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134話



 実技も終わり、中級魔道具使用免許(一部フィールド限定)もとれたのでコンスタンティンさんが登録してくれた。


 現在はサンルームに戻りアイスティーをいただいている。外は暑かったから、よく冷えたアイスティーが体の火照りを癒やしてくれます。クッキーもうまうま。



「ユリエルさん約束の支払いはよろしくお願いします」



「ああ、私の講師料を引いた額を払えばいいのか?」



「登録料だけで大丈夫だよ?」



「わかった」



 ちょっと待って、講師料って何?


 資格取得時に内容を教えてくれた人に普通は講師料がかかるみたい。


 試験官に払う代金もあるし、教科書や参考書代もかかる。

 後は、場合によっては試験会場代や消費した物品代や貸出料なんかも。登録料だけじゃ無かったのか…普通に考えたらそうだよね。

 大勢の受講や試験の説明された時にもっと詳しく聞いとくべきだった。



「本とかは私が持っていた物だから代金いらないよ?元々つばめに渡してある物はあげるつもりだったし。ユリエルが払うなら講師料も試験官代もいらないよ。もちろん私の分もね」



「私もいりませんので大丈夫です。……お願いを言うと、前につばめ様が作ったパンケーキ類の詳細なレシピなどを貰えるとお金より嬉しいです」



 身内が教える場合は講師料などかからない場合がある。普通は大勢で受講して試験もまとめて受けるから、講師料や試験官代を分散させて安く済ませるのか。



 私は紙とペンを借りてその場でパンケーキや使ったソース、生クリームの作り方などもザッと書いていくつかカールさんに質問を受けながら書いた紙を渡した。



「……次は呼べよ」



「あ、はい」



 横で聞いていたユリエルさんがドスの効いた声で言っていたので、相当甘いもの好きだなと思った。

 私も皆んなでパンケーキパーティーしたって言われたら「行けなくても声はかけて欲しかった(血涙)」って思うので、気持ちはわかる。



「生クリームが食べたい」



「そっちですか?」



 ユリエルさんも生クリームマシマシ推進派か…気が合いそうです。












 数分後、私は何故かキッチンにいた。

 カールさんの「つばめ様、生クリームありますよ」の、前にも似たようなセリフを聞いて今に至る。




 しかし、もうオヤツのクッキーをいただいたのでこれ以上何か食べたら夕飯に響きそうだ…私の胃が。よし、飲んじゃうか。



「ユリエルさん。飲み物…紅茶ベースにしようと思うんですけど、冷たいのと温かいのどちらにしますか?」



「先程冷たい物は食したので温かい物が興味がある」



 聞いてみたら全員同じ物でいいと言うので、カールさんに材料を確認してから早速作る。






 まず素焼きアーモンドを砕いて鍋に入れ、水を入れて沸騰させてから茶葉を入れ蓋をして火を止める。



「つばめ様、紅茶を淹れるんですよね?」



「はい」



「アーモンドの乾煎りは今回はなさらないんですか?」



「紅茶の茶葉の香りも楽しみたいので、今回はしません…好みにもよるので、どっちで作っても大丈夫ですよ」



 前回同様、カールさんがレモン汁なし、砂糖なしのただの生クリームを氷水を張ったボールの上で泡立てながら聞いてきた。

 キッチン使わせていただいてありがとうございます…手伝い助かります。




 茶葉を入れて大体4分後、牛乳を足して火加減弱火で牛乳を沸騰させない様に気をつける。温まったら茶漉しでコシてカップに移す。


 コンスタンティンさんは砂糖なし、私は砂糖あり、カールさんとユリエルさんは両方。


 生クリームを紅茶の上に乗せて更に砂糖なしの方に先程砕いたアーモンドの余りをトッピングして、アーモンドミルクティーの出来上がりだ。




「お待たせしました。上のクリームは好きなタイミングで紅茶にかき混ぜて飲んで下さい」



 各々好きな様に飲み始めたので、私もいただく。茶葉多めにしたので贅沢な味わいだ。

 アーモンドのほのかに香ばしい風味がよく合う。


 半分飲んだ所で上のクリームをティースプーンでかき混ぜていただくとクリーミーになって更に美味しい。ごちそうさまでした。



「つばめ様、こちらのレシピもいただけると更に嬉しいです」



「わかりました」



 カールさんは気に入ってくれたみたいだ。ユリエルさんも満足してくれた様で、この間のパンケーキパーティー?の件はチャラに…ならないのね。すいませんでした。






 後日、何処からか話が漏れたらしく皐月先生に「生クリームが飲み物って何?」と聞かれて詳細を説明したら「私も飲みたい」と言われた。


 私は作る場所も材料も無かったので、カールさんにレシピを渡したから頼めば作ってくれるかも?と言ったら後日無事に飲めたらしく、「凄い美味しかったわ!」と報告してくれた。よかったです。






 次に何か作る時は全員一緒じゃ無いと後が大変だね…気をつけよう。




皐月の飲み物の代償


カール「タダで淹れる程私は優しくないですよ」


皐月「くっ…人気店のマドレーヌでどうかしら」


カール「季節限定商品もつけてくれるなら手を打ちましょう」


皐月「あれは朝から並ばないと買えないのよ!」


カール「ではこの話は無かった事にーー」


皐月「待って!買ってくるから!」(泣)



 後日、ほんのりピンク色のマドレーヌをニコニコしながら食べているカールさんをコンスタンティンが目撃したとかしなかったとか。




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