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瀧川晃生というヴァンパイア。

何時もお読み下さり有難うございます!


えぇぇ!?

そんな重要な話、私にしてもいいの?

気まずいから私からは

一言も、

うっかりも、

聞いてないのに!ご自分から言っちゃう?


そして、よほど信頼度が上がってないと、この話してもらえないのに!何で?何処で?

信頼してもらったのか、見当もつかない。


それから、晃生さんの信頼度が上がっていると言う事は、同時に西園寺彩世の好感度が上がっている証拠だ。


どう言う事だろう?そりゃ、彩世さんとは、盟約してからちょっとだけ仲良くなったかな?とは思ったけど...幾ら顔がイケメンだろうと、悪役女子の私には好感度とか信頼度は関係ない。

好きになったら最後、待ってるのは...








地獄だ。


唯の人間で、しかも悪役女子の私は天地がひっくり返っても、どうせ結ばれっこないのだから。


まあ、それはさて置き、

元々、瀧川さんの一族はヴァンパイアの過激派(人の血を全部飲み干す。)だった。


一族の中でも、瀧川さん親子は、人間を死に至るまで、飲み干す事に執着心は無かった。腹が満たされれば、それで良いと言う思想の持ち主。

それに目を付けた西園寺家、彩世の両親は、

瀧川さん親子と一族に温厚派にならないかと、説得を試みる。


私が理解してないと思ったのか瀧川さんは説明してくる。

「過激派は人間の血を死に至るまで吸血する生き物だ。俺達親子が、それだった。

今は父親しか居ないが。過激派だった頃、

西園寺家に説得され、俺達親子だけが、温厚派になった。一族の者は過激派に残った。

両親だけが、一族を裏切った罪で過激派の一族に追われる事になる。

俺は、親の配慮で隠されて育てられてきた故に、俺の存在は、一族には知られていない。だから、本来なら追われる身だが、普通に暮らせている。親には感謝してもしきれない。」


私は無言で頷く。


「今でこそ温厚派である事は事実だが、俺の過去は変えられない。

俺は昔、人の命が絶えて行く事を歯牙にも掛けておらず、

上坂には、酷な話だが、人を何人も殺めてきた。許されない事をしてきたんだ。人間に対して無残な事をしてきた。」眉間に皺を寄せ伏目になる。縁取られたまつ毛から、後悔の色で染まったアメジストの瞳が覗く。


「あの、」と私は不謹慎だけど手を上げる。「俺にこんな大事な話してもらっていいんですか?まだ俺と会って間もないし、瀧川さんは、俺の事よく知らないじゃないですか?」


「お前の事は信用している。」


「あ、えっと、有難うございます?」何処に信用要素があったんだ?私は胡乱気な表情になり、首を傾げる。


「彩世と盟約を結んだお前の事は信用に値する。だから、上坂には、俺の話を聞かせた。だが、俺の話を聞いてお前は恐ろしくないのか?俺が元過激派と言うことが。」ああ、あの盟約が!


「彩世さんのは当たり前の事をしたまでです!体が勝手に動いてました。それと、

瀧川さんの事は恐ろしいとか以前に、元過激派って言っても俺には、ピンとこないです。

昔は過激派だったかもしれないけど、

今は違いますよね?大事なのは、過去の事より、今だと俺は思うんです。過去はどんなに足掻いても、変えられないですが、変えられない過去の事をいつ迄も考えるより、今を考えた方が俺的には、お得だと思うんです。」

「得...」呟く晃生。

「はい!過去の事を考えてる時間を今の分の考える時間に割くんです。時間が節約になります!

そりゃ、反面教師として、忘れてはいけない事だと思いますが、瀧川さんは充分に反省されてるのが分かります。これからを変えていけると思うんです。て言うか変えてるじゃないですか!」とつっこむ。


私は瀧川さんに言いながら、自分にも言い聞かせていた。そうだ!記憶を取り戻す前の12歳以前の

(上坂麗)の悪行も消えた訳ではないけど、記憶を取り戻してから、人様の役に立とうと思った。(私のできる事なんて限られているけど。)


そして、前世は病気で死んでしまったけど、今は健康な体で息をしている。生きてる。過激派になんか命を奪われてたまるか〜!と改めて決意を固める。今を変えてみせる!


「現に、瀧川さんは温厚派になったじゃないですか!そして温厚派として、過激派と戦ってるじゃないですか!それは中々できる事ではなく、凄い事だと思います。今、どう生きてるかに意味があると思うんです。俺だって、毎日、どう生きるか頑張ってます!だから、そんな思い詰めた顔をしないでください!」と力瘤を作ってみる。


大事な話なので、瀧川さんのアメジスト色の瞳をしっかり見つめて言う。


本当に恐ろしくなんか無い。だって瀧川さんは本当に誠実だし、怖かったらあの時、

瀧川さんの牙で血なんか出してもらってない。それに、攻略対象様ですし。攻略対象は無条件に信用してしまう。


晃生は驚いた顔をしていた。

私は話を続ける。

「俺は瀧川さんの昔は知りませんし、今もそんなに、知っている訳じゃ無いですが、

それでも、今の瀧川さんと5日間過ごしてみて、

瀧川さんが俺達、人間に誠実だと言う事が分かりました。

瀧川さんは俺が彩世さんと盟約結んだ時、俺の手に牙を掛けましたが、激情のままに、血を吸おうとしなかったですし、正気のままでした。不実なんかじゃ無いです。今の瀧川さんは、人間の俺にとって誠実です。それに、パソコンまで貸して頂いて親切ですし!」ね!と

私は目元を緩ませて笑った。


晃生は、目を見開き白黒させ、一旦口を引き結ぶ。


「上坂は変わっているな。変わっているが、

強いし、優しいんだな。

上坂にとって俺が、誠実だと思うんだったら彩世達のお陰だ。さっきも言ったが俺達を

温厚派に勧めてくれた西園寺家のお陰だ。

彩世達がいなかったら、俺達親子は、今でも過激派だったに違いない。だから、彩世達に感謝してるんだ。それに、今の今まで兄弟の様に過ごしてきた。

そんな彩世を救ってくれて、改めて、礼を言う。

彩世を助けてくれて、有難う。それから、俺の事を激励してくれ、感謝する。」頭を下げる晃生。


ハタと正気に返ると生意気だったかな?と思ってしまう。

「あ、頭を上げて下さい!

ごめんなさい!俺、年下なのに、瀧川さんの事あまり知らないのに、生意気でしたよね!本当に余計な事を言ったかもしれないです。申し訳ございません。」と慌てて謝る。

頭を下げていると、上からフッと息が漏れた気がした。

「上坂こそ、頭を上げてくれ。」


その言葉に顔を上げると


「余計じゃない。寧ろ、上坂のお陰で気持ちが軽くなった。有難う。」と晃生はアメジスト色の目を細めて、これまでに見た事無いくらい柔らかく微笑むのだった。


本日も最後までお読み下さり有難うございました!

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