晃生視点
更新遅くなり申し訳ございません。
そして、何時もお読み下さり有難うございます!感謝です!
本日更新の晃生視点と辻褄合わせの為、
74部、瀧川晃生と言うヴァンパイアの会話を少し弄りました。ご迷惑をお掛けしますが、宜しくお願いします。特に74部は遡って見なくても問題無いです。m(__)m
「軽蔑するだろうが、俺は昔、過激派だった。」とアメジストの瞳で麗の背中を見ていた。
案の定、上坂は、固まる。
上坂はピンときていないのか、固まっている。
理解してないと思い俺は説明した。
「過激派は人間の血を死に至るまで吸血する生き物だ。」この事を話すと、
滅多に動じない上坂でも流石に動揺する筈だと思い、チラッと上坂を見る。
上坂は俺が予想していた反応と少し違った。
予想していた怖がっている感じではなく、
間の抜けた顔をして口をポカンと開けていた。
「?」俺はその顔に疑問が湧く。
そして、困った顔をしたり、一瞬目を輝かせたり、悩んだ顔をしたり、百面相になっている。なんなんだ。この反応は?
まぁ、この予想外の反応は、
今までの上坂を見ている限りでは、あり得る反応だった。
しかし、過激派を怖がらない上坂は大した度胸だと思う。だからなのか、上坂に気を許してしまい、俺は過去の話をしてしまう。上坂なら逃げずに聞いてくれる気がして。
「人を何人も殺めてきた。許されない事をしてきたんだ。」後悔した過去の話を上坂に懺悔していた。晃生が伏せたまつ毛はアメジストの瞳に影を落とす。
「あの、俺にこんな大事な話してもらっていいんですか?」上坂の事は彩世との盟約以来、信用している。最初は上坂を疑っていたが、自分の事は顧みず親切心で彩世の事を救おうとする上坂に感心しそして、それだけの理由ではないが、信頼に値する人物だと思った。
上坂に信用していると伝えると、何処か疑っている様な顔をする。
「あ、有難うございます?」疑問系で返される。
まぁ、当然か。
「彩世さんのは当たり前の事をしたまでです!体が勝手に動いてました。」
あの危険な状況で、一歩間違えると、上坂の命が危なかった吸血行為を当たり前と思って救える上坂は、やはり凄いと思う。
強くて、不思議な存在だ。
「昔は過激派だったかもしれないけど、
今は違いますよね?大事なのは、過去の事より、今だと俺は思うんです。」過去より今。だが、その一言では、片付けられないぐらいの誤ちを犯した。
「過去は変えられないけど、今は変えられると思います。今を考えた方が俺的には、お得だと思うんです。」そう言った上坂は薄紅色の瞳を俺に向けて、真剣な表情をしていた。お得ってスーパーの特売日か!と思わず、心の中でツッコんでしまう。
取り敢えず、その話は、俺に聞かせると同時に、
上坂自身にも言い聞かせている様だった。
「現に、瀧川さんは温厚派になったじゃないですか!今、どう生きてるかに意味があると思うんです。俺だって、毎日、どう生きるか頑張ってます!だから、そんな思い詰めた顔をしないでください!」と力瘤を作る上坂。
どうやら、俺はいつの間にか、悲壮感が漂った顔をしていたらしい。確かに、俺は温厚派になってから、人の血を吸い尽くしていた過去の自分に何度も悔いたりした。
俺の中で罪悪感が芽生えていた。今でも、時々良心の呵責に苛まれる。
初めはそうでは無かったが、
仕事上、人間と取り引きを行う時。
人間との付き合いを深くしていけばいく程、思わぬところで、俺が取り返しのつかない行いをしていた事実を知ってしまった時、まざまざと思い知らされた。
俺が、過激派時代まだ、不動産の経営もして無かった頃、ある女性の血を吸い取った。
後々、温厚派になり、不動産で、仲介人になった時、過激派時代に血を吸い取った女性は、取り引き相手の男が愛する人だったと言う事実を知ってしまった。俺が命を奪ってしまった。酷く、後悔した。その時から、罪悪感が消えない。
こうして上坂と話している時も。
俺は人間の命を最も簡単に奪ってしまえる存在だ。
そんな自分自身が果たして、人間である上坂と話して、接触してもいいのかと思わせられる。
だけど、
''今の自分が大切''上坂の言葉はありふれた言葉だが、不思議と気持ちが軽くなる。
今の俺の向いてる方向が大切と言われているかの様で、罪の意識は変わらないが、少しだけ気持ちが軽くなる。
俺を薄紅色の瞳がしっかり捉えた。
上坂のその瞳は、最初こそ意志が強そうな、何処か人を睨んでいる様な目だと思ったが、今では、薄紅色の瞳が凛とした目が、人を信じさせてくれる様な瞳に思えてくる。
「盟約を結んだ時、俺の手に牙を掛けましたが、激情のままに、血を吸おうとしなかった。正気のままでした。不実なんかじゃ無いです。今の瀧川さんは、人間の俺にとって誠実です。それに、パソコンまで貸して頂いて親切ですし!」ね!と
上坂は目元を緩ませて、俺を激励してくれる。
晃生は、目を見開き白黒させ、一旦口を引き結ぶ。
俺にとって新しい考え方だった。過去の罪悪感は消えてはいないが、''人間の俺にとって誠実です''その言葉に人間である上坂に言われると、又もや、少し救われた気がした。
「上坂は、変わっているな。変わっているが、
上坂は強いし、優しいんだな。
上坂にとって俺が、誠実だと思うんだったら彩世達のお陰だ。さっきも言ったが俺達を
温厚派に勧めてくれた西園寺家のお陰だ。」そう、
彩世達のお陰で俺や両親は改心できた。兄弟の様に過ごしてきた彩世を救ってくれた事に、心から上坂に感謝する。改めて、礼を言う。
「あ、頭を上げて下さい!
ごめんなさい!俺、年下で、しかも瀧川さんの事ををあまり、知らないのに生意気でしたよね!本当に余計な事を言ったかもしれないです。申し訳ございません。」と慌てて謝る。上坂は遠慮がちだな。8年前のあの時と全く違う上坂に思わず、フッと笑ってしまった。
「上坂こそ、頭を上げてくれ。」
その言葉に顔を上げると
「余計じゃない。寧ろ、上坂のお陰で気持ちが軽くなった。有難う。それと...俺の事は晃生でいい。」と晃生は目を細め本心から微笑むのだった。
本日も最後までお読み下さり有難うございますm(__)m




