ニンニク投げ
何時もお読み下さり有難うございます!
50部「麗の自室にて」に挿絵を入れました。晴一の壁ドンシーンを描きたくて、入れてみたのですが、もし良ければ、見てみて下さい。
晴さんと分かれてから、私は暫くご無沙汰していた、ナイフ投げの代わりにニンニク投げを練習する事にした。
ニンニクの皮が剥がれる事を気にして、ビニール袋にニンニクを入れて、投げる。
取り出しやすいのは、制服の内ポケットだけど、不自然な膨らみが出来るから、学校の鞄に入れる事にする。
鞄から、ニンニクを取り出し、後ろに居るだろう敵に目掛けて投げるシミュレーションを行う。ドア目掛けて、
麗が手からビニール袋に入ったニンニクを投げた正にその瞬間、
コンコンコンドアをノックする音がまた、聞こえる。
麗が、え!?と思った時には遅かった。
開かれた扉の先にビニール袋に入った
ニンニクが、命中。
「わ、大丈夫ですか?ごめんなさい。誰ですか?もしかして、晴さんですか?」とドアに慌てて駆け寄ると、そこには、
眩い金色のクリーミーブロンドの髪に
深いブルーの瞳の美形、一条征史朗が立っていた。
「晴が何だって?随分な挨拶だね!?」とブルーの瞳を細めて、微笑む征史朗。その下には、ビニール袋に入ったニンニクが落ちていた。
征さんは笑っているけど、その笑顔は黒いオーラを発していた。
凄い怒ってそう。ごめんなさい。
「ごめんなさい。運動をしていたもので...。さっきまで晴さんが来ていたので、また、来られたのかと...それより、痛くないですか?あと、ニンニクの匂い大丈夫ですか?征さん。」
私は焦りながら問う。
「ああ、少し匂うだけで、問題ないよ。フッだけど、どうして、ニンニク?」面白そうに尋ねる征史朗。そう尋ねる征さんは、昨日、晴さんの部屋のドア前で会った時と雰囲気が違った。今日はどこか、柔らかい話しかけやすいそんな雰囲気を身に纏っていた。
「俺ニンニク料理が好きで偶々、荷物の中に持ってきていたので、ニンニクをボール代わりにしたんです。本当にすみません。」私は咄嗟に言い訳を言う。
「そうなんだね。食べ物を粗末にしてはいけないよ。」征史朗は注意する。
「はい...。すみません。」と麗は眉毛を下げて謝る。
そうだよね。ヴァンパイア退治に使うと言っても食べ物だから、本当に仰る通り、食べ物を粗末にしたら駄目だよね。本番まではニンニク投げは封印しとこうと思う麗だった。
クスリと征史朗は、笑い
「運動したいのなら、一階の舞踏室の隣りの部屋に運動器具とか置いてあるから、もし良ければ使っていいよ。庭に出てランニングもいいし。」と切り返す。
「有難うございます。運動したいです!使わせていただきます!」やった!運動する所があった。と納得したところで私は疑問に思う。
何故、征史朗が私の部屋に来るのかと...。
「あっ、えっと何故、征さんが此方に?」麗は首を傾げる。
「彩世に頼まれてね。上坂くん、君の護衛に来たよ。」と征史朗はブルーの瞳を細めて微笑む。
「あ、有難うございます。どうぞ中へ」と言って部屋に通す。
「あの、俺の部屋ゆったり座れる椅子が無くてすみません。」困ったな!
勉強机とセットの硬い椅子しかないな〜と麗が悩んでいると...
「彩世は普段何処で護衛してるの?」征史朗が聞く。
「ああ!彩世さんは...」と言い掛け、はたと気づく。彩世さんは、2日間とも、私のベッドの上で護衛してくれていた。
それは、流石にと赤くなったり、青くなる麗の様子に征史朗は思わず、クスリッと笑う。
「彩世と同じでいいよ。」とブルーの瞳をした目を細める。
「えっと、彩世さんは俺のベッドの上で護衛されてましたけど...」麗は焦りながら言う。
「じゃ、そこで。」落ち着いたトーンで話す征史朗。
えぇぇー、彩世さんに引き続き、征さんも!?
男の人と一緒のベッドなんて、そんな破廉恥な!と顔を赤らめる麗。彩世さんの時も抵抗あったけど、でも、他に、休める場所がない。征さんに硬い椅子の上に一晩中座らせるのも忍びない。今の私は男だ!大丈夫!イケる!
「ねぇ、さっきから顔を赤らめて、上坂君は何を想像してたのかな?君は男が好きなの?」と金色の眉の間に皺を寄せて、真剣に聞いてくる、征史朗。
わわ、征さんが誤解を!
「ち、違います!断じて俺は男を好きでは有りません!俺は異性が、女性が好きです!」と麗は、否定する。
「そっか!それなら良かった。」と征史朗は安心したかの様に言ってベッドに腰掛ける。
「だけど、征さんもお仕事が忙しそうなのに、俺の護衛してていいんですか?」私も反対サイドのベッドに腰掛けて伺う。征さんは俳優をしていて忙しい筈だ。今だって、続きもののドラマに出演していて、忙しい筈なのに。
「ああ、明日は半日休暇だから、大丈夫。心配有難う。」と征史朗は柔らかい表情になる。
こんなに忙しい人なのに、私の護衛をして、体がもつんだろうか?
「有難うございます。
だけど、征さんはドラマの撮影とかで忙しい筈なのに、俺の護衛に体力割くなんて、悪い気がします。俺だったら、睡眠不足になりそうです。」
「いや、僕はショートスリーパーだからね。そんなに、寝なくても大丈夫なんだよ。だから、気にしないで。」
「それでも、申し訳ないです!それから、
有難うございます。」と私はベッドの上で正座をし、征さんの方に向く。眉を下げながらお礼を言う麗。
「だけど、凄いですね!少しの睡眠だけで大丈夫なんですね!俺は8時間とか9時間くらい寝ないといけないので、驚きです。」私は本当に驚く。
「睡眠量は人それぞれだよ。10代の人間の理想的な睡眠量は約8時間って言われてるみたいだし、20代くらいになるとまた、違って約7時間くらいになるし、年齢と共に睡眠時間が変わってくるらしいしね。
10時間寝るロングスリーパーの人でも、疲れが取れてたら、問題ないよ。
上坂くんの年齢だと、それぐらいが普通の睡眠量になるね。」
「ヘェ〜征さんって物知りですね!俺、寝すぎなのかと思ってたので、安心しました。」私は感心し、ホッとした顔をする。
「いや、そんな事ないよ。僕達、ヴァンパイアは、陽に弱いから、逆に沢山寝る傾向があるけど、僕は、と言うか、ここの住人達は、割と少ない睡眠でも大丈夫かな。」
「征さんやここの皆さん、体力が、あるんですね!凄い!俺も体力付けたいです!」
「ふふふっ、彩世と晃生は特に凄いよ。凄いで思い出したけど、君も、凄いよね。」と言うと征史朗はベッドの所に居る麗に近づいた。
本日も最後までお読み下さり有難うございました!
睡眠の話の下りは少しだけ、調べた話なので、あまり鵜呑みにしないで下さい!本当に睡眠は人それぞれらしいです。私はどちらかと言うとロングスリーパーの方に入ります。




