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一条征史朗 視点②

おはようございます!

何時もお読み下さり有難うございます!

前回一条征史朗視点①の心の中での上坂君呼びを「上坂」呼びに変え、呼び捨てにしたいと思います!


凄いで思い出したけど君には驚きだ。

「ふふふっ、彩世と晃生は特に凄いよ。凄いで思い出したけど、君も、凄いよね。」と言うと征史朗はベッドの所に居る麗に近づいた。

上坂から加賀の血の香りがするし、晴一の香りも微かにする。ヴァンパイアが特別に守りたい人に渡すヴァンピールアクセの気配がする。





「どう言う事ですか?」上坂は聞き返してくる。


「男である君が、2人の上級ヴァンパイア達、朝倉加賀、早乙女晴一の血の提供をして、しかもその2人のお気に入りになってしまったんだから。」上坂麗の耳のイヤリングを好奇心で触れてみる。

驚いた上坂麗はビクッとなり、肩を揺らす。

「お気に入りって...そんな...まだ3日しか経ってないですし、自覚が」上坂は困惑した様だった。


「日数なんて、関係ないと思うけど。このイヤリングから、加賀の血の香りがするし、この部屋に晴一の血の香りも微かだけどする。ヴンピールアクセを身につけてる君は、彼らのお気に入りだよ。」と言いながら、麗の耳に付けたイヤリングを指の腹で擦ってみる。本当にどうして、気に入られたんだろう?僕にはそれが謎だよ。まぁ、上坂麗は普通の人間より、変わっていて、面白いけど。

 

「うっ」上坂はプルプル振えながら、目を瞑っている。耳が弱いのかな?


「男の君が気に入られるなんて、珍しい事なんだよ?上坂くん。だから、僕は君に興味が湧いたんだ。ねぇ、どうして2人に気に入られたの?僕は人の心が知りたいんだ。」

そう、僕は人の心が知りたい。僕は生まれながらに、何でもできた。

勉強にスポーツ、ピアノを弾いたり、ヴァンパイアの能力も何でも直ぐ吸収出来てしまっていた。両親も凄く大喜びだった。いつしか、それが当たり前になり、両親の喜びも薄らぎ、


''この子には、何をやらせてもどうせ直ぐ出来るのだろう''


と次第に関心が無くなっていった。


新しいものや事をしても、直ぐ理解し、習得してしまう。その容易さが僕にはつまらない気持ちでいっぱいだった。喜ぶ気持ちや悔しい気持ちが全く分からない。

人でも、ヴァンパイアでも、心が知りたい。


征史朗は綺麗な顔を麗に近づけてブルーの瞳を細めながら質問する。


「えっと、もしも気に入ってもらえたんなら、光栄です。俺が、俺の血が誰かの役に立つのは、嬉しい事です。だけど、お2人の思考はお2人に聞いて下さい。俺は本人じゃないので知らないです。人の考えって難しいですし。」上坂は薄紅色の瞳を細めて、困った顔をする。


「ふふっそうだね。だから、僕は俳優になって、演じる事で人の気持ちを理解しようとしてるんだ。」まつ毛を伏せる。

僕が俳優になったのも、人の気持ちを理解する為。演技をする事で色々な役に成りきり、理解出来るんではないかと俳優になった。

感慨に耽っていると...


明るい声が無邪気に尋ねてくる。

「そうなんですね!その為に、偉いですね!人の気持ちは理解できましたか?」理解できて無いから聞いてるんだろうが!この、ウスノロボケが!と毒づく。普段の僕は、紳士然として振る舞っているが、素の僕は違う。


だけど、僕はあくまでも紳士然とした口調で話す。

「いいや。少し分かったと思うと、また、分からなくなる。演じているだけで理解はできてない。例えば、涙を出すシーンも悲しくなくても、涙を出す事ができる。僕のヴァンパイア能力で、涙腺を刺激し、涙の道(鼻腔)へと涙を流す事ができる。僕は、自慢じゃ無いけど、大抵の事はこなせるんだ。だけど、本当に人の気持ちを理解してる訳じゃ無い。だから...」僕は人やヴァンパイアの気持ちが知りたい。皆が普通に抱いている感情を僕も知りたい。だけどこの話はもう、

上坂とはしたくない。


「それは、凄い特技ですね!征さんは才能があるんですね!」上坂麗は無邪気に話しかけてくる。もうこの話は終わりにしたい、そう思っていると


「征さんの演技してるドラマ観てますけど、俺、凄く感情移入してしまいますし、

もう、人の気持ち理解してなくても、あそこまで演技が上手だと最早、演技でも構わないと思います!」と麗は薄紅色の瞳をキラキラとさせて話す。

僕はそんな上坂の話に目をパチクリさせて、一瞬固まる。

僕の演技で感情移入する?感情が乏しいこの僕の演技で?

人の気持ちを理解しなくてもいい?

演技でも構わない?僕の中でインスパイアされる。上坂麗の言葉は、僕の胸の支えが取れる言葉だった。急に目の前がキラキラしてくる。


「俺こそ人の感情に鈍いので、理解する必要が有るかもしれませんね。」と苦笑をしながら

「もし、俺の言動でイライラしたり、困らせてしまったり、傷ついたら言って下さい。」と黒髪に手を乗せて話す麗。


本当にさっきまで上坂と話すのはイライラして嫌気がさしていたけど、たった一言二言の言葉で機嫌が良くなるなんて、思ってもみなかった。僕も単純なものだ。そう思うと笑いが込み上げてくる。

「プッ」と吹き出す征史朗。

僕は「何だか、君が2人に気に入られる理由が分かった気がするよ」と小さく呟いた。密かに呟かれた言葉は、麗には届かなかった。


「上坂くん、君は面白い人だね。何だか君に話すと、僕の悩みが軽いものに思えてくる。」とブルーの瞳から笑い涙が出る。


「その涙は作り物ですか?」と真剣に話してくる上坂。まぁさっきの話の流れからいくと、勘違いするのは、分かる。面白い子だな。僕は、又もや笑ってしまう。


「プフッいいや。この涙は本物だよ?」ブルーの瞳を細めながら、涙目になる。


上坂麗と一緒にいると僕は感情が豊かになっていく様だ。上坂は危ない。僕も上坂を...


それから、無意識に上坂に近づく。


上坂麗の薄紅色の瞳を覗き、

手が気がついたら勝手に動いていた。

征史朗の手は、麗の顎を優しくすくう。

「これからも、宜しくね。上坂君。」僕は

上坂の薄紅色の瞳を見つめてしまう。





「じゃあ、上坂君、明日、早いし、もうお休み。」と麗の頭を優しくポンポンと撫でる。



上坂は危ない。

僕も上坂を...只の人間のしかも、男の


上坂麗を





好きになってしまいそうだよ


本日も最後までお読み下さり有難うございましたm(__)m

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