ドレスは俺が用意する
何時もお読み下さり有難うございます!今回吸血シーンありです。
「お前のドレスは俺が用意してやる。だから、このドレスは着るな。お前にはもっと合う色がある。」彩世はニヤッとトパーズ色の瞳を細めた。
「俺のですか?」麗は拍子抜けする。
彩世さんが用意をしてくれるなんて、驚きだ。まぁ、パーティは彩世さんの会社主催のものだから、遠慮しなくていいのかな?半ば無理矢理に参加させられてるわけだしと考える麗。
「ああ。お前のを。」と相変わらずじっと見てくる彩世さん。
「だけど、加賀さんに悪い気が...。」と言うと
「そんな事気にしなくていい。」
「加賀には俺が言ってやるから。」
と言いつつ、いい加減そんなじぃっと見ないでほしい。恥ずかしいし、女だとバレてしまわないかドキドキしてしまう。
「分かりました。...今の俺、女みたいでしょ?惚れないで下さいね?」とさっき貶されたばかりだけど、ニヤリと笑い冗談を言ってみる。冗談でも言わないとこの顔に見つめられると、心臓が殺される。綺麗な顔過ぎて心臓に悪い。
「なっ!?」その途端見る見る顔が赤くなる彩世。
「そんな訳あるか!」と忌憚ない事を言う。
まぁこう言う反応だろうと予想してた反応が返ってくるので、私はハハッと笑う。
しかし、彩世さんの顔が赤い。まさか、
私に惚れたとか?いやいや!そんな訳ないよ!
妥当な答えは、熱でもあるのかな?
私は背の高い彩世さんに近づくべく、足をつま先立て、彩世さんのおでこと自分のおでこに手を当て熱を測る。
熱は無い様だけど...。
その瞬間、彩世の瞳は揺めく。
「なっ何すんだ!」彩世は顔を赤くしたまま、慌てる。
「彩世さんの顔が赤いので熱があるのかと...。具合は大丈夫ですか?」
「っ大丈夫だ!心配いらねぇ。」と挙動不審な感じの彩世さん。何かおかしいと私は顔を顰めてみる。
「それより、お前は大丈夫か?貧血」彩世は慌てて話を変える。
「そう言えば!忘れてました。今特にふらつかないので大丈夫です。」
「そうか。」
すると、いきなり麗の手首を掴む彩世。
そのまま、手首を上向かせ、麗の手首に刻まれた巴紋に手を触れてみる。
「ああ。確かに。貧血がましになってる様だな。これなら、大丈夫そうだ。」と手首にある赤色の巴紋の温度を確認する。
麗の片手を掴んだまま、彩世は目を細める。その途端トパーズの瞳は妖しく輝き、麗の薄紅色の瞳を見つめる。
再び、麗の頬に空いた方の手で優しく触れる。
一瞬また、つねられると思い目をギュッと瞑るが、
頬を優しく撫でられて、目を開けた麗は居た堪れない。何?何なの?
麗は目を彼方此方と忙しなく彷徨わす。
段々と彩世の顔が麗に近づき、彩世は自身の唇を麗の首に近づける。
最初は麗の首筋に唇を軽く付け、
その後はチュッと肌に吸い付くリップ音をさせる。再度、首筋に舌を持っていくとチュゥゥッと音をさせ唇は麗の首筋に吸いつく。恥ずかしい音が麗の耳元まで響く。
えー何これ!麗は突然の事にドキドキし、焦りと戸惑いが隠せない。
「あ、あのこれはどう言う...」彩世さんは私の貧血を心配してくれてた筈なのに、今から吸血ですか?
「うるさい。少し黙れ。上坂が俺に近づくから悪い。」麗の首から
唇を少し放すと彩世の低く囁く様な吐息がかかる。
首がぞわぞわする。
擽ったい。と同時に
"私が近づいたから悪い"って言い掛かりの様な気がするんだけど...と言う感情も湧いてくる。
また唇を首に付けられたと思うと、今度は、生温かい舌で舐められる。な、何ですか?これは、今までに感じた事のない、感覚。
晴さんにも舐められた事あるけど、あれは何と言うか子猫が戯れてたみたいな感じだったからな。
大人の世界の階段を上ってしまってる様なそんな感じがしてしまう。
麗の脳内はキャパシティオーバーになってしまっていた。
恥ずかしさで頭が沸騰しそう。
頭がふわふわして真っ白になる。何時もと違う吸血の手順に頭がクラクラする。
それから、プツリと牙を立てられる。
ジュルリと血を吸われる音が聞こえてくる。
相変わらず、血を飲まれるのは慣れない。
そしてこの予告なしの吸血は心臓に悪い。
だけど、慣れない行為だけど温かい。
血と涙の盟約を結んでから、吸血されると温かく感じる。熱いのではなく、心地よい温かさ。
今まで加賀さんや晴さんに吸われる時はジンジンと痺れた様な状態だったけど、
今は、少しジンと痺れた感じはするものの、痺れたところが心地よい感覚に襲われる。もっとしてほしい感覚に陥る。それは、麻薬の様なそんな依存症を引き起こす様な感覚だ。
血と涙の盟約を結んだ事は、私にとって危険だったかもしれないとぼんやり考える麗だった。
本日もお読み下さり有難うございました!




