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104.5話 ユリエル3



 船が到着して、島らしき所に降ろされた。入国審査専用の島らしい。






 これ以上身ぐるみを剥がされたらキツい。


 でも、これを預けないと陸地に入国出来ないと言われたので、私は雷の攻撃魔法の術式が組み込まれた腕輪を外して入国審査官とやらに手渡した。


 腕輪は10個装備していたが、攻撃系の魔道具は全部預かると言われた。その他大多数の魔道具も没収。


 防御系の腕輪2個と、毒見の為の指輪と、結界や飲み水が出る懐中時計と、浄化と防御系が組み込まれたローブを没収されなかったのは助かる。




 でも、この装備だと大型の魔物は狩れないので厳しい。

 槍や弓、ナイフ類は没収されなかったので行けるか?頑張るか。毒もダメ?審査が厳しく無いか?終わった。

 もはや頑張る頑張らないのレベルでは無い……全力で逃げるに変更になった。






 書類を数枚書いたり、サインして旅券付きの身分証をペンダントで発行してもらい、魔石と宝石類をいくつか課金してペンダントにチャージする。

 支払いはこのペンダントで出来るらしい。考えたヤツ天才だな。全世界共通にしてくれれば、現金お代わりの魔石等をジャラジャラ持ち歩かなくて済むのだがな。



 やっと入国審査とやらに通って幾つか注意点を筆談で教わり、『新規入国者の注意手引き書』を船の中で読む。審査用の島から船に乗ってエデンの本国に到着した。






 本当に来てしまった…随分遠くに来たな。


 手引き書付属のエデンの地図を見て大体の場所を割り出す。

 コンパスがこの向きで、太陽があちらだから残りの大まかな距離を計算すると、今いる国か『カイザス国』か『神聖帝国』。

 船で行こうと思ったが3国のどれか微妙な位置だな…………陸路で行くか。船は地に足がつかなくて落ち着かない。


 実はこの時いたのが獣人族ばかりいる国で、後に船に乗らなかった事を後悔した。



 だから触るな、肉食女子。草食?人参はいただこう感謝する。肉ばかりだなこの国は。


 この国、本にサインを求められる事があったので、私の名前の代わりにカミュの名前を書いてやった。カミュに嫌がらせだ。




 困った。ここに来てコンパスの反応が消失した…たまにあるが、変な方向を指し示す時もあるので壊れているのか?


 先の方はカイザス国、手前に神聖帝国の城壁が見える。とりあえず見えてる神聖帝国の方に向かう。

 カイザス国からあまりいい気配がしないので彼方は近づきたく無い。






 場所はこの辺りだと思うのだが、コンパスがうんともすんとも言わない。あー…詰んだな。


 暇だから宗教国家内を観光した。大きな神殿があり、行ってみる。

 ヴァニアも宗教国家らしき国は幾つか通りすぎたが、こんなに立派な建造物あっただろうか?興味がなかったので思い出せない。


 故郷の信仰対象はデカい樹だったから、神様とやらに祈るのは不思議な感じだな。神様の像の前で膝をつく。



「早く旅を終わらせたい、暇だ」



 ちなみに故郷のデカい樹に祈る習慣は無い。私はよくデカい樹に愚痴を言っていた。


 旅に出る前に散々カミュの愚痴を言ったのを思い出して、ちょっとイラッとした。

 ちなみに私の産みの親は最近食べた食事の中で1番美味しかったものをよく報告していた。



 神様に祈り(愚痴)が通じたかはわからないがコンパスが復活した。

 矢印はカイザス国の方を示していたので諦めてあまりいい気配のしない方に向かった。そんな気はしていた。だってカミュだしな。


 この国の精進料理とやらはまぁまぁ美味しかったので、少し名残惜しい。




ユリエルが観光した神殿は将来ロジャーが監禁される神殿(実家)です。



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