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6話 ミカサ発進!ですね


北の大陸に向けての移動手段として、ミカさんから戦艦ミカサを提供して貰い、出発の準備が整った。

北の大陸に同行するジスと剣聖シズカさん、並びにミカサの乗組員400名の乗船が始まっていた。


「ジス、ちょっといい?」


「はい。ミカエル様何でしょうか?」


「エイルの事なんだけど……アイツ寝相悪いから、すぐベッドから落ちるの、あとお腹冷やさない様に時々布団かけてあげてね。それと、朝は寝ぐせを直す事。食事は、ニンジン食べれないから、なるべく入れないであげてね。それと……」


「ミカエル様。アイツは何歳児ですかね?」


「……さぁ?」






ジスの中で俺への評価が急降下している頃、俺は戦艦ミカサの甲板にいた。


「おおおっ!すっげーな!大砲デカい!甲板広い!ドッヂボール出来るな!しないけど!」



「ご主人様!眺め最高っスー!」


見ると、マリンはブリッジの上の監視塔から手を振っていた。いつの間に!ちょっと羨ましいぞ!


「マリンさん!勝手にそんな所に居たら怒られますよぅ〜!」


先日も宝物庫侵入で怒られたばかりだ。多分その事は既に忘れているのがマリンだ。


「ちょっと、いいかしら?」


「あっミカさん」


「エイル……無事に帰って来てね。アルテミス城の探索は1週間よ。見つからない場合も必ず1度帰還する事。それと……ジスの言うこと聞いてね」


「あぁ、分かったよ。任せろ!」




「戦艦ミカサ、発進!第1船速、ようそろ!」

「よーそろー!」

「よう!そーろーっス!」


「あんた達、黙ってなさい!」

ジスに早速怒られました。



戦艦ミカサは地下にあるドックから着水して、巨大な洞窟を通り、大陸西の海上へと出た。


「浮上開始!」



おお!船体が少し揺れ、海上から離れ浮き始めた。

こんな巨大な戦艦が飛ぶとはやはり凄い。ファンタジーって感じだ。


「面舵いっぱい!目標、北の大陸!各員、交代で休め」




「エイル。船室に案内するから、付いて来なさい」


「えっ、ありがとう」




ジスに案内された船室はミカさん専用に造られた艦長室だった。他の船室に比べて、かなり広い。

船内とは思えない造りと、巨大なベッドがあり、船旅も快適に過ごせそうだ。

見るとジスが、自分の荷物を異様に大きな鞄から出していた。


「あれ?ジスもこの部屋に泊まるの?」


「ふん!そうよ。ミカエル様から頼まれたので仕方なく面倒を見てあげるわ」


化粧棚にミカさんの写真を並べながらジスは更にミカさんグッズを出していた。


「ミカさん好きだねジスは」


「当たり前よ!毎日、ミカエル様にお祈りは欠かさないわ!」


ミカさんはこの世界の神ですか?


ジスはミカさんの抱き枕等、とにかくミカさん愛が強いのか、狂気的な信者である事は理解した。


「あっ!ライトニングを忘れて来た!」


しまった。今更、ライトニング忘れたから引き返せとは言えない。大丈夫かなライトニング……

ラム太郎に虐められたりしないかな。



とりあえずする事がさっぱり無い。


「なぁ、ジス。北の大陸にはいつ着くの?」


「正確な北の大陸の距離は分からないから、予定の範囲だけど、明日には着くんじゃないかしら」


「結構、適当な旅だな。それより暇だから何かない?」


「人生ゲームなら持って来たわ。土下座するなら相手するわよ」


土下座から始まる人生って嫌だな。でも、異世界人生ゲームは少し興味あるかも……

どうせミカさんが作ったのだろうが。


コンコン


「シズカです。よろしいでしょうか?」


「いいわ、入りなさい」


メイド姿のシズカさんが、恐る恐る入って来た。


「用は何かしら?ジスは忙しいから用件を言いなさい」


いや、忙しくないだろ。今、人生ゲームやろうとしてたよね?それより艦長代理が、こんな所でサボっていてよいのだろうか?○ライトさんは、もっとピリピリしてたよ!


「えーと、その、実ゎエイルさんに用がありまして……」


モジモジしながらこちらをチラリと見るシズカさんは、可愛いな!


「な、何でしょうか?」


「あの……是非!剣術の稽古をつけて下さい!エイルさんはツバキ様のお弟子さんですよね?その修行法など勉強させて頂きたいのですが……」


あぁ……そうですよね。別に変な事を期待した訳ではないけど、稽古ねぇ……

思い返しても、椿(つばき)ちゃんの世話してただけの様な気もしないでもないのだけれど、シズカさんも剣聖だからな。メリットはありそうだ。


「エイル。私からもお願いしてやるわ。シズカは魔王軍の剣術指南役でもあるの。つまりこれはミカエル様の為でもあるから、サッサと役にたちなさい!」


なんか後半、雑になったな!


「別に良いけど……場所ある?」


「甲板なら広いから大丈夫よ」


「了解。じゃあシズカさん、一応見られても良い下着に着替えて来てくれる?」


「「は?」」





俺とシズカさんは上半身裸で、乾布摩擦を始めた。

一応下着は付けてるから大丈夫だ。

シズカさんはサラシを巻いて来た。なるほど、その手があったか!今度、サラシに変えようかな。


飛行中の戦艦の甲板ではあるが、低速で飛行中の為、それほど風は強くない。

ただ、至る所から水兵さん達の視線を感じる。

暇人か?


「え、エイルさん……これは何の修行なんでしょうか?羞恥心を無くす為でしょうか?と、殿方の視線が……」


顔を赤く染めながら、シズカさんは乾布摩擦をしているが、恥ずかしいのか、動きがぎこちない。

これくらいで恥ずかしがっていてはダメだよ!


「気にしない。気にしない」


「うぅ……」



乾布摩擦も終わり、次のメニューは天突き体操だ。

しゃがんでバンザイを左右にする、スクワットみたいなものだが、これが結構キツい。


「わっしょい!わっしょい!」


「わ、わっしょい……わっしょい」


まだシズカさんは照れがあるみたいだ。動きも小さくて、これでは意味が無い。


「シズカさん!もっと大きく!バンザイ!」


「うぇぇ……」


確かに俺には揺れる程の乳はないから気にしないけど、見るとシズカさんは立派な物を持っているみたいだ。

さりげなく甲板には水兵さん達が増えて来た気もする。


「ご主人様!何してるっスー?うちも一緒にやるっスよー!」

マリンが現れ、メイド服を脱ぎ捨て、貝殻下着?になり、混ざって来た。

天突き体操の上下運動で、マリンの凶悪な胸が揺れる。

まるで別の生き物の様な揺れ方に水兵さん達の視線は釘付けだ。


「ティファもやるっスよー!」


「マリンさん。いくらなんでも恥ずかしいですよぅ」


ティファはさすがに混ざらず、見ているだけのようだ。

まぁ、ティファの下着はヤバいからな……



「水兵長!この天国の様な光景を記録したいのであります!」


「うむ!撮影を許可する!」



その時撮影された映像を見たミカさんにこっぴどく叱られたのはまた別の話だ。


「さてと、大体こんなもんですよ、後は模擬戦みたいな感じで意識失うまでやってましたよ」


「い、意識失うまで?……の、望む所よ!やります!」



「一応、真剣だと危ないので、これ使いましょう」


空間収納から刃引きした刀を出してシズカさんに渡した。刃引きされているが、結構痛いのだが。


剣聖シズカの模擬戦とあってか、水兵さん達も先程より、集まって来た。みんな仕事しないで大丈夫か?


「これは楽しみね。シズカ!ぶっ殺しなさい!負けたら、ぶっ殺すわよ!」


「は、はい!」


いつの間にかギャラリーに紛れてたジスが物騒な煽り方をする。


「では始めっス!」


何故かマリンの号令で模擬戦開始。

てゆうか早く服着ろ。水兵さんの注目が殆どマリンだ。

服着て黙ってれば美人なんだが……


「やっ!」


何のタメもなく、シズカさんの速攻から始まる。

初太刀は逆袈裟。やや左下からだ。少し後ろに飛び躱す。

シズカさんはそのまま回転し、今度は真一文字に横薙ぎで狙って来る。


「よっ!」


体をかがみ躱すと間髪入れずに唐竹割りに上から斬りおろして来た。縮地で右に飛んで躱した。

シズカさんの剣は流れる水の様だ。ウメちゃんの豪剣とも違くて、しなやかさがある。


「綺麗な剣ですね」


「えっ!そんな……綺麗だなんて、ポッ♡」


「剣術の話ですよ……」


「わ、分かってますよ!次行きますっ!秘剣、木枯らし!」


秘剣木枯らし獲得。


シズカさんの必殺技みたいだ。突進からの連続突きが、切れ味鋭い風みたいに迫る。

切っ先が伸びて来る様な感覚だ。風が通り過ぎて行くみたいな高速の連続突きだな。


折角なので、俺も秘剣ナントカを使ってみる事にした。

俺、そう言う技ってあまり持って無いから少し憧れるのだ。


「秘剣木枯らし返し!」


シズカさんの秘剣木枯らしと全く同じ軌道と速さで、秘剣木枯らしをぶつける。


キキキキキン


金属の連続した衝突する音が続く。


「ち、ちょっと同じ技?」


秘剣木枯らしを秘剣木枯らしで返されたシズカさんが、後ろに飛び、間合いをとった。明らかに動揺した表情だ。


「エイルさん!何で秘剣木枯らし使えるの?この剣は我が家に伝わる門外不出の秘剣なんですけど!」


「えーっと、見て覚えちゃいました。一度見ると覚えられるんですよ私」


エッヘン!と無い胸を張る。


「ず、ずるい……」


「ご主人様はズルいっス!」


場がシラケたので模擬戦はお開きとなった。

その時、戦艦ミカサはちょうど、大陸の北端にあるノアさんの家の上空付近だった。

いよいよ大陸を抜ける。この先は未知の世界が待っている。未開の地、北の大陸へと俺達は向かうのだった。








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