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彩世視点①

25部「ヴァンパイアになったりしないんですか?」

32部「今晩の護衛」

33部「ダンスレッスン」の彩世視点になります。

時系列が遡りますが、宜しくお願いします。


「ヴァンパイアになったりしないんですか?」栗頭は不安そうに問う。

黒頭は納得して、頷く。呑気な奴等だ。

黒頭はこう見えて銀製のナイフを所持している。全く油断ならない危うい奴なのか、そうで無いのかどっちなんだ?


「ぷっ本当に今更だな。」俺は思わず金色トパーズの瞳を細めて笑う。

「まぁ、答えてやる。血を吸っただけじゃ、ヴァンパイアに成んねぇよ。」彩世は赤褐色の頭を森口ひなに向けて話す。


栗頭はそれを聞いてホッとした顔をした。それを、黒頭が微笑んで見ている。こいつは、まるで、部外者のようだ。何でだ?お前も当人だろ?不思議な奴だ。


暫くすると、

「他には聞きたい事ない?」晴が聞いている。


「あの、俺、人間には無いヴァンパイアの能力を見てみたいです!」


耳を疑う。

だが、薄紅色の瞳をキラキラさせながら前のめりに言う黒頭。

「はぁ?黒頭、何を急に言い出すんだ?」

俺は訝しげに黒頭を見る。


「上坂は怖くないのか?」晃生も驚いた様にアメジストの瞳を黒頭に向ける。


「いや、全然!怖くないです。自分には無い物なので、寧ろ憧れます!迷惑で、無ければ見てみたいです!」黒頭はさらに前のめりになって、その薄紅色の瞳をキラキラと興奮させながら言う。どうやら、本当に見たい様だ。

俺は正直黒頭と栗頭には驚いた。特に黒頭に驚く。普通の人間は未知の能力を怖がると思っていたから。人間共は俺達にとってつまんねぇ生き物だと思っていた。俺がまだ人間社会に慣れて無かった頃、うっかりヴァンパイア能力を出してしまったことがあった。人間共は、気を失うか、怖がるか、逃げるかの3種類しか居なかった。


黒頭は、面白い。臆せず、それどころか俺達ヴァンパイアに興味津々だ。俺も黒頭に興味が湧いたぞ。

見た目はひょろひょろのくせに(笑)

ぷっ見直した。


そこまで楽しみにされたら、期待に応えてやらないとな。

「しゃあねぇなあー(仕方ないなー)少しだったら、見せてやる!」


「おぉ!凄い!」黒頭は驚きと感動で薄紅色の瞳を興奮させて言う。


「かっこいいし感動しかないよ!俺もあんな一瞬で動いてみたいもん!」薄紅色の瞳を細めて思いっきり楽しそうな笑顔を見せる。その日、俺は黒頭の上坂麗の笑顔に見入ってしまってた。



その夜、ヴァンパイア達で護衛を決める時、黒頭の護衛は密かに、争奪戦だった。晴一や加賀、由希翔この3人が特に護衛をしたがっていた。加賀は兎も角、晴と由希翔!?までとは、驚きだ。晴は最初嫌そうだったし、由希翔は人嫌いだからどう言う心境の変化だ?だが、決めるのが面倒だった俺は一刀両断し、俺自ら護衛することにした。

「入るぞ!黒頭。」


髪を拭くタオルを首に掛けて出てくる黒頭。

「ど、ど、どうしたんですか?彩世さん?」シャワー室から慌てて出た事が容易に想像できる。そそっかしい奴だ。


「プッ凄い慌て様だな?何かやましい事でもあんのか?」俺は自然と(トパーズ)色の瞳を細め、笑ってしまう。


「いえ!別に何もないです!」雫のついた黒いショートヘアをブンブン振る麗。その仕草は見ていて飽きない。


「怪しいな?何か隠してんのか?」

と俺は笑いながら言う。一々、反応が面白い。俺は黒頭に近づくが...黒頭は湯上がりで黒髪がポタポタ濡れていて、白い肌は少し赤く色付いていて普段の黒頭と違い艶めいて見えた。

艶やかな黒頭の薄紅色の瞳と目が合う。

じっと見入ってしまい

彩世は麗の黒髪に無意識に手を伸ばす。

「!?」首を傾げる黒頭。男だという事を忘れそうになる。

俺は黒頭の短い黒髪を人ふさ掬い上げ、「雫付いてる」無意識に行動していた。


そして、「ん?」

俺は黒頭のシャツの下からタレている白い紐に目がいく。何だこれ?

「この白い紐は、何だ?」と言いながら、

彩世は垂れている晒しに触れて、引っ張る。


黒頭は変な声を出す。

「ッひゃ や、止めて下さい!こ、これは怪我をしたんです!なので巻いてるんです。」黒頭は薄桃色の頬を更に赤くして、焦りながら言うが何だか妙な感じになってしまう。


そんなに酷い怪我なら、俺がヴァンパイア能力を使って舌で舐めて治してやろうか?

お前だったら、特別に俺のヴァンパイア能力を使ってやってもいい。そう思うぐらいには、お前の事を悪くないと思っている。

俺は半分冗談めいて言う。

だが、お前は


「いいです!大丈夫です!有難いですが、お気持ちだけ受け取っておきます。ご飯のお礼なら、もう十分頂いてます!此処に居候させて頂いてるし、明け方は、彩世さんが護衛もして下さったし。もう十分です!」ブンブン黒髪を振りながら、礼を言いつつ必死に断ってくる。人が折角言ってやってんのに。まぁ、半分、冗談だけどな。


「まぁ、嘘だけどな!何、本気にしてんだ?俺が黒頭をわざわざ治療してやる事なんて、あるわけ無いだろう?お前のなんて何で俺様が舐めねぇといけないんだ。頭おかしいだろ?」俺は何故かムキになる。


黒頭はより一層笑みを深めて、嬉しそうにしている。何か気に入らねぇ。


「それで、俺に何か御用ですか?」

「ああ、護衛に来た。今朝方に引き続き、今晩も護衛してやる!有り難く思え!」俺は本来の目的を言う。


「そ、そうでしたか!それは、有難うございます!」「ふぁくしんッッッ」黒頭はくしゃみを出す。

湯冷めしてしまったか、悪い事をした。

彩世は麗に近づき手を伸ばす。俺は無意識に黒頭の首に掛かった、タオルを持ち上げ、黒髪を軽く拭く。段々、俺は男に何してるんだ?と髪を拭く手のスピードが速くなる。


麗は身長の高い、彩世を上目で見

「あっ!有難うございます!俺、髪を乾かしてきますね」

改めて見ると、こいつ凄い小ちゃいな。女みたいだ...

それから、髪を乾かし終わった黒頭に俺は聞く。


「お前、この日空いてるか?」俺はカレンダーの1ヶ月後の土曜日に指を指す。


「この日ですか?空いてますけど...何かあるんですか?」


「お前西園寺の名前に心当たりは?」

「化粧品や医薬品とかで有名な西園寺グループの事ですか?」

「ああ。そうだ。この日は、その西園寺グループ創立50周年記念だ。それで社交ダンスパーティーをホテルで開催することになった。西園寺の社員の者は初級の社交ダンスを踊ることになってる。俺は西園寺の跡取りだからな!当然ダンスを踊らないといけない。」


「それは、大変ですね!お疲れ様です。」

他人事な黒頭。まぁ、俺を西園寺の跡取りとして知ってすり寄ってきてペコペコされても、困るが。

俺は今まで何度もそう言う奴を見てきた。最初は、悪い気はしなかった。俺も高慢だった。

だが、俺に取り入って裏で悪さを働こうとするバカ共や偉ぶる者も出てきた。その事から、俺は周りの者共に嫌気がさし、中々、信用出来なくなってしまった。

まぁ、商売上、人間通しの付き合いは大事だから、下心が分かったとしても、俺の役になる者共とは、付き合っている。


兎に角、俺が西園寺家の跡取りと分かると男女問わず(特に女共が)直ぐに擦り寄って媚びへつらってくる。と言うのに、不思議に黒頭は、媚びてこない。

肩透かしだ。

だが、黒頭の、麗のこの自然な対応は、

正直、楽だし落ち着くし、気を張らずに済む。


「ああ、それでお前に頼みがある。」彩世は真剣に言う。美久達の考えを思うとこいつに頼むのは、悪い気がするが、背に腹はかえられない。

首を傾げる黒頭「?何をですか?」

「お前もその創立記念に参加しろ。」


「いや、俺、ダンス出来ないですし、パーティーのマナーだって知らないです。きっと俺が行ったら失礼になります!」麗は慌てて言う。凄い慌てよう。


「大丈夫。君にはダンス講師が付くし、晴達も教えてやるから。」と突然、黒頭の耳元で声を掛ける晴一。晴が人間の男の部屋に来て干渉するのは、珍しい。

いきなり現れた晴一にビックリし、慄いた黒頭。ぷっ一々反応が面白い奴だ。

そして、

ストロベリーブロンドの晴の隣りには、ニタニタ顔の同じストロベリーブロンドをツインテールにした、美久がいた。


「麗れい、美久達も教えてあげるから、心配ないよ〜!それに此処のメンバーは全員参加なんだよ〜。」


「そうなのか!?わ、分かりました。ダンスもマナーも右も左も分かりませんが、宜しくお願いします!」黒頭は薄紅色の瞳を真剣に、俺達を見回し最敬礼をする。何とか、黒頭はやる気になったようだ。


「安心しろ!栗頭も参加する。それに、お前等には、明日の朝10時から講師を呼んである。俺たちは寝ていて、対応できねーが、

講師には話を通してあるから安心しろ!場所は1階の舞踏室だ。分かったか!黒頭!」俺は黒頭に言う。


「分かりました。ダンスの先生には、何か、もて成さなくていいのですか?」黒頭は焦る。

俺達に料理を振る舞った時も思ったが、律儀な奴だな。

美久と晴と話が付いたのか、それから暫くしたら、満足気な美久が、ブラウンの瞳を細めて

「じゃ〜話は付いたし、美久達帰るね!

彩あや、麗れい。」俺と黒頭を見る。

「行くよ〜晴兄〜」と言って風の如く去って行った。晴一は黒頭から目を逸らしたまま、同じく、去って行った。

黒頭は何か考え込んでいるようだ。

「おい!何考えてる?」俺は黒頭を見やる。

「ハハハッえ〜と上手に踊れるかな?とかです。」麗は咄嗟に別の事を話す。明らかに誤魔化している感じだ。

「怪しいな、何隠してる?」と言うと、俺は赤褐色の髪を黒頭の黒髪に掛かるくらい近づけると、黒頭は何でか、手で防御してくる。

「あ、晴さんがずっと俺の目を見なかったな〜って思ってたんです!」黒頭はぎゅっと目を閉じて言う。

「ああ、そう言う事か。あいつは、男の血を飲んだ事、複雑なんだと思うぞ。晴のポリシーに反するんじゃねー?」俺は思った事をそのまま言う。黒頭は案外気にするタイプだな。しかし、黒頭の護衛をしたがってたから、嫌っては、いない筈だ。寧ろ好意が勝っていそうだから、心配いらないと思う。だけど、つまらない。何でだ。


「そうですか。其れは仕方ないですね。」少し俯き気味になる黒頭。落ち込んでんのか?

仕方がないから、フォローを入れてやるか!

「まぁ、その件は時間が解決するだろう。それより、明日は夕方から、俺様が直々にダンス指導してやるから、首を長くして待つんだな。」ニヤッと笑って黒頭を見る。

「あはは、お手柔らかにお願いします!」黒頭は愛想笑いをするが表情は不安そうだ。本当にダンスが不安なんだな。

ぷっ顔に直ぐ出る奴だな。考えてる事が丸分かりじゃねぇか!面白い。見ていて飽きない。



そして、今夜も、俺は護衛をする。黒頭はぐっすりと寝ている。幸せそうな顔をしていて、呑気な奴だ。

俺は寝顔を思わず、見てしまう。閉じられた瞼は長いまつ毛が縁取っている。そして、今日不覚にも見とれた白い肌、薄っすら色付いた唇、中性的な女みたいな顔立ち。白い首、俺は首筋に触れる。

こんな首、俺様の力だったら一捻りで折れそうな細っこい首。指でなぞっていくと、明け方もなぞった噛み跡に到達する。何だか胸糞悪い。この感覚は一体.…。


微かに晴と加賀の香りが残っている。本当に、こいつはこんな噛み跡を残されて、貧血にまでなったと言うのに無防備過ぎて、逆にこっちが心配になる。

黒頭は、俺達の事を信用している雰囲気だ。あり得ないぐらい、あっさりヴァンパイアを受け入れて、信用しすぎだ。順応力高いのかバカなのか。お人好しにも程があんだろ!

男なのに、2人の上級ヴァンパイア加賀と晴

※(上級ヴァンパイア・・・ヴァンパイアの力階級があり上から、最上級、上級、中級、下級)

のお墨付きになってやがるし、しかも、はぁ、俺は深い溜め息が出る。黒頭からは相変わらず、クラクラする様ないい香りがしてやがる。忍耐力を試されている様だ。


本日もお読み下さり有難うございました。

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