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133話



 北がドワーフ族、南側がエルフ族、中間地点にコンスタンティンさんで周りに人族。残りの土地は魔族と獣人族。



「魔族と獣人族は始めは大人しくしてたんだけどね?オイタをしたから大多数の魔族と一部の獣人族はエデン追放。その他の魔族や獣人族は同族を止められなかった罰として、番の感知が下がる魔道具を体に埋め込んで終了」



 番の感知が下がるって…前に話してた避妊とセットの番抑制魔法か。

 戦争は無いが、いざこざはあるので国単位の賠償請求はお金や魔石や後は土地になる。


 現在カイザス国以外はコンスタンティンさんから土地を買い取り、幾つか『エデン条約』と言う決まりはあるものの、自国で運営している。



「土地の買取用に積み立てしていた一部をここに住み着いてた一族とかその他が手をつけちゃってね。カイザス国はまだ当分買取に時間がかかるかもね」



 前にコンスタンティンさんの年齢を聞いたが、本人も何歳になったか知らないと言う。少なくともこのエデンを作った数千年前には生きてたよと言われた…わぁお。



「疑問は解消したかな?」



「おかげさまで大丈夫そうです」



 疑問は解消したが…スケールの大きな話しでしたね。種族は何ですかと聞いたら「人族にしてる」と言われた。



「誤解しないでね?他に私の様な者がいないから、生物学的には新種に分類されて、新種の種族分類は本人に決定権があるんだ。新たに名付けてもいいし、今ある種族の中から決めても構わないんだよ?エデンを作ってしばらくした時に取り決めをしたんだ。」



 そもそも、エデンの種族分類を決めてるのも元はコンスタンティンさんで、他の大陸では若干分類方法が違う所もあるらしい。


 あれか、トマトが野菜に入るか果物に分類されるか国ごとに違うみたいな感じだ。

 植物学的にはスイカや苺は野菜に分類されるが、果物って認識だもんね。生物学的には人狼や竜人が魔族に分類されるが、一般的には獣人族だし…色々だね。



「魔族も昔はみんな『悪魔』って呼ばれてたけど、全員が人に悪さする訳じゃ無いでしょ?だから『魔族』の中に『悪魔』って分類と言うか、認定式にして途中で変更しんだけど、魔族が未だに悪いイメージがつきまとうから大体違う種族か新たに名称を付ける場合が多いかな?」



 人に悪さをしなければ体内に魔石を持っていて、知能が高くても『悪魔』と認定される事は無いが、種族的に見て人に害をなす可能性が高い魔族は申し訳ないが現在魔大陸に封印中。人を食べる系などは特に。いやー…勉強になった。









 さて、コンスタンティンさんのお話しも終わりユリエルさんとリビングで合流した。



「お待たせしてすみませんでした」



「つばめ、口答試験を行うから心配な部分は今のうちに教科書を読んでおけ」



「はい」 


 心配な部分を読んで、ユリエルさんの中級魔道具使用免許(一部フィールド限定)口答試験を受ける…10問出された所で終了。



「私は問題無い様に思う」



「うん、合格」



「ありがとうございます」



「じゃあ、実技もやっちゃおうか」



 リビングから移動して扉のいっぱいある廊下を通り過ぎ、サンルームから外に出る。中庭っぽい……多分。どうやらコンスタンティンさんの居住区全体にフィールド限定解除がしてあるみたいだ。



「つばめ手を出して?」



「はい」



 両手を出したらラッパみたいな銃を渡された。ギアがついていて緑、青、黄色の3種類にセットできる……教科書に載ってたなコレ。



「緊急時に実際軍から貸し出しされる魔道具だよ。量産品で反動が大きいからまず固定させた状態でやってみよう」



 台座に固定させて…うん、スポンと上から入れてベルトみたいな物に留め金で2箇所つけるだけなので簡単。この台座は城壁の上にも付いている物らしい。



「水から使うから、ギアを青にセットして安全装置を外して軽く引き金を引いてみて」



 ギアを青の『水』に入れて、安全装置を外して、軽く引き金を………



「うわっ!!!………あ、すいません思ったよりも水が出たので」



「初めは皆そうなる。気にするな」



「次は引き金を引かないで、台座の可動域を調べてみて」



「はい」



 水の勢いは消防車の給水ホースくらい。水の色は青色で何だかペンキみたいだ。可動域を左右上下調べて……おー…何か面白いな。



「次は風ね。台座を正面に戻してギアを緑にして、それから軽く引き金を引く」



 半透明の緑色のカマイタチみたいなのが出た。

 同じ動作で黄色に変えたら丸い黄色の球体が飛んで行き、地面に当たって弾けてバチバチいっている…怖っ!



「大丈夫、あの青い水の所しか放電しないから。次は台座から外して直接つばめが操作してみようか」



「はい」



    





 ー数十分後ー




 実技試験と言うよりも、この『3段式攻撃魔道銃』と呼ばれる攻撃魔道具の操作方法を実際触って教わる意味合いが強いので、普通に指導者の指示に従えば大丈夫と試験が終わってから聞かされた。



「こんなに簡単な物だと誰でも扱えそうですね……」



「つばめが簡単に扱えるのは魔力量が高いからだ。一般人が長時間扱うのは難しい」



 中級魔道具から上は試験や実技の前に大体魔力量でふるいに落とされるみたいだ。

 カイザス国だと人口の約5割が扱えるが80歳以上が2割を占めるので実際に現役でこの魔道具を扱えるのは3割。



「魔力を溜めた魔石は使えないんですか?」



「病院とか医療関係と農業畜産に優先的に魔力のこもった魔石は使うから、攻撃魔道具は大体自前の魔力だね」



「軍人は空の魔石に自分の魔力を込めた物を使う場合はあるな」



 ユリエルさんも自分の魔力を込めた魔石を持っていたので見せてもらった……小さな四角い…何て言ったらいいのかな?小粒のガムが近いかも。


 魔道具に魔力だけ吸わせてもいいが、緊急を要する時はごっくんして身体に魔力を行き渡らせるらしい。


「コレはわたし用で魔石がコーティングされてる。本当に危ない時で体内魔力が枯渇寸前の時だけだ。食べて体にいいものでは無い…むしろ毒だ。普通の奴は緊急時でも口にしない」


 どんな味なのか気になって興味津々でガムみたいな魔石を手に持って見ていたが、ユリエルさんにそっと返しておいた。




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