2匹の動物
何時もお読み下さり有難うございます!
ドア越しに聞き耳を立てた2匹の動物は自分の部屋に帰って行った。
1匹はシルバーの大型犬で
もう1匹(1羽)は、コウモリ。只のコウモリでは無い。
コウモリは晴一の部屋の前まできてドアを擦り抜けた。そう晴一が使役している使い魔だ。
だから通常のコウモリではあり得ないドアをすり抜ける事も可能で、先程の麗と彩世のやり取りも使い魔であるコウモリだけは、ドアを擦り抜けて見ていた。
そのコウモリを通して、晴一も同じ情景を見ていたのだが、
最初は加賀の部屋へ麗が連れて行かれるのを疑っていた。
一先ず様子を見て、麗がピンチだと判断したら助けにきたらいいかと考えた。
耳を澄ませてると、
「まだ、試作段階だけど、来月のパーティーに来ていく服を用意したんだ。パーティー当日麗ちゃんに着てもらいたい。」
加賀の声が聞こえてくる。
「試着してもらってサイズ感を見たい。着てくれるかな?もちろん黒髪ロングのカツラも用意してるから、それとセットで合わせてほしいな。」おいおい!麗が嫌がるだろ!
加賀!そう思っていると予想外の麗からの返事が聞こえてくる。
「分かりました。パーティー用のドレス、正直、男の俺が用意するの躊躇われてたので、有難うございます。遠慮なく。」
えっ?着替えるの?そんなに心良く受け入れれるもの?受け入れてくれるんだったら僕も麗にドレス作ろうかな?
そんな事を考えている間に麗と加賀の話は進んでいく。どうやら、加賀は麗によって着替えてる間追い出されたみたいだ。
僕は麗の女装姿が気になり、使い魔を加賀の部屋に忍ばせる事にした。
それよりも速く彩世が加賀の部屋に尋ねていく音が聞こえ、麗が女装を終えた事を知った。
直ぐ様使い魔に麗を見てくる様に命令し、
加賀の部屋に向かわせた。
使い魔のコウモリを通して見た麗の姿は、それはそれは、女の子の様だった。
長い黒髪に薄紅色の瞳がより一層輝きを増したかの様に見え、
透けるような色白の首筋に肌。
クリーム色に近い素材にパステルグリーンをスカート部分に入れているドレスは
麗の白い肌に溶け込む様に良く似合っていた。
加賀の瞳の色を模したのが気に入らない!
だけど、僕の瞳のグリーンが入っている事は嬉しく無くも無いけど!
「な、な、なんなんだ!あの可愛い生き物は!あ、あれは麗?」
晴一は使い魔であるコウモリを通して見ていた麗の女装姿に悶えていた。何度も使い魔を通して見ていた麗の女装姿を思い出しては
溜め息をついて、悶えるのだった。
「麗が女装って...ヤバイ!か、か、可愛すぎるだろ!...はぁ〜」と
ソファーで横になりながらゴロゴロ左右に揺れて、赤くなった顔をクッションで隠すのだった。
「彩世だけズルい。晴も吸血の時は麗に女装を頼みたい。」最後にボソボソと呟くのだった。
一方で銀色のシベリアンハスキー犬は伊集院由希翔の部屋に向かって行った。
お気づきの通り、シベリアンハスキーは
由希翔自身である。
晴一の使い魔であるコウモリを偶然見掛けてから気になり由希翔はコウモリを追った。人型より動物の方が動きが良くなる由希翔は
シベリアンハスキーに変わり、加賀の部屋の前で中の様子を透視する。
由希翔は先程のコウモリの様に
ドアを擦り抜ける事が出来ない代わりに、
ドア越しの様子を透視できる能力があった。
あれは...麗?
麗が女の子の格好をしている。
麗が女の子になったらあんな感じなのか。うん。可愛い。
麗の女装姿を見た由希翔は、犬の姿で尻尾をフリフリ。まるで本物の犬の様に喜びを尻尾で表現していた。
自身の部屋に戻って先程の麗の姿を思い出した由希翔は
普段の無表情の顔からは想像がつかないぐらい、色白の顔がほんのり桃色に染まっていき、どこか苦しそうな表情をしていた。
麗が女の子であるという事は気付いていたけど...。実際にあんなに可愛い姿を見せられて動揺してしまう。
「あんな格好反則だよ...。」由希翔は頬が赤いまま、胸に手をやるのだった。
いつか僕の前でも本来の姿を見せてね!
と言う気持ちが
早く僕の前で麗の本当の姿を見せてほしいと言う気持ちに変わった。いっそのこと僕が君の正体を明かしてしまおうか?そんな事を考えて、
そんな事をすれば麗から嫌われてしまう。と首を横に振り自制した。
その日がくるのを待つ事にした。
由希翔はその日が来るのを待ち遠しく思うのであった。
本日も最後迄お読み下さり有難うございました!
コウモリの数え方を初め1羽かな?と漠然と思っていたのですが、調べたところコウモリは哺乳類だそうで
1匹と数えても問題ないそうです!いや〜知らない事って多いなと改めて思いました!
それでは、次回も宜しくお願い致します!




