おまえが溶質、俺が溶媒
第4話
お姉さんの合図で同時に走りだした俺たち。しかし、やはり経験の差だろうか、アイリの方が速い。対する俺は、向こうでも陰キャを貫き通してがっつり理系。能力差があってもなんら不思議は無い。
しかし、俺は策を練っていた。まず、体を塩水にする!
(塩水、変われ!)
確認のため、なめる。うん変化なし!なんで!
焦った俺にアイリは容赦なくつっこんで来る。
「いくわよ!憑依、風精霊<シルフ>!」
叫ぶと同時、両手剣の刀身に風が渦巻く。
「いやあああ!」
逃げる。俺は心の中で
(塩水!しーおーみーず!)
と叫ぶも意味は無い。
(分かる?!NaClとH2O!)
そう考えた瞬間、変な感覚。なめると
「しょっぱ!」
成功したらしい。これを、
「どりゃっ」
「!目があああ!」
よし、目潰し作戦成功!次は
(NH3とH2O)
コレでくっさいアンモニア水の完成だ。腕を切って思いっきりあいつの足下へ。
「くさっ、何これ臭い!」
「どりゃああ!」
「1本、そこまで!」
俺の作戦勝ち。奴は動きを封じられて悔しそう。
「負けは負けよ。仲間になるわ。・・・はあ、1レベに負ける上級者って・・・」
「別にいいんじゃねーの?まあでも、俺は仲間がそういう事言うのいやだから、容赦なくネガティブ精神は溶かしていくぞ。おまえのそれは溶質だ。おれが溶媒になって、飽和するまで溶かしてやる。」
こうして、俺とアイリは仲間になったのだ。