ドアを開けたのは
何時もお読み下さり有難うございます。更新遅くなり申し訳ございません(>人<;)
「おい!加賀!風呂掃除はどうした?」とドアをノックも無しに勢いよく開けられる。
振り向くと、そこには彩世さんが立っていた。突然の事に驚く私。ヤバイ。女だとバレないかな?
その時の私の脳内で何択か選択肢が浮かぶ。
①「この格好は誤解です。」と否定する。
②「女みたいでしょ?」と冗談を言う。
③「誰ですか?」と知らない人のふりをする。
「お前は...」
麗が焦っていると、彩世と麗の目と目が合う。
「... ... こ、上坂なのか?」と彩世さんはトパーズ色の瞳で一瞬驚いた表情をしたかと思うとじっと見てくる。
脳内の選択肢を言う前に答えを出されてしまった。
止めて!公開処刑!そんなに見ないでほしい。綺麗な彩世さんに女の格好を見られるのは、恥ずかしい。揶揄われそうと悶える麗。
上坂麗の顔は前世に比べると整った中性的な顔立ちで私的に好きな顔だけど、どうせモブの悪役女子。着飾っても攻略対象達の足元にも及ばないし、対して変わんない。
綺麗な服を着れて、はしゃいでた自分が恥ずかしい。
「そ、そうです。決して趣味で着ている訳では...」と慌てて否定する麗。
「分かってる。どうせ加賀だろ?あいつ風呂掃除サボって何やってんだ!...まぁだけどその格好悪くない。」と顔を仄かに染める彩世。
残念な事に麗には最後の言葉だけは聞こえなかった。
「加賀さんがダンスパーティー用のドレスを用意してくれたんです。それで試着を。」と説明する。
「そうか。しかし、気に入らねぇな。その格好。」やはり、彩世は憎まれ口を言う。
彩世さんの明け透けな物いいは相変わらずだ。少しくらい遠慮してくれてもいいのに。
「どこが気に入らないんですか?」私がムッとして答える。分かりきった答え。
「お前。上坂。」と彩世さんは短く答え、私をじっとまた見てくる。そんなの知ってた。私がこの格好をしてるのがやっぱり気持ち悪いんだ。だけど、ちょっとは遠慮してくれてもいいのに。黙っててくれた方がまだまし。
...いややっぱり黙られても、いい気はしないかも。
それにしても、さっきから何?何でこんなに見てくるの?気に入らないなら見ないでほしい。と思っていると、いきなり彩世さんの手が伸びてくる。
綺麗な指が私の顔へと伸ばされる。ドキッとする。本当にもう!今失礼な事言われた後なのに、
彩世さんの顔が近くだけでドキッとなる。自分の心臓が憎い。イケメンってつくづく得だなと思ってしまう。
彩世さんの手が伸びると同時に整った顔も近く。
彩世さんの指が頬に優しく触れる。
だが、束の間私は怒る。
何と、伸ばされた彩世さんの指は、
私の頬をつねったのだ。痛い。私の胸の少しのトキメキを返してほしい。
「い、痛い!彩世さん何すんですか!俺の頬をつねって!」
「ぷっ何つー顔してんだ。気に入らねぇのはその色だ。お前にはこの色は似合わない。」笑いながら言ってから真剣な表情になる彩世。
「な!?」
何ですと!頬をつねった上に、失礼な物言いに、私はカチーンと頭にくる。頬は痛いし、どうせ、私にドレスは似合わないですよだ。
「お前のドレスは俺が用意する。」
本日も最後までお読み下さり有難うございました!最終話まで大まかには考えているのですが、気長にお待ち下さると嬉しいです。m(_ _)m
これからも、宜しくお願い致します。




