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伊集院由希翔 視点②

何時もお読み下さり有難うございますm(>◇<)m



上坂麗(こうさかれい)はそれから何やら慌てて、薄紅色の瞳を細めて犬になった僕に微笑みかけ、

バイバイと手を振って去って行った。

僕も仕事部屋の図書室に向かう。


何時間か経った、僕は翻訳の仕事に集中して

ひと段落した頃、

また甘い血液のいい香りがしてくる。

さっきも香ったずっと嗅いでいたい様なそんな香り。

黒髪に薄紅色の瞳の上坂麗の匂いだ。


「わぁ凄い」上坂麗が声を出す。


僕は、上坂麗だと分かりつつ、人の姿で、

話してみたくて「誰?」と訪ねる。瞬間移動して、

上坂麗の所まで飛ぶ。


シルバーに輝く長い髪に朽葉色(くちばいろ)の瞳の

伊集院由希翔いじゅういんゆきとが麗の目の前に姿を現す。

麗の薄紅色の瞳と由希翔の朽葉色(くちばいろ)の瞳が合う。




僕は、上坂麗の意志の強そうな瞳、薄紅色の瞳に見入ってしまう。



白い首筋には頚動脈の音がする。僕はその首筋に牙を立てたい衝動を抑える。


上坂麗の緩やかな心臓の鼓動に落ち着く。


僕を捕縛した者達とも、仕事上でやり取りのある女性のコーディネーター達の異常に速い心音とも違う。(下心のある様な心音だった。なので、ほぼ電話かメールでのやり取りに変えてもらった。)


上坂麗の心音は安心する音だ。


「あっ!俺、同居させてもらってるお礼に

今日皆さんに料理を振舞ったんです。だけど由希翔さんお忙しいみたいなんで、おにぎり作って持ってきました。」上坂麗はそう言って笑顔でおにぎりの入った紙袋を差し出す。


僕はその笑顔に見惚れて(みとれて)しまった。一瞬、上坂麗が男だと言う事を忘れそうになる。


僕の為にわざわざ、おにぎりまで作ってきてくれたとは、普通にいい人間だ。


「ありがとう。だけど、図書室では静かにしてね。」

違う。僕はこんな注意したい訳じゃ無いのに...普段、仕事仲間の女性に冷たく話してしまう癖で、つい口が勝手に開いてしまう。

上手く話せない。


「ここは僕の憩いの場だから。」人差し指を口元に当て、シーと身振りをしてしまう。

折角、おにぎりを持って来てくれたのに。


なのに、上坂麗は、

「ごめんなさい!マナー違反でした!気を付けます。」と自分が当然悪いんだと言う風に謝る。そして、そんな事は気にも留めず話し掛けてくる。


「由希翔さんはずっと此方に?」麗は首を傾げる。

「うん。此処が僕の仕事場。」

「何されてるんですか?」

「本の翻訳。」

「そうでしたか!お仕事邪魔しました。それでは、失礼します。」


凄く、あっさりとした会話だ。何だか物足りない。

心音も淡白な音だ。さっきの僕が犬になっていた時とは違う音。何故かな?さっきの音が恋しい。

僕を求めて、甘える様な鼓動が。

これで帰ってしまうのかと僕は残念な気持ちになってしまった。すると帰ろうとする上坂麗がピタリと止まり、僕の方へ振り向く。

「あの!お、俺も静かな所好きで、落ち着くし、本も読みたいので、

由希翔さんの憩いの場ですが、偶に来ていいでしょうか?」上坂麗は薄紅色の瞳を僕の朽葉色の瞳に向ける。


君ともっと一緒に居たいと思う考えが伝わった?僕は瞳が揺らぐ。そんな筈ないか。静かな所を好むのは、僕と一緒だ。親近感が湧く。

「いいよ。個人の自由だから。好きな時に来て、利用して。...君も静かな所好きなんだね...。」

「はい!」無邪気な満面の笑みで、

綺麗な薄紅色の瞳を僕に向けてくる上坂麗。

その笑顔に僕も釣られて朽葉色の瞳が細まる。


こんな感情初めてだ。

たった2日しか経ってないのに。


もっと上坂麗を知りたい。


いつか、犬に変身した時の僕と同じくらい、人の僕にも打ち解けてくれるかな?

本日も最後までお読み下さり有難うございました。(>人<;)

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