15話
異世界転生転移でお馴染み『自動翻訳』。
日本では作品によって機能は様々だが、私の場合はあらゆる言語で会話可能、読み書きも出来る。
見知らぬ神様チートをありがとう。
ちなみに『アイテムボックス』は無かったよ。残念。有れば便利そうだったんだけどな。
私は箱に入っている書類を手に取り翻訳作業に取り掛かる…
「ただいま戻りました〜。つばめさま、お返事のお手紙もらって来ましたよぉ。はい、どうぞ」
「ありがとう奏君」
奏君から手渡された手紙は2通……第三王子『昼食一緒にしたい』って再度手紙が来た………さっき断ったんだけどな?
まぁ、いつもの事だ。
面倒なので、2回目の返事は書かないよ。
あ、コンスタンティンさんからお返事だ。「今からでも会えるかな?」って随分急だな?
「えっと…コンスタンティンさんが『今からでも会えるかな?』ってお返事だったんですけど、抜けても大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。もし長時間かかる様ならそのままお昼休憩に入って下さい」
「はい、ありがとうございます。行ってきます」
ロジャーさんに許可をもらい、私は第7長官室を後にした。
廊下を進み階段を上がったり、降りたり、銀プレートに許可証を何度か読み込み王宮のある一角にたどり着いた。
ここは王宮内の最深部…らしいのだが、入り組んだ滅茶苦茶な道を来たので王宮のどこら辺なのか私は良くわからない。
装飾の施されたドアにたどり着き、ドアをノックする……前に内側から扉が開いて、中から緑ローブのエルフ族の男性が迎え入れてくれた。
「つばめ様、お待ちしておりました。どうぞ中に入って下さい………主の急な呼び出し申し訳ありません。早速サンルームでお待ちですのでお進み下さい。私はお茶の準備をして来ますね」
「いえ、大丈夫です。お招きありがとうございます。あちらの方ですね?了解しました」
このエルフ族の男性はカールさんと言って、コンスタンティンさんの身の回りの世話などをしている人だ。
お顔は少し目尻にシワがある。ローブの色が薄〜い緑なので相当なお年だと思われるが、年齢いくつなんだろう?
私は指定されたサンルームに向かう…全面ガラス張りのサンルームは、柔らかな光りを取り入れた部屋だ。そこに椅子に座ったコンスタンティンさんと見たことない女の人が立っている……………頭に丸みを帯びた獣耳とお尻近くに尻尾付いてる!
獣人族だ!?尻尾は白黒縞模様の猫みたいなしっぽだ。
「よく来たねつばめ…急に呼び出してごめんね?とりあえず座って」
「はい、失礼します」
私はコンスタンティンさんの目の前の椅子に座る。
相変わらず顔面偏差値高いなー。
目の前の美術品をじーーーっと見ていたら、コンスタンティン様が「ふふっ」と笑われた。
「また私の『顔鑑賞会』とやらをしてるのかな?つばめは好きだね、私の顔」
「あ…すいません、つい見ちゃうんですよね」
「ふふっ…いくらでも見てていいよと言いたいところだけど、今日は話しがあるからまた今度ね?」
「はい」
そうだ、そういえば何の話しだろう?