【 第二話 】 「 天界での記憶 」
~ あてんしょん ~
*誹謗中傷的なコメントはお控えください。
*第一話も見ていただけると幸いです。
【 第二話 「 天界での記憶 」 】
僕はカイ!お母様の天使ウリエル様の子供(?)!
天界に誕生してから五年...特にこの年は重大なのだ!
僕たち天界にいる天使や悪魔たちは、それぞれペアを組んで修行に行くのだ!
今年はその大事なペア選びの時期なのだ!!
「かいーーー!!!」
「?」
後ろを振り向いた瞬間頭が割れそうなくらいの頭痛が走った。
「い"...」
「い"っててて...」
「もー、空飛びながら、人に飛び込んじゃダメって言ったでしょ!」
「イヒヒ~w、悪魔はゆうことなんか聞きませ~ん♡」
この悪魔は、リエ!
僕はいつも叱ってるんだけど、全然いうこと聞いてくれない...
「このガキ~!!こちょこちょしてやるぅ~~」
「ちょwやめwwwてwww」
「おらおらぁwwww」
リエは少し僕より年上だけど、子供みたい。
でも、僕は、いつも話してくれるリエが好きなんだ~
「可愛い顔しやがって~、ほっぺぷにぷに攻撃だぁ~」
「むむむむ~やめほ~~」
|(リエは僕と少し年が違う、けど、リエぐらいの年の子はみんな、修行にいってる。
なんでだろ?まいっか。)
僕はこの時、気になど止めていなかった。
「ふあぁ...ペアどうしよう...」
「きゃぁぁぁ!!」
甲高い悲鳴が天界の門から聞こえた。
「なんだ???」
僕の目の前に移ったのは...ライオン?ウマ?違う...何とも言えない動物が門を突き破ってきた。
そのまま走って僕のほうにやってくる。
|(やばい。あれはやばいやつだ。)
僕が見たのは、たぶん神獣。どうしてかわからないけど、きっと力のある人間が、
神獣を興奮させたのだろう。
「...」
僕は目の前の神獣を見ることしかできなかった。
逃げたほうが良かったんだけど、足が動かない。
神獣が僕に攻撃しようとしたとき、
「カイ!」
ものすごい勢いで、飛んできたリエが僕をぎりぎりで救ってくれた。
「リエ!!」
「けがはない?大丈夫?」
「うん!ありがとう!」
「よかった...」
リエは、僕をお母様のいるところの近くで降ろすと、
「カイはここにいるんだよ?ここが安全だからね!」
そう、笑顔で言うリエが少し、不安に感じて、
「リエはどうするの...?」
と聞いた。するとリエは、
「...大丈夫。カイならちゃんと修行に行けるからね。達成して、神様のお役に立つんだよ。」
そういうと、僕を一瞬抱きしめて、離れていくリエ。
|(ここで別れたら二度と会えない気がする...!!)
そう思った僕はとっさに、
「リエ、行かないで!!!」
と叫ぶと、リエは振り返って、
「...じゃあね」
良く見えなかったけど、悲しそうな笑顔をしていたのは見て分かった。
「っ...!」
|(う、動かない!!)
追いかけたいけど、リエの力で体が動かない。たぶん僕を抱きしめたときに、術をかけた。
「...」
僕は、見ていることしかできなかった。彼女が帰るのをしんじて。
神獣が帰ったとの報告を受けた。すると
お母様が、少しの間僕の様子を見に来て、話してくれた。
「...リエは、修行をするペアがいないのです。」
「え?!」
衝撃の事実だった。行かなかっただけかと思ってたから。
「修行をしなかった、悪魔や天使は、駒として扱われます。」
「駒って...?」
「今回のことで言えば、神獣を食い止めるための、盾のようなものなのです。」
「って、ことは...見殺しじゃないですか!!」
「悪く言ってしまえば...そうですね。」
「そんな...ひどい!!神様は、僕たちのことを何だと思ってるんですか!!!」
「カイ...神様は何も悪くはありません。仕方がないのです。これは天界の掟なのです...」
「ひどい!!!ひどい...ひどいよぉ...」
僕はただひたすらお母様の胸で泣くことしかできなかった。
リエは、もう戻ってこないことを確信した今、さらに涙が出る。
僕はこの先どうしたらいいのだろう。
(もうわからないよ...リエ...)
あれから数日が経つ僕は、天界の草むらでぼーっと空を見上げていた。
「はぁ...」
|(溜息しか出ない...ん?なんか音が...?)
ドドドドという音とともに声が聞こえた。
「...ょおけてぇぇぇえええ!!!」
「うわぁぁ?!」
ドン、という音が鳴りそうなぐらい、盛大にぶつかった。
「いてて...」
「あぅ~...いったた~...」
「だ、大丈夫?」
見上げると、同い年ぐらいの悪魔がいた。
「だいじょーぶ!!めっちゃ走り回ったらとまれなくなっちゃって!」
彼女ははにかむような笑顔でそう言った。
「走り回っちゃあ危ないでしょ!!」
「イヒヒ~、悪魔はゆうことなんか聞きませ~ん♡」
「あ...」
僕は、その言葉を聞いた瞬間リエが頭をよぎった。
(リエだ...)
「リエ?」
「...リエ...?...って誰?」
僕は、はっとしてとっさに、
「あ、いや...」
「どうしたの?なんかあった?」
僕は、心のよりどころがなかったからなのか、つい今まであったことをしゃべってしまった。
すると彼女は、
「そっか...」
とだけいい、僕を抱きしめてくれた。
「っ...」
泣きそうなのをこらえて、僕は聞いた。
「...君の名前は?」
「私?私の名前は だよ!悪魔アルシエルお母様の子なんだぁ」
「ん?よく名前が...」
「だから私の名前は、」ピピピッ
電子音が邪魔をする。まぁ、いいか。
「僕の名前はカイ、よろしくね。」
「カイね!!よろしく!あ、せっかくだから、私と修行のペア組まない?」
笑って右手を僕に差し出す。
「いきなりだね...いいけど。僕決まってなかったし。」
僕はその手をつかんで、立ち上がった。
「じゃあ記念に、向こうまで競争だー!!」
「えぇ?!なんでそうなるのー?!」
彼女は、走って立ち止まったかと思うと、振り向いて、
「カイーーーー!!!はやくきなよー!!」
と叫んだ。その声と同時に、電子音が後ろから聞こえた。
なんだろうと思って後ろを振り返ると、
...目が覚めた。
「...?」
なんか、昔の夢を見ていた気がする。
目が覚めていくのと同時に、夢の内容が思い出せなくなった。
|(なーんか、女の子がいたような...)
「...とゆうか、寝坊じゃん!!」
俺は足早に用意をして、家を出た。
すると道路に、夢で見た彼女に似た女の子が、
俺の名前を呼んで、手を振っていた。
「カイーーー!!早くいかないと遅刻するよー!」
「...おう!急ぐぞー、カナ!!」
「了解!学校まで競争ねー!」
【 第二話 「 天界での記憶 」】 END
作者コメ カイ君...辛かったですねぇ...好きな人が死んだらもうそりゃぁ...
ショック以外言えないですよね。わたし、書きながら涙出そうになりましたw(*´∀`*)
次話は、1月11日月曜予定です!
それでは(^^)/~~~