ドMと硝酸
「ちょ、アイリ、お前・・・ドM?」
衝撃の事実。アイリはドMでした。この事実に、さすがのギャンブラや部下も動揺、驚愕、フリーズしている。
「ドM、何それ?」
本人の自覚なし!一番危険!
「あー・・ゲフンゲフン。その、何だ・・ えーい死ね!」
3連魔法弾。これはまずい!
「アイリ!危ないから!よけて!」
「いやよ!どいて!」
なんちゅうパワーだよ!魔法弾はアイリに直撃。
「ハア、ハア、・・・おかわり!」
もうダメだ、おしまいだ!
いや、そんなことないか。
「アイリ、とりあえずサラマンダー憑依させて!」
「しょうがないわね・・・憑依、炎精霊<サラマンダー>」
「よし、じゃあ、俺の左腕を蒸発させろ!」
「どんなご褒美、じゃなくて拷問よ!」
「いいから、早く!」
「も~!」
左腕は蒸発。次はこうだ。
「水溶液変化、HNO3!」
硝酸だ!変化した直後、体から煙が出る。硝酸は湿気の多い空気に触れると発煙するんだ!ここテストにでるよ!
「アイリ、逃げるよ!」
「いやー!はなして!」
ナナホンギの冒険者達も逃げる。戦略的撤退だ。
「ちょっとヨウスイ!背中が熱い!」
ああ、お姫様抱っこがよろしゅうなかったか。・・・ん?熱い?
「うおお、すまん!」
「別に、続けてくれてもよかったのよ?」
これだからドMはよお!しかも微妙にツンデレ入れんな!
しかし、いいヒントを得た。濃硝酸は、衣服につくと発熱、発火する。
「なあ、ヨウスイさん。どう倒す?」
街の冒険者が尋ねてきた。この場合なら・・・
昔「三国志」で見たあの作戦!
「空城の計です!」
さあ、楽しい楽しい反撃の時間だ!