第一イベントが終わり、その後。
何時も、お読み下さり有難うございます。中々話が進みませんが、頑張ります。
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「キャー」若い女性が叫ぶと同時に、嘲笑い瞬時に女性の急所を突く。鋭く尖った牙を突き立てる。存分に血を吸い尽くし、満足気に微笑む。
その事切れた女性を放置して、黒い影は去って行った。
「最近、相次いで、誘拐事件が続いています。まだ、誘拐犯は、捕まっておりません。皆さんも、充分に気をつけて下さい。友達同士でも家が近い者同士でも良い。団体で帰りましょう。」
そう、終礼の合図と同時に担任の教師が話す。
そんな物騒な事を聞くと、前世「ヴァンシェア」をしていた時を思い出す。ゲーム内でも担任がその言葉を話していたな!と思い出す。
終礼後、
「誘拐事件って怖いよね!」空色の瞳をパチパチさせ、ひなちゃんがその言葉を発する。
「うん。何だか物騒だよな!俺たちも途中まで一緒に帰ろうな!」
「大丈夫!安心して!美久がひなっちを守るよ!」ストロベリーブロンドのツインテールに兄妹で違うブラウンの瞳をウインクしながら言う。
「あははっ!有難う。美久ちゃん。何か美久ちゃんが居てくれたら、大丈夫な気がする。」と空色の瞳が含羞んだ。
「そうだ。ひな。それに麗も!安心しろ。」智美がひなちゃんの栗色の髪を優しく撫でる。
「お、俺も!?」思わずビックリし、吃った。「じゃあ、俺もひなや美久智美、さやを守るよ。へなちょこだけど。」と最後に加え、力拳を作る。
「有難うございます。期待しておりますわ。ですが、ご無理はなさらないでね。
わたくしも、ひな様や麗様をお守りしますわ。安心して下さいね!」さやが言う。
その言葉に
「ありがとう!あっ!一昨日前はさやちゃんにお世話になりました。」
「それは、俺も!と言うか!さやん家だったんだな!言ってくれよ!」と麗は知りながらも相槌を打つ。
「ふふっネタバレは面白く無いでしょう?なので秘密にしていたのですわ!」相変わらずのサラサラのシルバーブロンドを手で優雅に耳に掛ける。
「美久も聞いたよ!あの後」と嬉しそうにブラウンの瞳を輝かせた。
「バレてしまったか!」智美は悪戯がバレた子供の様な目をした。
「本当にビックリしたよ!入学当初、
さやちゃん達仲良いとは、思ってたけどまさか一緒に住んでるなんて」
「その中には、ひなっちと麗れいもいるよ!」美久が嬉しそうにいう。
その言葉のイミを私は帰宅後に知ることになる。
「えぇぇーー
お父さんが海外勤務!????」帰宅して母にそう知らされた。
「そうなのよ!一昨日前、急に会議で決まったみたいなの!だから、明日には、日本を発たないといけないの。私もお父さんに着いて行くわ。」
「あっ急に大変だね!荷造りとか!で私も海外に行くのかな?」
「麗ちゃんは学校があるでしょう?折角、受験頑張ったんだから。だから、麗ちゃんを預かってくれる所、頼んだから!大丈夫よ。安心して!」
「それって、何処なの?」私はドキドキと鼓動が速くなる。何かこの流れって
「ヴァンシェア」の主人公と同じ流れなんだけど。
「あぁ!森口さん所の知り合いの所よ!」
ひなちゃんの家の知り合い?
「電話で話したら、森口さんの所も私達と一緒で、海外に赴任する事になったんだって!」そう入学から、森口ひなちゃんのお母さんとは仲良し。時々、こうやって親同士、
電話している様だった。
「で話たら、ひなちゃんと、麗ちゃんを預かってくれる、信頼できる家が有るんですって!
聞くと、あの化粧品や医薬品、様々な事を手掛けてる西園寺グループと
不動産で有名な瀧川建設の関係者の方々が住まわれてるシェアハウスがあなた達を預かってくれるんですって!だから、警備面も安心よ!明日には、日本を発つから、麗ちゃん!用意するのよ!」お母さんは、嬉しそうにウインクした。
ああ、主人公が進んでいく、ゲームの展開と全く一緒だ。只私を除いて。
どうして、私までシェアハウスに行く事になるんだろう?考える。どうしてーーと頭を抱える。
もしかして、第一イベント通過した事に意味が?あー分からない!考えても無駄だ。
兎に角、明日からシェアハウスに住むんだから、用意しなきゃ!いる物を旅行用バッグに詰め込んでいく。
学校の教科書に参考書、替えの男装ウィッグ2つと胸を巻く晒しを幾つか。ここのところ胸が著しく育っている。前世は胸が寂しかったから嬉しい!けど胸を押さえつける晒しは窮屈だし、苦しい。この時ばかりは、ペチャパイが恋しい。
あっ!忘れてはいけないのが、ニンニクと銀製の武器、杭にナイフ多めのカトラリー、銀製のオーダーメイドのチョーカーこれは、正直、効くか分からないけど、一応首を守る為のものだ。後、日本で室町時代、初期に使用されていたとする、鎖かたびらのエプロンバージョンを持っていく、重さ約1050gネット通販で売っていた。
昔だったら15kg〜20kgらしいが、現代で良かった。しかし、このチョーカーに銀製の武器にエプロン正直、どれもとても高かった。お小遣いとお年玉を貯めていて本当に良かった!
お願いします!どれでもいいから、私の死亡回避に役立ってね!そう言えば!と思った所でピンポーンインターホンが鳴る。
「只今〜。」お父さんが帰って来た。そうだ!ゲーム中でも、主人公の両親が海外に行ってしまうのは、攻略対象の西園寺彩世が一枚噛んでいた。だったら、
確認したい事がある。
お父さんがお風呂に入っている間、「お母さん肩揉みしましょうか?」
「どうしたの?急に?嬉しいけど」
「いやいや!だって明日から別々なんだよ!偶には、親孝行させてね!」
と言うとお母さんは嬉しそうにやって!と
自身の肩をポンポンと叩いた。それから、家事で鍛えられた肩を揉む。
こんなに硬くなるまで有難うの気持ちを込めて、凝りを解す。そして、首筋を確認する。
やっぱりと思う。
そして、お風呂から上がったお父さんにも同じ様に肩揉みをする。お父さんも無口ながら、嬉しそうに口元を緩めていた。
うん!お父さんの肩もお仕事の疲れが溜まっているのか硬い。こんなになるまで、働いてくれて有難うございます。と感謝を込めて解す。そして、首筋も確認する。やっぱりだ。
お父さんとお母さんの首筋には、2つの噛み跡が有った。
「ヴァンシェア」の主人公が第一イベント通過後、
西園寺彩世のヴァンパイアの能力、血を操作する能力がある。自身の血を刃物に変えたり、動物やコウモリに変えたり出来る。
血で出来たコウモリに噛まれると、思考を操作されるのだ。その能力を使って、主人公の自宅までコウモリに後を追わせた。
主人公の両親やお父さんの会社の人が
コウモリに噛まれて、操作されると言うシーンがあった。
それで主人公はヴァンパイア達が住むシェアハウスに一緒に住む事になるのだ。
主人公も急に海外赴任になった両親達にビックリしていた。
あっ!私の事もコウモリに追わせてたんだ!いつの間に!?全然気付かなかった!と思う。
そう言えば、主人公にヴァンパイアだとバレる日は、シェアハウスに来て1日目だった。呆気なくバレてたな〜。と麗は1人笑う。
そうだ!今日だ!
ピンポーン インターホンが鳴る。ひなちゃんが見えた。
慌てて、用意した、旅行用のバッグを抱えて、玄関に向かった。
「どうも、すみません。わざわざ迎えに来て下さって。」母が言う。
「いえいえ。こちらこそ、娘がお世話になります。まさか、お互いに主人が海外勤務だなんて!偶然ですね!」とひなちゃんママが言う。いえ!必然です。と麗は心の中で突っ込んだ。
「ひな!これから、よろしくな!」
「此方こそ、よろしくね!」と言いあの洋館にひなちゃんのお母さんに案内される。
見覚えのある道にひなちゃんは
「もしかして、ここって...さやちゃん達の家?」
「みたいだな。」
「あら!?知ってるの?」ひなちゃんママが問う。
「うん!友達の家だよ!」
「それは、安心ね!良かったわ。じゃあ、お母さんは、これから、明日に向けて、荷造りがあるから、此処で失礼するわね!麗くんうちの子を宜しくお願いします。」
「いえいえ!此方の方こそです。お気をつけて!」
其れから、手を振って見送った。
「昼間の美久ちゃんが言ってた言葉、この事だったんだ!」
「だよな〜。ビックリしたな!」と言いつつ重厚感ある門扉に、手を掛ける。
これから、私とひなちゃん、ヴァンパイア達との共同生活が始まろうとする、幕開けだ。
本日も最後まで、お読み下さり有難うございます。