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「千秋、千秋。起きなさい」


 聞き慣れた声が耳に届く。

 小鳥のさえずりとまではいかないけれど、それは澄んだ響きを持っていた。


「…んぅー…」


 ゆっくりと瞼を持ち上げると、眩しい程の朝日が目に染みる。

 きっちりと閉めたはずのカーテンは、誰かさんのせいで全開になっていた。


「…おはよう、母さん」


「もうっ。おはようじゃないわよ」


 今日から新学期でしょう、と小柄な母は頬を膨らませる。まるでリスやハムスター。


「ほら、準備して!早くしないと京ちゃんが来ちゃうでしょう」


 そう言いながら、なかなか部屋から出て行かない母親をどうにか外へ追いやって、千秋はグレーのスウェットへ手を掛けた。



 葉山千秋、今日から高校2年生。

 両親は、千秋がまだ幼い時に離婚して、今は母と2人暮し。たった1人の弟は、父と一緒に行ってしまった。

 別に、寂しいとは思わない。優しく気丈な母もいるし、しっかり者の幼馴染みもいるから。





「おはよう、千秋」


 にっこりと、目の前の青年は微笑む。薄茶色の髪が光に透けてとても綺麗だ。


「おはよ、京汰」


 毎朝迎えに来てくれる幼馴染み、南野京汰。

 明るくしっかり者で、クラスの人気者である。

 そして。


 千秋の想い人。




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