表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/499

126話



 鈴木さんは頭を抱えるほど美味しかったらしい。あれかな…異世界流の表現かも知れない。




 パンケーキの量産も終了したが、生クリームが無くなってしまったので再びかき混ぜたいが………。



「カールさん、氷ってありますか?」



「ありますよ。こちらです」



 冷凍庫が上についてるタイプだったのかこの冷蔵庫。


 製氷皿の下に氷が入っている入れ物があったので、ボールに少しもらう。

 お水を足して氷水にし、違うボールに生クリームを入れて………カールさんが果物のやつも2枚追加で食べたいそうなのだが、ここで残念なお知らせ。



「ブルーベリーソース無いですけど…大丈夫ですか?」



「………………」




 笑顔で固まるカールさん。




「苺ソース作りますね。その代わり生クリーム泡立ててもらってもいいですか?」



「泡立ては任せて下さい」



 レモンを半分に切り、レモン汁をカールさんが泡立て予定の生クリームに入れる。後はよろしくお願いします。

 苺のヘタを切り落として、果肉を細かく切りフライパンに砂糖と一緒に入れてかき混ぜる。



「フライパンですか?」



「少量なら鍋より火の通りが早いんです。カールさん、生クリームの泡立てはよさそうです。ありがとうございます」



 仕上げにフライパンにレモン汁を入れて、サッとかき混ぜたら出来上がり。苺の色が綺麗だ。



 さて、盛り付けしよう。


 4枚ずつ皿に乗せて、半分キャラメルソース、半分苺ソース。後はトッピングのアーモンドと先程多めに切って置いた果物をのせて完成。



 洗い物をしようとしたら、食洗機で後で全部洗うからとりあえず食べてしまおうとカールさんに言われた。紅茶も淹れていただいてありがとうございます。いただきます。




 キャラメルソースの方は、ほんのりほろ苦いキャラメルソースとアーモンドの食感がアクセントで美味しい。


 苺ソースの方は、甘酸っぱい苺のソースとフレッシュな果物のお陰でいくらでも食べられそうだ。


 そして、やっぱりパンケーキには生クリームがよく合う。生クリームは固めだが、レモン汁で味は爽やかに仕上がったので、くどく無い…ましましにして正解だった。



 パンケーキは好評だったので、この世界でも売れそうな気がする。

 そして、よく食べる…人の事言えないけど。食べ物の販売時はサイズを考えてから売ろう。












 食べ終わったらカールさんと一緒に片付けをして、厨房の間取りの話し合いだ。



 1皆部分の詳細な図面を出して、鈴木さんに図面を見てもらった。まずは店舗の正面から。



「肉屋や菓子屋の様な作りで御座いますね。店内では無く、直接外の顧客に販売するのは屋台の様で御座いますし、食器の返却口などもついているので食堂の様でもあり………少々変わった販売方法で御座いますが、今のところ問題は無い様にお見受け致します。」



 商品棚をショーケースのガラス張りにして、在庫の残量や品物をお客さんにも見れる様にしたんだ。

 店員は厨房の中で対応して、品物をショーケースから出す仕組み。


 正面は2階のパントリー部分の出っ張りと1階の販売スペース自体を少し引っ込んだ作りにしたので、2階の建物自体が屋根代わりの雨よけになる。


 販売スペースの返却口の隣に建物の中に入れるドアを設置したが、そちらは販売スペースより押し出して2階、3階と一緒の出っ張り具合。

 ドア上には屋根がついていて、厨房に繋がる扉と物品や常温で置いておける食材の保管に続く作りだ。


 後は2階に続く階段もあるので、そこからお客さん用のトイレにも行け、階段を更に登ると3階の賃貸物件に繋がっている。



「中央に広い作業台2つと、壁部分に大型のオーブンと、業務用のコンロや普通のコンロを置く様ですが、一部の空白部分はどの様にお考えで?」



「明確に作る物を決めていないので、少し余裕を持って作りました。後からでも設備が足せればと思います」



「………左様で御座いますか」



2 点ほど改良した方がいいと言われたので、お話しを聞く。シャッターをつけるのと、お客さんが並ぶ所を作った方がいいのでは無いかと言われた。



「野外に並ぶ事になりますので、家の壁沿いに列を作れる様にした方が宜しいかと。出来れば屋根も御付け頂いた方が雨よけや日除けになると存じます。」



 そうか…並ぶ所なんて考えて無かったので、アドバイス通りに図面に書き足す。



「2列以上作った方が宜しいかと存じます。」



 店の正面横の壁沿いに列を作れる様にする…奥に進んで、手前に戻って来ると売り場にたどり着く。何だかアトラクションに並ぶみたいだ……シャッターの位置も確認して完成。




 店を正面から見ると、右からお客さんが並ぶ場所、ショーケース付きの売り場、スペースが少し空いていて、外の手洗い場、食器返却口、建物入口(入ると2階へ行く階段や厨房に繋がる廊下、常温食品保管庫に続く)。



 ちなみに、2階の私の居住区玄関は店の裏手側の外階段を登った先にあるので、正面からは見えない。

 2階リビングからも店に行ける作りなので、住んだら使いやすい方を使おう。


 鈴木さんが見た所、図面上は問題無さそうだと言われたのでこれで一安心。



「つばめ、先に部屋に戻ってていいよ。今日は疲れたでしょ?」



 そう、実は少し疲れてしまった。主に腕が………生クリームましましトッピングの犠牲は筋肉痛だな。

 お言葉に甘えて、先に部屋に帰らせてもらった。








 お風呂に入りながら腕をマッサージ。

 久しぶりに料理したから楽しかったな。そう言えば明日の予定を聞いて無かったけど、ユリエルさんとのお勉強は再開かな?一応その程で早起きしよう。




 ストレッチと遅めの夕飯を食べて………スープが冷たい。

 昼の、ほのかにあったかいパンケーキを思い出してしまって、ちょっぴり悲しくなった。出された物は全部食べるけどね。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ