122話
コンスタンティンさんも帰っていつもよりは遅めの夕食。お風呂に入ってストレッチをする。
自宅予定の図面と睨めっこをして、変更等なさそうなのでお勉強の時間だ。
小学校の保健体育と中学校の種族学。
保健体育は体の仕組みや機能など。
何故血液は赤いのかとか後は怪我した際の応急処置など。妊娠の仕組みも変わらず雄しべと雌しべな感じだが、カイザス国民は全員特殊な処置をして、結婚してないと妊娠出来ない身体に………なるほど。
次は種族学。
種族別の体仕組みや平均体重、身長、見た目の違い、魔力量など………ドワーフ族って内臓の作りが強いらしい。
カイザス国の獣人族は産まれて直ぐに尻尾切っちゃう人もいるの!勿体ない。
短時間なら一部獣化や全身獣化出来る人もいるのかー…モフモフ……したらいけないのね。
そうだよね、他人の体弄るのは良くない。犯罪ダメ絶対。
エルフ族は魔力量が多く…1年ご飯食べなくても生きて行けるとかエコだね。燃費いいのかな?
後は魔力差が大きいと妊娠しにくくなるらしい…大体は年齢が上がる事に魔力量も上がるので、他種族と結婚したい場合は魔力差が開かない内に早めに結婚、出産した方が良いと書いてある。
……………私魔力量多いから下手したら妊娠出来ないんじゃないかなこれ???
それでコンスタンティンさん昨日「妊娠出来るか別として」って言ってたのか。
そうだ…あんまり考えない様にしてたけど、寿命も長いんだった………んー………まぁ、明日皐月先生に聞いてみよう。今日はもう寝ようかな。
寝る支度をして、今日はおやすみなさい。
ー次の日ー
「つばめさんは魔力量だけで見ると妊娠しづらいと思うわ…ただ、魔力の相性と言うものがあるから、可能性はゼロではないわよ」
「そうなんですか?」
皐月先生も魔力が高くて結婚、出産関係苦労したらしい。神聖帝国で夫が5人いたが中々妊娠しなくて結局産まれたのは女の子1人。
「多分4人目の夫との間に出来た子どもだったんだけどね…4人目の夫が亡くなって、5人目の夫も亡くなってしまってね。6人目の見合いを組まれそうになった時に娘を連れてカイザス国に亡命したのよ。そしたらーーー」
なんと、カイザス国で知り合った男性と結婚したら直ぐに妊娠。
神聖帝国で産まれた娘さんとは別に女の子2人と男の子1人を立て続けに授かったとか。
カイザス国の出産制限でそれ以上は子どもを授かる事は出来なかったらしいが…皐月先生結構濃い人生送っていらっしゃる。
「なんとなくお互いの相性がわかる人もいるみたいなのよ。私はわからなかったけれど、旦那は直ぐにわかったと言われたわ。獣人族の人に多いみたいだけれど…他の種族でもわかる人は一定数いるわね。旦那は人族だったし」
私自身相性とかわかるだろうか………謎。頑張れ私の第六感。
「つばめさんは結婚願望とかあるかしら?」
「正直に言いますと、生活が落ち着かない間は結婚とかは考えられないですね…既にコンスタンティンさんに借金して生活してますし」
「コンスタンティン様に借金?」
翻訳や通訳の資格発行代の説明をした。ついでにまだ免許や資格やら受講料やらも待ち構えていて、さらに家の代金もある……そういえば書面で持って来てくれるって言っていた資格はどうなったんだろう?
「家も含めて全部コンスタンティン様が払うものだと思っていたわ。つばめさんは自立心が高いのね…偉いわ」
「家の防犯のために結構なお金出していただけるそうなので。おんぶに抱っこで申し訳無いです本当………」
「むしろ出させてあげてくれないかしら?昨日図面持って、何処に何を組み込むか嬉しそうに考えていらっしゃったから」
あ、そうなんだ………ちょっと安心したかも。
「お金の事は余り気にしなくても、コンスタンティン様の総資産なら全く問題無いと思うわ。前に資産について聞いてみたら『知らない内に増えてるから把握して無い』って本人もおっしゃっていたし」
「うわぁー………」
そう言えば養子縁組になる時に妻になるなら書類のサインがいっぱいあるって言ってたな。
ここで、話しが脱線して獣人族のしっぽ切っちゃう件について質問してみた。
「毛が長くて尻尾が立派な獣人族の方は寝てる時にベッドに毛がつくのと、お風呂に入った後に乾かすのが大変らしいのよ。日々のケアも専用の物を使わないといけないから、お手入れが大変なんですって」
「なるほど」
20歳になるまでは腕とかと一緒で後から生やす事も可能なので、尻尾を切るのは親の判断にもよるらしい。
尻尾を生やす際は手術を受ける前に、取り外し可能な疑似尻尾を医療機関でレンタルして子どもに付けて生活してもらってから、本人が本当に必要か判断するが……大体3日も経たずに音を上げるとか。
「長時間のドライヤーや朝起きてベッドの抜け毛の掃除は大変みたいね。後は小さい子だとトイレで失敗して汚してしまうみたいなのよ」
狐獣人、狸獣人、一部の犬獣人や猫獣人は切る事が多いみたい。
逆に毛の短い猫科の獣人族は器用な人だと軽い物なら尻尾で物を掴んだり、持ち上げたり出来て便利なので残しておく事が多いとか。
後は毛量が短めだったり、少なかったり、切るほどでは無い長さの尻尾の獣人族はそのままにしとく事が多い。
モフモフを維持するのは大変らしい。
ー
コンスタンティンと図面
カキカキ…カキカキ……
コンスタンティン「ふふっ…」
ユリエル「……ここはこうした方がいいのでは?」
コンスタンティン「私の楽しみを取らないでくれる?でも、今は気分がいいからアレンジして採用」
カキカキ…
皐月(ご機嫌ねコンスタンティン様)
ユリエル(アレンジがヤバい。要塞でも作る気か………罠も酷い。地味にそれは酷い。ダンジョンの罠でももう少しマシな作りだ………)
ユリエル「…踏む物を幾つも作るのならばいっそマス事に全部違う物にして、何なら壁にも付けてもよいと思う」
コンスタンティン「ユリエルそれはエゲつないよ?採用」
カキカキ…カキカキ…
皐月(家の防犯の話しよね?まぁ、つばめさんに害のある物は作らないだろうから良しとしましょう)
こうしてつばめの家はツッコミ不在の為、着々と素敵な作りになって行くのであった。