寄せられる思い②
何時もお読み下さり有難うございます!
「何か用ですか?」首を傾げる。色々な事が起きすぎて、すっかり忘れていたけど、私は加賀さんに怒っている。昨日あった事を根に持って、素っ気ない態度を取る。
「うん!黒猫ちゃんに話たい事があって。昨日の事も謝りたいし。今ちょっといいかな?」朝倉加賀はヘーゼル色の瞳を細め、妖艶な笑みを浮かべる。
「麗は今、本を探してるところだから、後にしてあげて?加賀。」由希翔が透かさずフォローする。
「大丈夫!直ぐに終わるから」と強引に麗の手を取る加賀。
「えっ?ちょっちょっと待って下さい!」と言いながらも引きずる様に引っ張っられていく麗だった。
後に残されたのは、その様子を睨んで見る
由希翔の姿であった。
「ふふ、廊下に出るだけだから。そんなに、固くならないで?」笑いながら、図書室の前の廊下に出る。加賀さんと一緒だと緊張する。それに、私は怒ってるんだから!だって、だって指舐めるし、それに、それに、私の唇を奪ったんだよ。
麗はプルプル振えて「加賀さん、昨日の明け方は善くも、俺のく、く、唇を奪ってくれましたね!俺、怒ってるんだから!手を放してください。」と麗は薄紅色の瞳できっと睨む。
微笑んだまま
「ごめんね。黒猫ちゃんを見てるとついついね!」と妖しく加賀は麗を見つめる。
「何を言い出すんですか!男の俺に!
ついついって...そんなついは要らないです!」反省の色が見えない!私はきっと睨む。今こそ悪役女子の睨みを発動だ!さぞかし、怖い筈。
「本当にごめん。」珍しく、眉を下げる加賀。おっ!私の悪役女子の睨みが効いたかな?反省したんだったら、許しましょう。
「だけど...」その拍子にグッと麗との距離を縮める加賀。
間近に迫った加賀に、オロオロする麗。
「こうやって、可愛い顔をする黒猫ちゃんもイケナイんだよ?」と加賀は麗の唇に人差し指を持っていく。
その指を麗の唇にフニッと軽く当てる。かぁと赤くなる麗。
か、か、可愛いなんてイケメンに言われると心臓に悪い。だけど、騙されてはいけない。この男は、チャラ男だ。
それに、今の私は男の格好してるんだから、ボーイズラブはお断りだ!はっ!そこで麗は勘づく。
もしかして、揶揄われてる?
「か、可愛いなんて、男に無礼だ!男を揶揄うんじゃ無いです!」と麗は赤面しながら、きっと睨む。
しっかり!私。加賀さんのペースに呑まれるな!
隙を見せてはいけない!と自分に言い聞かせる。
「ふふふ。そう言う所が可愛いんだよ。黒猫ちゃん?だけど、仲直りしたいから、此処までに留めとくね。」と言い加賀の顔が私の耳元に近づく。言ってる事とやってる事が違う!すると左の耳たぶに冷んやりと締め付けられる様な圧迫感が起こる。
「なっ!?」
「だけど、妬けるな。左の首筋に跡を付けたのに無くなってるね...」と左の首筋をツーッと線を描く。ゾワッとする。
「な、何してるんですか!」と麗は怒鳴る。
「俺の跡を消されてる黒猫ちゃんが悪い。少しの間だけだから、我慢して。」
何してるんだ!人の耳たぶに!首筋に!と思いきや、右の耳たぶにも冷たい圧迫感が起こる。何かを嵌められてる???
「うん!出来た!君に似合ってるよ。黒猫ちゃん。」と言うと加賀は耳たぶにキスをする。
「わっ何するんですか!」私は耳を手で押さえる。全く油断も隙もない!
「ほら、見てご覧。」と私の両肩に手を置いた加賀がクルリと私の体を回転させ、廊下にある姿見に向けさす。
私の耳には、丸い形のラウンド・ブリリアントカットで色はヘーゼル色のイヤリングがしてあった。綺麗。これを付ける為に!?紛らわしい人だ。
「あの?これは?」麗は首を傾げる。
「黒猫ちゃんに似合うと思って。俺が作ったお守り。上げる。仲直りの印。」
「あ、有難うございます。だけど、さっきのは紛らわし過ぎです!仲直りしたいんでしたら、もっとスマートにお願いします!」と怒る麗。
「ふふふ、紛らわしいって何を想像したのかな?黒猫ちゃん?」加賀は妖しく笑う。
私はこの状況を打ち消す為に話を変える。加賀さんと居ると変な雰囲気になる。
「あーーこのイヤリングいいですね!手作りですか!?器用なんですね!だけど、こんな綺麗なの俺が貰ってもいいんですか?」麗は焦りながら問う。
その様子にフッと笑いが漏れる加賀に麗は気づかず、
「嬉しいな〜気に入ってくれた?
黒猫ちゃんは、いい香りを纏ってるから、これを身につけてると、ヴァンパイア達への牽制になると思ったんだ。」と言うと声を低めて
「黒猫ちゃんは俺専用だから。」と耳元で囁かれる。鏡越しに見る加賀はしたたる色気を含んでいた。
麗は一瞬言葉を失う。聴覚と視覚で責められ、いちいちドキドキしてしまう。
「もう!何を言うんですか!冗談はよして下さい!」と怒った風に言う。
「冗談じゃ無いんだけどな〜」と言いつつ、加賀はおどける様に言う。
麗はその言葉には反応せずに
「...だけど俺の事を気遣ってくれて...有難うございます。」加賀さんのやらしい感じとか近づき過ぎなとことか、どうかと思うけど、一応、私の事を心配してくれてるんだと言う事が分かるから、お礼を言う。
「俺の誠意伝わった?何かあったら、俺を呼んで。黒猫ちゃんの元に直ぐ駆けつけるから。」
加賀は人差し指を自身の唇に当てる。あれ?これって間接キス?さっき私の唇に指を当ててきた事が脳裏に蘇る。
私は意識すると、顔が赤くなる。
加賀はと言うと何も気にしてない様子で話しを続ける。
「じゃあ、もっと君と一緒に居たいところだけど、この辺にしとくよ。由希翔も心配してるし。手料理も美味しかったよ。感動した。」
私は平然を装うことにする。
「いえ、此方こそ居候の身ですし。お世話になってるお礼です。お口にあったなら良かったです。」麗は軽くペコリと頭を下げる。
「他人行儀だな〜!黒猫ちゃんは。だけど、少しずつでいいから仲良くしてね!」とウインクする加賀。加賀は、何か思い付いた様に...
「ああ!黒猫ちゃんの味、美味だったよ。だから、また、血ちょうだいね。」ペロリと舌舐めずりをしてから、ニッコリ笑う加賀。
「ッ血の提供は、貧血にならない程度だったら、いいです!あと...」と言った後に加賀の顔付近に人差し指を差し
「変なことしないなら、提供してもいいです!」
と麗は勢いをつけて言う。
加賀は、その様子に呆気に取られる。暫くすると「ぷっ提供お願いするよ。」その後、聞き取れない声で何か呟いた後、
加賀は後ろ手でヒラヒラ振り、去って行った。
加賀さんと居ると緊張が走るよ。
だけど、このイヤリングって
もしかして...
ヴァンピールアクセ!?
麗は信じられない気持ちになる。あれ?
ヴァンピールアクセ貰うのって、攻略対象ルートの分岐点な筈だけど。
私、もしかしなくても、知らない間にルートに入ってる?だけど、心当たりがなさすぎる。




