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130話



 今日は早めに夕飯にしようかな…呼び鈴で侍女さんを呼んで夕飯を持って来てもらう。

 ついでに昨日渡した洗濯物が返って来たので、受け取る。



「お手紙が届いています」



「……はい」



 キター!!!?侍女さんが夕飯をテーブルに並べている間に手紙を読ませていただく……内容は「食事でもご一緒にいかがでしょう?」と言う佐原さんと言う方からの手紙だった。

 私は『知らない方からお手紙が来て、食事に誘われました。佐原さんはユリエルさんのお知り合いですか?どうしましょう?』と言う内容を紙に書いた。



「ユリエルさんにお手紙を渡してもらいたいんですけど、お願い出来ますか?」



「承知しました……こちらお手紙ですか?」



「すいません、便箋が無かったので…もし可能であればお返事も持って来ていただけると助かります」



 書いたメモを折り込んで中が見れない様にした。正面に『ユリエルさんへ』と書いて、裏に私の名前。



 私が夕飯を食べていると、侍女さんがユリエルさんからの手紙を持って戻ってきた…ちょっとフラついてるけど大丈夫かな?ついでに便箋と封筒も手渡される。

 ユリエルさんから私にプレゼントだそうだ。

 侍女さんは退出せずにまだ部屋にいる……あ、読みますね。お待たせしてすいません。


 内容は『私の知り合いでは無いが、つばめの好きな様にしなさい』と言う内容。



「お返事は書かれますか?」



「大丈夫みたいです」



「佐原様へのお手紙へのお返事は?」



「そちらも大丈夫そうです」



 侍女さんは部屋を退出して行った。

 夕飯を食べ終わって台車に食べ終わった食器と、今日の洗濯物をカゴごと台車に乗せる。


 食器は1段目に重ねて置いて、洗濯物は下の段だ。下着も入っているので、カゴの1番上に体を拭いたタオルで見えない様にしている。台車を廊下に出してお終い。



 凄い早い時間だけど、寝室に引っ込んで私はベッドに横になった。



 恐らくユリエルさんは手紙が来るだろうと言っていた。そしたら『どうしたらいいか?』と言う内容でユリエルさんに指示を仰いで欲しいとも。



 もう今日は寝よう………寝れるか心配だったが、いつの間にか朝だった。








「お手紙が届いています」



 朝食を運んでくれた侍女さんが、また手紙を持って来た。全部で3通手渡された…増えてる。



「後で読ませていただきマス」



「畏まりました。それでは失礼致します」



 とりあえず朝食を食べて、片付けした後にリビングで手紙を開けて読んで行く。


 昨日の佐原さんって方もまたくれたみたいだ。『お返事お待ちしています』みたいな事が書いてあったが、多分書かないよ。すまん。


 後は……おー。本当に来た…王妃からの手紙だ。『助けて欲しい』みたいな事が書いてあったが………ごめん、私には無理だ。次はまた違う人からだったが、佐原さんと似たり寄ったりな内容だった。







 時間になったらユリエルさんが来たので、一緒にコンスタンティンさんの居住区に向かう。



「いらっしゃいませつばめ様、只今紅茶をお持ち致しますのでサンルームでお待ちください。ユリエル、案内してあげて下さい」



「わかりました。つばめこちらだ」



「はい」



 リビングを右に曲がって書庫やパンケーキを作ったキッチンに行った事はあるが、今日は初めて左に曲がる。

 ドアの先は……廊下だ。書庫やキッチンは部屋続きの扉の先だったので、コンスタンティンさんの居住区に廊下があるのは何だか新鮮だ。



「扉がいっぱい…」



「我が身が可愛ければ扉は開けるなよ。アレらは何処に繋がっているかわからないからな」



「開けない様に気をつけます」



 両側に無数の扉がある先は、全面ガラス張りのサンルームにテーブルと数個の椅子。

 その一つの椅子にコンスタンティンさんが腰掛けて本を読んでいる。絵になるわー。組んだ脚ながーい。



「つばめ、いらっしゃい。こっちに来て座って…ユリエルはどっちでもいいや」



「扱いが雑だな」



 ちょっとびっくりしたけど、これがいつものやりとりなのかな?気にせずユリエルさんは椅子に腰掛けた。



「失礼します…」



 私も椅子に座らせてもらって、早速持参した手紙をテーブルの上に置いた。昨日の分も含めて全部で4通。



「つばめ、囮役大丈夫?やめたかったら今の内に言わないと手紙が増えて行くよ?」



「正直嫌ですが…外装費の為に頑張ります」



「辛くなったら言ってね?」



「わかりました」



 一つ疑問に思った事を聞いてみた。


「王家と名乗っていた方々が罪を被ったってユリエルさんに聞きましたけど、お手紙の王妃は捕まらなかったんですか?」



「彼女は親に無理矢理後宮って所に入れられてね。むしろ被害者側らしいよ?元は第4王妃って呼ばれてたみたいだけど、今は他は居ないから『王妃』ってだけ呼ばれてる」



 王も王妃の親も娘を無理矢理結婚させたとか、他にも罪に問われて罰金刑を受けたが、支払いが足りず、足りない分は連帯責任で王妃本人だけでは無く、子ども達…つまり王子や王女にまで支払い義務が生じてしまう。養子に行って王女が戸籍を独立させたり、罰金の受け取りを一部しない代わりに王とは離婚協議中。




 慰謝料等で王妃や王子、王女達のこれまでかかった生活費で相殺されるだろうとの事。



「生活費ですか?」



「税金から出てたからね。払ってもらわないと納税者が可哀想でしょ?」



「幸い、王妃は空の魔石に魔力を込めて金に替えていたみたいだ。まぁ、それも子どもの養育費などでプラスマイナス…マイナスだろうな」



 後宮にいた侍女さん達と一緒で猶予を与えられたが、就職先も無く、王宮から出ても住む場所どころか土地持ちでは無いためカイザス国から出て行かなければならない…あぁ、だから結婚したいのか。


 王妃の話しはこれくらいにして、今後の予定の話しになった。





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