早乙女晴一 視点②
何時もお読み下さり有難うございます!
似たようなタイトルの小説を発見してしまいましたので、タイトルを変えようと思います!「ヴァンパイア系乙女ゲームの悪役女子として転生!?」から
「悪役女子に転生したのに、ヴァンパイア達に愛されてしまいました!」に変えようと思います!
そして、程なくして、麗が僕達に料理を振る舞う。
チンゲン菜、キノコとベーコンの卵炒め。
メインはハンバーグ。
汁物はミネストローネそして、デザートはパンナコッタだ。
「...まぁ、見た目は悪く無いんじゃない?味は分からないけど」とストロベリーブロンドにエメラルドの瞳を疑い深げに、僕は言う。
「晴〜兄、な〜〜んか麗れいに厳しくない!?美久の友達だから、優しくだよ!」
美久は兄である僕を叱る。
「是非!どうぞ!此処に居候させて頂いてる感謝の気持ちです。」薄紅色の瞳を細めてニッコリ笑う。
「美味しいよ〜麗れい!天才!」美久を始め、女子グループは大絶賛だった。
確かに、不本意だけど、本当に美味しい。
何だか上坂麗を素直に褒めたくない。
「まぁ、美味しいんじゃない?何だか期待を裏切られた感じ... ...」少し顔が熱くなりながら、僕が言う。
「晴さん。その裏切りは何ですか?」麗は薄紅色の瞳を真剣な表情で僕を見つめる。
そんな目で見られるとついつい意地悪言いたくなる。
「料理を失敗して、悲惨な物が出来る期待かな?」僕は意地悪い笑みを浮かべる。
「晴兄〜もぅ!麗れいと仲良くなったからって、親しき中にも礼儀ありだよ〜」晴一と同じストロベリーブロンドにツインテールを揺らしながら、晴一を叱る。
「なっ別に仲良くなってなんか...」本当に、別に仲良くしていない。僕は顔を赤くして、エメラルドの瞳を怒った風に顰める。
ヴァンピールアクセを上げたけど、あれは僕のご飯を守る為だ。他言はない!
まぁ麗とは話しやすいし、男にしては、
血が美味しい。それは、確かだ。
「素直になりなよ〜晴兄」美久は珍しく、晴一を揶揄いニヤニヤする。
意味有り気にニヤつく美久。何なんだよ!本当に!今日はやけに絡んでくる。
「その辺にしては、どうか?晴一が困っておるぞ。美久。」智美の言う通りだ。
「えぇ〜そうかな〜?」美久はニマニマしながら、まだ僕を見ている。一体何を言いたいんだ?
「私、凄く疑問で、今更な質問なんですけど...」椅子に座っていた栗色の髪に薄水色の瞳の「女神の血」の持ち主、森口ひなが居住まいを正し正座を椅子の上でする。
「私と麗君って血を吸われたじゃないですか。私達も、ヴァンパイアになったりしないんですか?」
森口ひなは皆んなの事を薄水色の瞳で真剣に見つめる。
その森口ひなの問いに上坂麗はああ!と今納得したと言う表情で頷く。
間抜けな上坂麗の事だ、その疑問には今初めて気づいたんだろう。思わず、僕は上坂に笑ってしまう。本当に危機感のない、詐欺とかに騙されるタイプだ。
彩世と晃生がヴァンパイアにならない事を説明した。
「だから、要するにヴァンパイアになるのは、簡単にはいかねーんだ。分かったか?栗頭。」彩世は金色の瞳を笑わせながら、言う。
薄水色の瞳をパチクリさせ、森口ひなは「はい!分かりました!私も麗君もヴァンパイアにならないんですね!」ほっとした顔を森口ひなはする。
上坂麗はそんな森口ひなに薄紅色の瞳で微笑み掛けていた。
何だか、上坂麗はまるで対岸の火事の様だ。
上坂麗だって渦中の人物なのに他人事の様なそんな顔をしている。気が付けば、
上坂麗を目で追っていた。
我に返り晴一はエメラルドの瞳を上坂麗に睨みつる。イライラする。何で僕は昨日から
上坂麗ばかり気になるのか?
気を取り直して、僕は問う。
「他には聞きたい事ない?」
エメラルドの瞳で森口ひなと上坂麗を見る晴一。
「あの、俺、人間には無いヴァンパイアの能力を見てみたいです!」薄紅色の瞳をキラキラさせながら前のめりに言う麗。
「はぁ?黒頭、何を急に言い出すんだ?」
彩世が金色の目を訝しげに麗に向ける。
本当に唐突だ。僕はエメラルドの瞳を上坂麗に向ける。
上坂麗は薄紅色の瞳をキラキラさせて瞳孔が開いていた。不思議だ。上坂麗は。僕が想像しなかった事を言うし、反応する。
「いや、全然!怖くないです。自分には無い物なので、寧ろ憧れます!迷惑で、無ければ見てみたいです!」麗はさらに前のめりになって、薄紅色の瞳をキラキラと興奮させて言う。
僕はエメラルドの瞳の目を見開いて驚いた顔をしてしまった。普通、人間達は未知の力に恐れて慄くのだとばかり思っていた。
なのに、上坂麗は恐れどころか、凄く積極的に、僕達の能力を知りたがっている。
上坂麗は本当に不思議だ。
食事を終わらせて手早く後片付けをし、一階の広い舞踏室に移動した。
上坂麗と森口ひなの前で
僕達が普段から何気なく使っているヴァンパイアの動きを見せた。
「おぉ!凄い!」麗は驚きと感動で薄紅色の瞳を興奮させて言う。僕の素早い動きを見せても、動じず、それどころか前のめり気味に感動している表情の上坂麗。
「ねぇ、君は本当に怖くないんだね?」僕は再確認する為に麗の耳元にストロベリーブロンドの髪を近づけ話し掛ける。
「全然!かっこいいし感動しかないよ!俺もあんな一瞬で動いてみたいもん!」薄紅色の瞳を細めて思いっきり笑顔になる。
落ちてしまう。僕は安堵と同時にその笑顔に見惚れてしまった。
上坂麗は中性的な顔立ちに小柄な体、一瞬、女と間違いそうになる男。危なっかしいし、目が離せない。
よく、うすのろな顔をするけどそれも、笑える。それに、不思議に僕達を怖がらない。
もしも
上坂麗が、女だったらと考えてしまう... ...
僕はこの気持ちに気付かないふりをして、蓋をする事に決めた。
そして程なくして、僕達は解散した。
その後、
僕は聴力がいい、聴力がいいが故にこの家の物音や話し声が聞こえる。
あの伊集院由希翔が珍しくペラペラと話している。
その相手は上坂麗。あの人嫌いの由希翔が話してるのは珍しいが、気に入らない。
何だか打ち解けてるし!
上坂麗には、僕以外近づいてほしくない気持ちが出てくる。
だけど、同時に上坂麗は男だ!何を考えてるんだ。僕は!葛藤する。
この日を境に僕の難儀が始まろうとしていた。
本日もお読み下さり有難うございました!(๑>◡<๑)




