不穏なニュース
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彩世との事を思い出した麗は授業そっちのけで、顔が熱くなるのだった。
あのセクシーな唇が...。とか、今日は帰ったら
、彩世とどう接したらいいのか?とか
そんな事を考えて上の空状態だった私はこの時、気付かなかったのだ。
クラス中で流れている不穏なニュースの事を...。
「藤堂さんがね...大丈夫かな。」と言った内容が所々聞こえてくる。
藤堂さんってあの藤堂さん?
(第4部ヒロインの私物盗難事件!?の回に出て来る藤堂伊万里である。)
そう言えば、今日は休んでるみたいだけど...。
確認のためにクラスをキョロキョロ見回してみても藤堂の姿はどこにも見当たらなかった。
主人公ひなちゃんの私物を盗んだ藤堂さんがどうしたんだろう?と首を傾げて聞き耳を立ててしまう。
聞き耳を立てていた麗は暫くすると足がカタカタ震え、顔や手にはジワリと汗が吹き出てくる。
衝撃的なニュースを聞いてしまった私は一気に緊張感が走る。
天網恢恢疎にして漏らさずと言う悪い事をしたら自分に返ってくる的な意味の言葉がある。噂の藤堂さんには同情もしてしまうけど、そんな言葉が頭を過ぎってしまった。
「... ...麗くん!今日はクッキング部の
えりちゃんに付き合ってほしい事があるって頼まれてしまって一緒に帰れないの。先に
さやちゃんや美久ちゃん、智美ちゃんと帰ってて?」天使なひなちゃんは申し訳無さそうに言う。
「それがごめん!美久も委員会から呼び出しで」美久は勢いよく顔の前でバチーンと手を合わせてごめんのポーズを取る。勢い良すぎて美久の両手が痛そうな音を立てていた。大丈夫かな?
「悪いな。私も図書委員で図書便りと言う物を作成しないといけないらしいんだ。こんな時なのに今日は一緒に帰れない。申し訳無い」と智美は頭を下げる。
「わたくしは本日早退なのですわ。本日は用事がありまして、早く帰らなければならないのです。藤堂さんの事がありますのに一緒に帰れたら良かったのですが...本当に申し訳ございません。」とシルバーブロンドの髪と同じ色の眉毛を下げる。
4人とも申し訳無さそうに眉毛を下げている。
「大丈夫。大丈夫。心配いらないよ!」と
4人が心配しない様に笑顔で返した。
内心怖かったけど。
こう言う悪い知らせの時に限って、皆んなと一緒に帰れないのは、ゲームの強制力なのか、やっぱり悪役女子となったからには、避けられない運命なのかなと思ってしまう。
藤堂さんの話を聞いてから、次は私の番なんだと悟ってしまった。だけど希望はある。負けないんだから!と心の中で叫ぶのだった。
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