ヒロインの私物盗難事件!?
まだ、前置きです。上坂麗がゲーム上での、ヒロインと美人3人組のヴァンパイア達と仲を深めてる段階です。気長にお待ちください。申し訳ございません!
プラチナ学園の1年B組では本日も見目麗しい美人4人組、美久、智美、さや、ひなプラス私で固まっていた。ここの所、同学年に留まらず、先輩方も、この麗しい4人を一眼見ようと、教室を覗いていたりする。確かに、こんな、女神様や天使の様な人達がいたら見に行きたくなるよね!と思う。
しかし、
それから、しばしば、ひなちゃんの筆箱や辞書が隠されたりする事件が起きる。
当然、ひなちゃん大好きの
私こと上坂麗が、嫌がらせを、する事はない。ひなちゃんには、筆箱と辞書を貸した。
こんな事も有ろうかと2冊辞書を持っていた。ひなちゃんに凄く感謝感激されてしまった。そして美人3人組、美久や智美、さやには、変な疑いをかけられるんだけれども。本来ならゲーム内では私が隠したりしているんだけど...一体誰がそんな事を...とは、言っても、実は、この事件は割とあっさり解決する。ゲーム上での悪役女子は本当にちょい役だ。一瞬でその役目を終える。だけど、ひなちゃんが可哀想だから、早く解決したい。
怪しいのは、4限目の移動教室の時だ。移動教室前の3限目にクラスメイトの藤堂伊万里が体調不良で保健室に行った。もし、体調不良が嘘だとしたら、藤堂さん怪しい。後は、教室に最後まで残っていたメンバーも怪しい。誰が最後まで残ってたんだっけ!?割と私達も移動したのが遅かった。辞書が隠された次は、確か体操着?が隠されてた様な気がする。
今日また、移動教室がある。ならば、張り込みだ!
薄暗い1年B組の教室に、女子生徒が1人佇む。あるロッカーの前に手を伸ばし、お目当ての物を取った瞬間、「何、してるんだ?」麗が声を掛ける。ビクッと肩を揺らす女子生徒。「それは、森口さんの体操着だろ。
藤堂さん」
「私は只落ちたものを拾っただけで...」
「いい逃がれするつもり?俺、藤堂さんが筆箱盗むの見たんだよね。」
「何故、それを...」
「鎌掛けただけだけどねっ!」
「ツッ... ...」悔しそうな、出し抜かれた顔をしていた。
そして、追い討ちをかけるかの様に「今の写真撮ったんだけど」とニヤリと笑んだ。その途端にまたもや、固まる藤堂。
黙って俯く藤堂。「だって森口さんは私の好きな人を奪った。キラキラしてる森口さんが羨ましくて憎くて。私の持ってない物を全部持ってるし、「只の」
「只のやっかみだろ。大体、森口さんが藤堂さんの好きな人奪ったって聞いたことないけど。」
「それは、、、私の好きな財前先輩の心を盗んだから」財前先輩って誰だよ!麗は思う。
「一方的だな。そんな事したって何も解決しないよ。森口さんが略奪したわけでもなし、それって言い掛かりだよな。」
「うっ、でも、森口さんを好きって言ってた。私はずっと、ずっと先輩を好きだったのに。」
「何だよ、それッ。呆れた。恨んだり、妬んだり嫉んだりして意地悪しても、好きな人が手に入る訳がないのに。藤堂さんだって分かるだろ?そんなの、時間の無駄じゃないか!まっ、ひなは、素敵すぎるから、妬んじゃう気持ちは、分からなくもないけどな!」と私は鼻高々に言う。
「大体、上坂君には関係ないことじゃない!」
「いや〜関係ある!ひなは、大事な友達だからな!」麗は薄紅色の瞳を細めて、藤堂を睨む。
「しかし、あんたそれだけの事で森口さんに嫌がらせしたんだな。森口さんに謝れよな。なあ!森口さん」とひなちゃんに入ってきてもらう。
「も、も、森口さん!?移動教室に行ってたんじゃ...」藤堂が、上擦った声を出した。
「ひなはどうしたい?先生に報告するか?弁償してもらうか?」
ひなちゃんは何故か頬を染めながら、
「もう2度とこんな事しないって誓うんだったら許すよ!」と心が広すぎる神対応をした。藤堂さんはしぶしぶ、謝罪をし、そして、この件に関して、さらっと終わった。しっかり、ICレコーダーにも一部始終録音しておいた。
ツインテールを揺らしながら美久、赤褐色の髪を弄りつつ智美、サラサラのシルバーブロンドを耳に掛け、さやはその顛末を知り「藤堂たんか!?しかし、美久勘違いしてたわ。テヘッ」と美久。チラッと3人が私を見る。「えっ!?何だよ?」「いや、別に、問題ない。」と智美。もしかして私を疑っていた!?まぁ、辞書2冊持ってたり、男装してる女子で得体の知れないものだと思うけど...目に見えて落ち込んでると、さやはくすりと笑い「でも、上坂様、見直しましたわ。大活躍でしたわね!」
「本当に!麗くん、有難う!何か途中で、褒められて恥ずかしかったけど嬉しかったよ!」とひなちゃんは顔を赤らめていた。もしかして、惚れられてしまった?冗談です。そんな訳はないです。ごめんなさい。と心の中で独り言ちた。
少しはこの美人3人組に信用されただろうか?そしてまた、今日も帰宅後、誰もいない公園でナイフ投げの練習をする。ゲーム上での上坂麗は嫌がらせをしていた。何回か嫌がらせをした後、上坂麗はお役御免!吸血鬼に襲われて、血を吸い尽くされ、死亡してしまう。私が、ヴァンパイアに襲われるのも、近いかもしれない!
ゾワリ
背筋に悪寒が走る。前世では、他人事だったけど、今は自分事だ。その事について考えたくなかったけど、生きるか、死ぬか、私は生き延びてみせたい!ニンニクとナイフで!よ〜し鍛錬だ!でも、
私だって立派な女の子だ。今日は事件解決したし、ナイフ投げの特訓も頑張った!だから、偶には、女の子に戻りたい。今日は家の中で女の子らしいフリフリワンピース着ちゃうぞ!そして、忘れかけてた、女子の気持ちを取り戻すぞー!