121話
図面を書き直してもう一度見てもらうと大丈夫そうだと言われた。配管とか全然考えなかったけど大丈夫なのかな?
細かな所は自宅を建ててくれる専門の建築士や業者さんと最終的に話し合いをして決めるらしい。らしいと言うのは、そこら辺の調整はコンスタンティンさんがやってくれるそうだ。
何故?と思ったけど、後で教えてくれるみたい。
「それでは、私めは失礼させて頂きます。本日は有意義なお時間を有難う御座いました。」
「こちらこそ相談に乗っていただき、ありがとうございました」
鈴木さんは帰ったが、3人はまだ残っていらっしゃる。
「鈴木は言わなかったけど、立地は大丈夫だと言っていたわ。営業するなら朝〜昼にかけてが1番客が来そうだとも…出勤時間帯を狙うのがいいとも言っていたわ」
「お昼ご飯を買って行く感じですかね?」
「多分そうだと思うわ。でも、外に席があるなら朝食もその場で食べれそうよね」
「お昼ご飯だと売るならお弁当にした方がよさそうですかね?」
「つばめ、話しの途中で申し訳ないけど一つお願いをしてもいいかな?」
「はい、何でしょう?」
従業員を雇うのに軍から1人採用して欲しいと言われた。
ずっとではなくてもいいが、最低1年は護衛と街での生活の相談や連絡係の為に住まわせて欲しいとも。了解です。
「………3階のベランダから屋上に出られると緊急時対応しやすい」
上の部屋は軍の人に貸し出すのが決定した。図面を描き直す…2階のベランダから続く外階段に3階のベランダから梯子で合流させる。
ついでにL字角部屋に小さめのキッチンと冷蔵庫を付けて、お店がある時でもお茶や軽食は食べられる様にしよう。
軍の人がいつまでいてくれるかわからないけど、下の1部屋は後任の従業員の人に貸すか、L字角部屋に後からでもロッカーとカーテンをつければ着替え位は出来る様な作りにして通いで働きたいって人でも対応出来そうだ。これで完成。
「ふー…」
「つばめ様、お茶のお代わりいかがですか?」
「ありがとうございます。大丈夫そうです、ご馳走様でした」
明日の予定を聞いて、本日は解散になった。
明日の午前中は皐月先生の授業。15時から鈴木さんと1階部分を中心とした店舗の内装の打ち合わせだ。
コンスタンティンさん以外は部屋から出て行った。
「つばめ、店舗とキッチンで使用する魔道具の希望を先に聞いてもいいかな?」
家電製品みたいな物かな?そうらしい。
魔道具かどうか私だと判断出来ないので、日本の厨房で使われている設備で使用したい物を上げていく。とりあえず厨房から。
「業務用冷蔵庫、大型コンロ、普通のコンロ…卓上コンロ、一部大きめの鉄板が使える様にしてもいいかもしれません。後はフライヤーと大きめのオーブン、トースター、あれば食洗機……と業務用の炊飯器は需要を見てから決めたいと思います…電子レンジってありますかね?」
「厨房に電子レンジは難しいかもしれないけど、つばめの部屋に置く位なら作れると思うよ?」
「後は空調設備や換気扇があれば………業務用炊飯器は需要を見てから決めますね……電動ミキサー、ハンドミキサー、デジタルの測り……湯沸かし器、キッチンタイマー……レジスター、電卓…今思いつくのはそれ位です」
後は電気や電池で動く物ってあったかな?
とりあえず、次は私の居住区キッチンで使いたい物をあげて見てと言われた。
「オーブンレンジ、コンロ、冷蔵庫、炊飯器、トースター、湯沸かし器、キッチンタイマーですかね?」
「わかった。説明すると長くなるけど、とりあえず話を聞いてもらってもいいかな?何でかとかは説明出来ない部分があるから詳しくは後日話すね」
「わかりました」
コンスタンティンさんの話を大分はしょって要約すると、中級魔道具使用免許(フィールド限定)以上保持者や、食品販売資格保持者指導の元で無いと使用出来ない物があるらしい。
私が希望した魔道具の一部は普通の魔道具店で取り扱って無い物もある。
大型の魔道具は私が使う予定のキッチンで小型の物の使い勝手を試してから取り付けしないかと言われた。ついでに厨房の間取りも書いてしまう。
「家の代金はつばめ持ちだけど、家の防御系の魔道具は防犯の為に私が勝手に組み込んじゃうからね?ついでに洗濯機と冷蔵庫とコンロと試作品の魔道具は私が勝手に作るから、引越し祝いだと思って受け取って」
「凄く助かりますけど……家っていくら位になりますかね?」
「つばめには建物代だけ出してもらうから2000万ぺリン前後かな?」
内装は防御系の魔道具の関係で一部弄ったりするので、代金を出させて欲しいと言われた。
先程、何故コンスタンティンさんが私の住む予定の家を業者さんと調整したいのかと言うのが、防犯面を追加したいからだと判明。
うん、魔道具関係とか私には全く分からないので、素直にコンスタンティンさんにお任せだね。
後、壁の塗装や外装の素材の一部を一般のものより強度等を上げたいのでその分は出すと言われた。
「図面だと、ココに秘密の部屋を勝手に作るね?」
コンスタンティンさんが指さしたのは図面の3階部分で下の2階は玄関あたり。
もはや私に話した時点で秘密の部屋では無くなった気がするが、了承した。