112話
皐月先生は軍の第3医務室所属で他国の要人などが訪れた際に主に活躍する部署。
第7長官室の様に特殊任務もあり、新種や珍種の人が現れた際の健康管理や身体のデータを取っているみたいだ。
ユリエルさんと一緒でぶっちゃけるとコンスタンティンさんの使いっ走りその2だとか。
「予算は私が出してるけど、つばめの身体の数値も研究データ勝手にもらってるから気にしないで?」
「……はい」
個人情報とか皆無。
まぁ、今更気にしないからいいよ…体重とか知られてるのはちょっと恥ずかしいけど。
異世界人だけど、他の大陸から来た珍種と同じ扱いで今のところ予算組んで対応してくれてるみたいだ。
「お金かかったとしても私が全額負担するけど…嫌みたいだね。無利子で貸すからあんまり気にしないで?でも、仕事を始める際の支度金とかは保護者?後見人?あ、パパかな?と、して出させてね」
「すみません…」
家を建てて一人暮らししつつごはんかお菓子を売るか、ユリエルさんの所でお世話になるか悩んでいるとコンスタンティンさんに打ち明けたらーーー。
「悩んでるなら両方やれば?」
「え?」
1階を店舗にして、2階に住めるように自宅を建てている間にユリエルの所で働いたらいいんじゃ無いかと提案を受けた。なるほどー。
「つばめを正規採用で雇うなんて金額的に無理だよ。多分臨時のパートみたいな扱いになるだろうから、何ならごはんとかお菓子売る自宅が建った後も、お店が軌道に乗るまでお小遣い稼ぎに来てもいいと思うよ?」
「そんな自由な感じで雇って貰えますか?」
「つばめの言語能力なら喉から手が出るほど欲しいと思うから、多少無茶な要求もしてもいいと思うよ?あそこは万年人手不足らしいしね」
何なら正規雇用出来ないのを盾に脅してしまえと言われた…コンスタンティンさん凄い悪い顔してる。眼福です。ありがとうございます。
ユリエルさんの所が嫌なら給料と能力的に司書もアリだと思うと言われた。
他国の本を翻訳するのもいいし、何なら古い文字の解読もいけるらしい。
「つばめに最初に渡した本あるでしょう?」
「もしかして『創世記』の本ですか?」
「そう、古い文字で書いてあるからアレが読めるならこの大陸の昔の文字は大体読めると思うよ」
へー。そうなんだ………職業の選択肢が増えてしまった…悩むな。
この王宮の司書なら他国の本もいっぱいあるので、翻訳の資格は取っといて損は無いと言われた。
ガチでやりたいなら古い本を修復する際に役立つ資格もあると言われたが、そこまでしなくてもいいかな。
住む場所の候補地を絞って、魔力が安定したら職場見学して、その前に第7長官室と司書の給料見積もりを出して貰うからそれから行くか行かないか決めてもいいみたい。了解です…何だかとんとん拍子に決まったね。
「あって困る物じゃ無いし、資格の発行してもいいかな?」
「はい。ご迷惑おかけします」
2〜3日で資格証を書面を持って来るが、先に身分証のネックレスの方に資格を読み込んでくれた…めちゃめちゃ便利だね。そして借金72万。稼ごう(泣)
料理系の資格や免許はどうやったら取得出来るか聞いたら、それもコンスタンティンが見てくれるらしい。立ち合いは料理系の資格保持者のカールさん。よろしくお願いします。
料理免許は筆記と実技があるので、教科書と過去問を後で持って来ると言われた。
料理免許と中級魔道具使用免許(フィールド限定)があると食品販売資格が受講のみで取得出来るらしいので、先に2つを取ってしまう。
「筆記は100点満点中95点取れれば合格だから、勉強終わったら教えてね?直ぐにテストするから」
「合格点高いですね」
「食品系はどうしてもね。料理出来る人ならそんなに難しいテストじゃ無いから大丈夫だよ?」
カイザス国は食品関係厳しいらしい。
店舗で料理などを販売する際は、賞味期限などを魔道具で調べてからじゃ無いと売ってはいけないそうだ…魔道具便利だね。