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一条征史朗 視点①

何時もお読み下さり有難うございます!やっと、10万字いきました!


彩世(あやせ)上坂麗(こうさかれい)の護衛を頼まれた僕は、上坂の部屋の前まで着く。普段の僕は、紳士然とした話し方や敬称を付けて話すが、心の中は別に紳士でも何でも無い。紳士的に接していた方が周りにウケがいいから。只それだけの理由。



ノックを3回したと同時に、ドアを開くとキツイ香りが漂ってくる。うっ!?

僕達、ヴァンパイアの苦手なニンニクの香りだ。それと同時にニンニクが僕の腹部に当たる。

未だ嘗て、

俳優の僕がニンニクを投げ付けられたのは、初めてだ。


「わ、大丈夫ですか?ごめんなさい。誰ですか?もしかして、(はる)さんですか?」とドアに慌てて駆け寄る上坂。


「晴が何だって?随分な挨拶だね!?」とブルーの瞳を細めて、微笑む征史朗(せいしろう)。僕は全然怒ってないけどね。だから、笑みを浮かべる。だが、その笑顔は黒いオーラを発していた。


「ごめんなさい。運動をしていたもので...。さっきまで晴さんが来ていたので、また、来られたのかと...それより、ニンニクの匂い大丈夫ですか?(せい)さん。」

(れい)は焦りながら問う。


「ああ、少し匂うだけで、問題ないよ。フッだけど、どうして、ニンニク?」考えてみるまでもなく、ニンニクを投げる運動って可笑しすぎる。普段、心から笑う事が少ない僕だけど、思わず笑ってしまっていた。


「俺ニンニク料理が好きで偶々、荷物の中に持ってきていたので、ニンニクをボール代わりにしたんです。本当にすみません。」どこから、ニンニクがボールに代わるんだ?可笑しすぎるだろ!思わず心の中でツッコミを入れてしまう。


僕はニンニクを投げ付けられた、腹いせじゃ無いけど、食べ物は大事だから、

「そうなんだね。食べ物を粗末にしてはいけないよ。」と注意する。


「はい...。すみません。」と麗は眉毛を下げて素直に謝る。素直なことはいい事だね。



「運動したいのなら、一階の舞踏室の隣りの部屋に運動器具とか置いてあるから、もし良ければ使っていいよ。庭に出てランニングもいいし。」僕は提案してみる。


「有難うございます。運動したいです!使わせていただきます!」本当に嬉しそうな顔をする。

その後に疑問に思ったのか、首を傾げる


「あっ、えっと何故、征さんが此方に?」尋ねる

上坂。


「彩世に頼まれてね。上坂くん、君の護衛に来たよ。」と征史朗はブルーの瞳を細めて微笑む。意識しないと表情が乏しい僕は出来るだけ笑顔を心掛ける。僕は俳優と言う職業だけど、本当は意識しないと笑顔や柔らかい表情が出にくい。


「あ、有難うございます。どうぞ中へ」と言って部屋に通される。

「あの、俺の部屋ゆったり座れる椅子が無くてすみません。」凄い悩んでいる感じがする。分かりやすい子だ。


「彩世は普段何処で護衛してるの?」征史朗が聞く。


「ああ!彩世さんは...」と言い掛け


赤くなったり、青くなる麗の様子に征史朗は思わず、クスリッと笑う。僕は人の感情が分かりにくい。だけど、上坂麗は何を考えてるのか、分かりやすく悩んでいる。

「彩世と同じでいいよ。」とブルーの瞳をした目を細める。


「えっと、彩世さんは俺のベッドの上で護衛されてましたけど...」麗は焦りながら言う。

「じゃ、そこで。」出来るだけ落ち着いた声を意識して話す征史朗。



顔を赤らめたり、青くなったり、まるで信号の様だ。凄い考え込んでいる感じだけど、同性同士で問題無い筈なのに、もしかして、上坂は...

「ねぇ、さっきから顔を赤らめて、上坂君は何を想像してたのかな?君は男が好きなの?」と金色の眉の間に皺を寄せて、真剣に聞く。別に珍しくない。俳優と言う職業柄、色々なファンがいる僕には、同性にも好意を寄せられる事がある。けど、面倒だ。例え異性であったとしてもヴァンパイアである僕が只の人間と恋愛なんて不可能にちかい。「女神の血」の持ち主を除いて。


「ち、違います!断じて俺は男を好きでは有りません!女性が好きです!」と麗は、否定する。うん。この感じは嘘では無さそうだ。

「そっか!それなら良かった。」と冗談抜きで、僕は安心する。


「だけど、征さんもお仕事が忙しそうなのに、俺の護衛してていいんですか?」その表情は心配気になっていた。


「ああ、明日は半日休暇だから、大丈夫。心配有難う。」と征史朗は警戒心が無くなり、柔らかい表情になる。上坂は心遣いのできる優しい子だな。


「有難うございます。

だけど、征さんはドラマの撮影とかで忙しい筈なのに、俺の護衛に体力割くなんて、悪い気がします。俺だったら、睡眠不足になりそうです。」


「いや、僕はショートスリーパーだからね。そんなに、寝なくても大丈夫なんだよ。だから、気にしないで。」本当に心配なんて無用だよ。僕の睡眠は1時間で足りるからね。


「それでも、申し訳ないです!それから、

有難うございます。」と眉を下げながらお礼を言う麗。

「だけど、凄いですね!少しの睡眠だけで大丈夫なんですね!俺は8時間とか9時間くらい寝ないといけないので、驚きです。」上坂は驚く。上坂にそのくらいの時間は普通だと伝えると安心したホッとした表情する。


「ここの住人達は、割と少ない睡眠でも大丈夫かな。」


「征さんやここの皆さん、体力が、あるんですね!凄い!俺も体力付けたいです!」上坂のそれを見ると、晴一の昔を思い出す。

晴一も負けず嫌いでよく、彩世や晃生達に追いつこうと、トレーニングしてた頃があったなぁ。

それを思い出すと思わず笑みが溢れた。


.


本日も最後までお読み下さり有難うございます。

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