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純潔の危機

いつもお読み下さり有難うございます!今回も少し血が出てきます!(>人<;)苦手方は目を逸らしながらお読み下さいm(__)m


着物を脱ぐ順番


着物→--ー→長襦袢→→→→肌着



私は、自覚してしまった。自分の気持ちに。


自覚したのは、つい先程。このヴァンパイヤから背に傷を負わされた時、もう死ぬかもしれないと思った時

あるヴァンパイヤの笑った顔、怒った顔、意地悪な顔や赤くなった顔色々な表情が走馬灯の様に頭を駆け巡っていた。


最後にもう一度あのヴァンパイヤの安心する声を聞きたい。贅沢言うと最後にもう一度、顔もみたいと願ってしまっていた。


それを最後に意識を失ってしまった。


それから再び目覚めた私は

生きていると思った瞬間に、もう一度会えるかもしれないと期待し、会いたいと自分のこの気持ちを自覚してしまった。


だから、好きでもない人に抱かれるなんて嫌だ!

その間も筋張った男の手によって、おたいこ(帯)の後の帯揚げ、伊達締(だてじ)めとが解かれていく。


必死に財前の手を止めようともがいていても、強い揺るぎない力でピクリとも動かない。


それでも諦めず抵抗を続ける。


だけど次第に力も尽きてきて、体では抵抗を試みた私だけど、あまりに無駄な抵抗に思えてきて、心の中では諦めてしまいそうだった。着物は脱がされ、長襦袢(ながじゅばん)姿になってしまった。


このヴァンパイヤは確かに狂人だけど、私の血を必要としていて、私を守ってくれそう。私は今世では死亡回避する事が目標じゃ無かった?

どうせ、シェアハウスに戻れたとしても、あのヴァンパイヤとは結ばれないんだし、結ばれず、悲しい思いをするのが分かるから、

今からでも乗り換えたらどうかと私の中の心の悪魔が囁く。



「私、あなたの妻に...」なります。そう言おうとすると

シェアハウスの皆んなの顔が浮かぶ。


まだ、よく知りもしない私と友達になってくれた主人公ひなちゃんや美久、さや、智美それにシェアハウスの攻略対象達もそれなりに、優しくしてくれ、2人のヴァンパイヤからは貴重なヴァンピールアクセを貰った事を思い出す。それから、

"俺が守ってやる"その言葉も頭の中で甦る。社交辞令でも嬉しかったその言葉。人生でそんな事を言われたのは前世でも今世でも初めてだった。


殆ど、陽が沈む時にだけ会えるあのヴァンパイヤは、皮肉な事に陽を吸収したかの様な瞳を持っている。あの瞳で私を真っ直ぐに見て言ってくれた。

やっぱりまた、あの瞳を見たい。


会って何気ない話をしたい。


どうしようもなく、あのヴァンパイヤが好きなんだ。「...さん」私は好きなヴァンパイヤの名前を無意識に呼んでいた。


だから、結ばれなくて、辛くてもあのヴァンパイヤの側にいたい。こんな無理矢理、好きじゃない人となんて嫌だよ!

さっきの私はどうかしていた!そう思って正気に戻った麗はまた、無駄な抵抗だとは思っても力を加える。


「私やっぱりあなたの妻にはならないです!ごめんなさい!」


「ほぉ。では、死を選ぶのだな?」


「死も選びません。財前に血をあげるだけではいけませんか?」

私は財前に交渉してみる。

財前が少し口を開きかけた

その刹那、強い衝撃音が走る。麗の上に覆い被さって、残る肌着を解こうとしていた財前の姿が一瞬にして消えた。


そして、麗の身にも。


「!?」麗は突然の事に何が起きたのか分からず驚く。


そこには、死にそうになった時に思い浮かべたヴァンパイヤ達の姿が。


そして麗が夢に見た、あのヴァンパイヤの姿も、はっきりと映し出される。



月夜に照らされて月や陽の光を吸収したかの様な光り輝く金色の瞳。

指で触ると柔らかそうな赤褐色の髪が私の目の前に飛び込んできた。


後ろには、夜でも明るく輝くダークゴールドブロンドの髪に甘いヘーゼル色の瞳の持ち主。


綿菓子を連想させる様な甘いストロベリーブロンドの髪に、曇り一つない、エメラルドの宝石の様な瞳の持ち主がいた。


夢見てるのかな?

「夢?」思わずポロっと呟く。


「上坂なのか!?大丈夫か?」

「麗ちゃん!?」

「麗!?」


嬉しくて涙が出る。まさか、助けに来てくれるなんて。



そんな私を見て3人が驚いている。


涙が出るのはしょうがない!だって嬉しいんだ。



そう思って「大丈...」夫です。と笑顔で伝え様とした時、私の胸に鋭い痛みが走る。


見ると胸部に鋭い、ヴァンパイヤの爪が刺さっていた。真っ白な夜着には血が染み込み、麗は激痛に声を発する事ができず、冷や汗と背中に汗が伝ってくる。



財前が彩世に吹き飛ばされる際、我のものにならぬならと、代償として財前が鋭い爪を抜き取り麗に命中させ刺したのだった。



鋭い痛みが麗を襲い、過呼吸になる。自身の体を支えきる事が出来ず倒れ込む。

済んでのところで、麗を支える彩世。


「上坂!!」彩世の必死な叫び声とともに、そこで麗は意識を途切れさせるのだった。

ああ、最後に好きな人の声が聞けた。顔も見れた。それに、好きな人の腕の中で最高だ。だけど、死にたく無いなぁ。私は欲張りだから、声を聞いて顔を見ただけじゃ満足出来ない。

もっと話ししてキスされそうだったあの時の事も確認したかった。こんな事だったらもっと早くに自分の気持ちに気付いたら良かった。私の気持ちも伝える事ができたかもしれないのに。


やっぱり運命は変えられなかったなと途切れる意識の中でぼんやりと思うのだった。





彩世は顔を歪め、悲痛な面持ちになり、

「上坂、上坂、上坂」と何度も呼ぶ。

だが、真っ白な夜着には血が染み渡り、止まらず、

上坂は目を覚まそうとはしない。


加賀が能力の1つのフェロモンを流すと財前は、催眠にかかり加賀に(かしず)く。傅いた財前は加賀の靴に舌を出してペロリペロリと犬の様に舐め出す。不快さで眉間に皺を寄せた加賀はそんな財前を足で蹴とばした。

それからは使い物にならなくなった虚な財前を晴一に託し、麗の下に駆け寄る。


麗の傷に顔を顰めると

「麗ちゃんは早急に病院まで運ばないといけない。彩世は晴と一緒に後処理をお願い!」一刻を争う事態に彩世に哀願する。


だが彩世は中々退こうとしない。

「麗ちゃんの命が掛かってんだ!彩世!」と怒鳴る。

ショックを受けていた彩世は正気に戻り「分かった。上坂を頼む。」そう短く言うと、晴一がいる財前の所まで飛ぶ。


加賀は麗に突き刺さった爪を抜き、瓶に入った治癒力があるヴァンパイヤの涙を痛々しい傷口に掛ける。


これで、麗ちゃんを病院まで持たせる事ができる筈だ。お願いだ麗ちゃん。持ってくれ。と願い加賀は切迫した顔で瞬間移動するのだった。



本日もお読み下さり有難うございました!

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