になっている。


 また、こちらから外国語で送る場合は、担当部署で共通語と外国語で書くか、もしくは普通に共通語で書いてもらい、第7文官や第7長官室所属の者がチェック又は翻訳して他国に郵送するそうだ。


 それでは書いて…1枚出来たのでユリエルさんに見てもらう。



「……文書は問題ない。『翻訳者』の所にサインとハンコを押せ。サインも青いインクだ。何か質問は?」



「今のところ無いです」



「……では、次はまとめて10枚持ってこい。サインとハンコも押して構わない」



「はい」







 数枚書いた所でロジャーさんが戻って来た。あ、さらに書類が山積みに。



「つばめ様、いらっしゃい…あれ?もうお仕事ですか?」



「………つばめは今日から君の部下だ。仕事中は『様』はいらん」



「わかりました。つばめさんって呼んでも構いませんか?」



「はい。今日からよろしくお願いします…ロジャーさんは何と呼べばいいですかね?」



「名前の後に『副長』とつければ大丈夫ですよ」



「ロジャー副長。わかりました」



 ロジャーさんとのやりとりも終わり、書類の続きを書いてしまう…10枚終わった所でユリエルさんに確認してもらい、ユリエルさんは『つばめ専用』と書かれた箱に書類を入れて、箱にぶら下がっているバインダーに挟んである紙に何やら書き足している……何の書類を翻訳したか枚数を書いていた。



「……次からこの箱に自分で入れろ。ついでに紙に何を翻訳したか枚数も書け。後でチェックする」



「あ、はい」



 それから17時まで仕事。

 給料の支払いは月払いか週払いしか選べないと言われたので、水曜日の週払いにしてもらう。今週働いた分は来週の水曜日にならないともらえない。

 給料は身分証のペンダントに自動振り込みなので楽チンだね。


 忙しいと言うのにユリエルさんは部屋まで送ってくれたよ。



「……つばめ、初勤務お疲れ様。私たちの故郷とは働き方が……ちょっと結界を張ろうか?久しぶりに国の話しをしよう」



「……ハイ」



 仕事終わりに内緒話しですか?何かな?






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