115話
皐月先生は夕方またコンスタンティンさんと一緒に来てくれるそうで「お昼寝は1時間位で大丈夫よ」と言って部屋を後にした。つばめはお部屋で良い子に待ってます。
さて、お手紙の3枚目に目を通してしまおう。
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作成者 誠一郎王宮司書副長
王宮司書 特殊雇用
出勤時間 9時〜17時(昼休憩1時間)
※年5回夜勤 17時〜翌日9時(仮眠3時間)
休日 週2日、年末年始2日間
有給 年50日(300日分ストック可能)
給料 月70万ぺリン(能力給20万含む)、残業1時間につき10000ぺリン。月締めの翌月25日払い。
※税金免除者のため土地納税義務なし。住まい決定時税金支払い方法等要相談。
出産後 復帰可能(産前産後計5年以内)
勤務内容
王宮図書室内の本や資料の整理、修繕。
本や資料の貸し出し、返却受け取り。
他国の本、資料翻訳依頼引き受け(依頼1件につき1万ぺリンから)、古代文字解読依頼引き受け(時価)翻訳者に7割り支給。合同で翻訳する場合は基本頭割り。
5年以上勤務者は新人指導。
その他
就職する際は司書補佐資格取得のため講習を受けて下さい。司書資格取得したい場合は要相談。
ご都合の良い日に一度職場見学にいらして下さい。就職希望される場合は別日に採用試験と面接を行います。
許可者
司 第1長官室長官
近藤 第2長官室長官
椿 王宮司書長
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第7室長室が出勤時間フリーダムなパートなら、王宮司書は正社員みたいな扱いっぽい。
現代日本だと、どちらも考えられない様な破格な内容だと思う。王宮司書の有給300日貯められるとか普通に凄いよね。ボーナスは無いみたいだが、そもそも給料が高い。
第7長官室は正直1日いくら稼げるのかよくわからない…ユリエルさんに明日会えたら聞いてみよう。出勤時間いつでもいいとかとても魅力的だしね。
最後の手紙の王都クリスタの地図を見る…所々赤い丸印が書いてあるのが家を建てる候補地みたいだ。
昨日行った時計塔を中心に南北、西東に十字で大通りがあり、北大通りのやや南寄りの時計塔近くに王宮がある。時計塔、北表通り、王宮、北裏通り、北門、その先は商業都市に続いている並びみたいだ。後の大通りの先にも門があり、それぞれ都市に繋がっている。
居住可能区画は大通りで区切られているので、全部で4ブロックに分かれている。
北門を12時、東門を3時、南門を6時、西門を9時と見立てて説明すると、
(北東区画)12時〜3時
単身者や2人以内が住むアパートが多いと書かれていた。ちらほら一軒家もあるが、他の区画と比べて候補地の赤丸の数が少ない。
(東南区画)3時〜6時
農業関係者や食品関係を扱う店が多い。
(南西区画)6時〜9時
軍関係者や研究者に人気の区画みたいだ。
(北西区画)9時〜12時
西大通り寄りが高級住宅街で、大きめの家が欲しいならオススメと書いてある。
北門付近は技術者と言う名の職人さんが多いらしい。
ザッとの区画分けなのでもちろん例外もあるが、大まかにはこんな感じ。「売りたい物によって住む場所を決めてね」とアドバイスが書いてあった。
正直迷うけど、大きい家はいらないですコンスタンティンさん…高級住宅街の候補地はいくつかあるが、赤丸が明らに他に比べて大きすぎるよ。一年後の土地代が怖い。
1ブロック(家1件分)年間50万ぺリンって法律の本に書いてあったから、1人で住むには広すぎる…最低でも4ブロックある。
レストランとかでは無くて、テイクアウト専門のお店にしたいなと何となく思っていたので、1ブロック分あれば大丈夫だと思う…コンスタンティンさんに夕方相談しよう。
勉強道具の確認をして…筆記用具と料理人免許の参考書と過去の問題集。食品販売資格の参考書。わぁお。小学校の教科書だ………『さんすう』と書かれてる。
後は小学校中高学年の『算数』、『社会』、『保健体育』、と中学校の『地理と歴史』、『世界史』、『種族学』。
そうか…私はこの世界だと小学校のさんすうから始めないといけないのか。ちょっとこの先の生活が不安になってきたよ。
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学校は日本とあまり変わりません。
基本は小学校、中学校、高校(学園都市寮生活)みたいな感じです。