麗の自室にて 晴一視点
いつも、お読み下さり有難うございます!m(__)m感謝です!
今回、晴一が情緒不安定気味です。50部「麗の自室にて」に挿絵入れました!よかったら、見てください!
「晴兄〜1ヵ月後のダンスパーティーにお兄ちゃん達の女子避けとして、麗れいを女装させようと思うんだよね!この案どうかな?」と美久は妙案だとばかりに嬉しそうに僕に聞いてくる。
僕は耳を疑う。麗の女装なんて、女装なんて、
みたい!
麗がするの?晴だったらもし、麗の立場だったら嫌だ。麗は、嫌がるんじゃないか?だけど...
麗の女装...正直かなり見てみたい。似合うだろうな。
美久からの提案を聞いた時はビックリしたけど、僕は麗が女子の姿になる想像をしたら、口が勝手に賛成を言っていた。
賛成した手前、麗には罪悪感が残る。だから、僕は麗にお礼を言いに行くことにする。
ドアをノックすると、「はい!」と麗の返事が返ってくる。
「僕だけど...」早乙女晴一がドアを開ける。何だかビックリしたような麗。
「何か今、失礼な事考えなかった?」僕はついへそ曲がりな事を言う。
「いや、何でもないです。それより、用事は何でしょう?」麗は何だか焦りながら言う。図星か!本当に考えてたのかよ。出会って間もないけど、麗は分かりやすい奴。
「ああ、直ぐ済む。今日は血の提供有難う。後、ダンスの件も引き受けてくれて有難う。」だけど、僕は素直に感謝を伝える。
「いえいえ、どういたしまして!お役に立てて良かったです。ダンスは頑張ります。」麗は綺麗な薄紅色の瞳を細めて嬉しそうにニッコリ笑う。
何なんだ!
この可愛い生き物は!
ドキドキする。麗を見るたび、胸が高鳴る。って違うだろ!麗は男だぞ!しっかりするんだ晴!
「まぁ、精々、頑張んなよ。君鈍臭そうだから言うけど、僕たちの足引っ張って恥を掻かせないでよね!」僕はこんな事言うつもり無かったのに、顔が熱くなり、又もやへそ曲がりな事を口にする。赤くなった顔を誤魔化す様に顰めっ面を心がける。
麗は、おっかない顔をする。当然、気分を害したに違いない。僕は、麗を目にすると、ドキドキし過ぎて、つい素直になれない。
「わ、分かってます!出来る限り頑張ります。その為に体力温存しときたいので、今日は早く休みます!では、お引き取りを!」
と引き攣った笑みをしながら、晴一を締め出そうとする。やっぱり、麗は怒っているし、傷付けてしまった。もっと麗と一緒にいたいのに。
「あっ...」僕は眉が下がり、エメラルドの瞳が揺らめく。本当は、麗にお礼だけするつもりだったのに...麗と喧嘩するつもりなんか、なかったのに。
本当は、本当は、女の子の姿をした、麗とダンスするのを楽しみなんだ!だけど、中々、素直になれない。だけど、ここで喧嘩したままで、麗と分かれたくなんかない。
「....。」少し俯きながボソボソ話す晴一。
「...本当は...」晴一は麗に近づく。
麗が近づく気配がする。
僕は、勢いに任せる事にする。
僕は勢いよく顔を上げ、キッと睨み麗に顔を近付ける。
あまりの剣幕に麗は思わず後ずさる。僕は麗をドア付近の壁へと誘導する。晴一はキッと睨んだまま、麗の頭の横の壁にドンッと手を突く。
麗は戸惑っている表情だ。麗の顔を見ると、ドキドキして、虐めたくなるけど、耐える。
晴一はキッと睨みながら
「ごめん。言い過ぎた。本当は、本当は、君と、麗と一緒に踊るの楽しみにしてるんだ!だから、失敗したら承知しないからな!」麗を見据えて怒鳴る様に言ってしまう。最後は、やっぱり憎まれ口を叩いてしまう。一気に言って正気に戻った僕は顔が熱くなってしまう。「それだけ!じゃあ!」と顔が赤くなるのを感じながら、逃げる様にその場から去った。
これで、曲がりながらにも、僕の気持ちは伝わった筈。僕が麗の事を少ーーしばかり好きだと言う気持ちが!
って違ーーう!僕は何を考えてるんだ!
男の麗に僕の気持ちを伝えるなんて!どうかしている!
晴一は顔を赤くしながら、1人自室に籠り、思い悩み、葛藤するのだった。
本日も最後まで、お読み下さり有難うございました!




