番外編 異世界節分②
節分過ぎてしまいました(´ω`;)
あっ、豆食べてないや。
ミカさん離脱による、指揮系統の混乱で、赤組は劣勢を強いられていた。
期待していたサクヤもいつの間にか離脱していて、実質の最高幹部は邪竜バースさんだ。絶望的に期待出来そうにない。
「ジス!ちょっと来て!」
「エイルの癖に私を犬扱いするなんて、出世したわね」
ただ呼んだだけなんだが、犬扱いはしていない。
でも、忠犬ジスだね。
「えーと、ミカさん離脱で赤組はガタガタだ。なので、もう勝負に出るしかない」
「それで?何か策でもあるの?エイルの頭で出来る策ならゴブリンでも出来るわ」
ゴブリンの評価高いな!いや、俺の評価が低いのか。
別にいいけど。
「俺と銀の翼で囮になるから、メイドさん達はバースさんに乗って空から爆撃と敵陣に降下ってどうかな?」
「…………エイルの策なのが癪だけど仕方ないわね。分かったわ」
「じゃあバースさん竜化してメイドさん達をお願いします!」
「分かったなの!」
邪竜バースが巨大な竜の姿になり、親衛隊のジス、シュリ、エレン、シャルル、剣聖シズカ5名が背中に乗る。
「私、高い所苦手なんだけど!」
剣聖シズカが情けない事を言い始めるがスルーされた。
では、行きますか!
「リオ!前線に行くよ!あまり雪食べると腹壊すよ」
「う、分かったなのです」
前線ではセリスとマリンが獅子奮迅の戦いを繰り広げていた。まぁただの雪合戦なのだが。
白組の肉のない肉壁、骸骨兵さん達はセリスとマリンによって全滅。
今はオーガ兵達と戦闘中だ。
オーガの投げる雪玉は大体、スイカ位の、いや、サッカーボール位の大きさだ。どっちも同じ位だったね。
オーガの雪玉をマリンがシールドで防ぎ、セリスが狙撃するパターンだ。
「クソ!雪玉を作るのが、いちいちめんどくさいな!」
「仕方ないっス!セリスが作ってる間、シールドで守ってあげてるのを感謝しろっス!あっ、でもセリスは体が薄いから攻撃当たらないはずっス!」
「なんだと!それは胸が無いからとでも言う事か?ならマリンは、無駄な肉のせいで蜂の巣だな!」
バチバチと火花を散らし、いつもの2人の喧嘩が始まるが、放っておく。
前線にはオーガより厄介な存在がいた。
四天王のベリアルとシピンだ。2人が争う様に前線で赤組の女の子達を容赦なく、雪玉をぶつけて泣かしているのだ。酷い大人だ。
「むっ!エイル殿か!相手にとって不足無し!行くぞシピン!」
「おうよ!我が友ベリアルよ!」
やっぱり仲良しなんだね。
ベリアルとシピンが縦一列になり、突進して来る。
前にいるベリアルが俺に向かって雪玉を投げて来るのを、躱す。すると後ろに隠れたシピンがベリアルを飛び越え向かって来る。
まぁ、あれだよねジェットストリームアタックだよね。
しかもバレバレの。
体格差があって、後ろのシピンが丸見えでした。
多分、シピンが飛ぶと思ったので、俺は後ろに飛んだ。
「今だ!リオ!」
「ラジャーなのです!」
リオがシピンに雪玉の嵐をギミックスーツによる身体強化で投げつける。
俺は神速と思考加速で雪玉を大量生産する。
「ほいっほいっほいっほいっほいっほいっ」
「だっだっだっだっだっだっだっだっ」
2人の息はピッタリの様で、連続投げが実現した。
ベリアルとシピンは仲良く雪像となった。
「ベリアル様、シピン様アウトー!」
邪魔な四天王を排除したエイルとリオのチビッ子コンビネーションは白組の砲台を翻弄する。
エイルの神速とリオの超加速が、照準を定める事が出来ない。
「撃て撃て!あのちょこまか走ってるガキ2人を何とかしろ!」
ドワルデス将軍が、エイルとリオに集中している頃、上空から雪玉の空爆が始まった。
邪竜バースの背中に大量の雪玉を載せた親衛隊は、白組本陣に大きな雪玉をただ落としていた。
「上空からの攻撃とは考えましたね」
「ふむ、空を制すれば要塞攻略も時間はかからんな」
ルーとバルバトスが戦略談議をしている所に親衛隊のジスと剣聖シズカが降下中だ。
「ヒィィィィ!死ぬぅぅぅぅ!」
「うるさい!別に死なないから黙りなさい!」
ジスに抱きついてる剣聖シズカが悲鳴をあげる。
パラシュートなんて無いのでそのままダイブなのだが、ジスは悪魔族の為、背中に翼があるので問題は無い。
だが、剣聖シズカは人族なんで、空を飛べない。
その為、ジスに抱きついているのだ。
背中には翼があるので、正面から両手を首に回し、両足は腰に巻き付き、しがみついてる。傍から見ると、だいしゅきホールドにしか見えない。
「んっふぅっっ!」
「ち、ちょっと耳に変な息かけるな!なんかゾワッとするわ!」
雪の空爆に紛れ、敵陣へと無事に着陸した。
「し、死ぬかと思った……」
「だから、死なないってば!それより敵陣なんだから静かにしなさい!ったく。名前はシズカなのにやかましい奴!」
「あー、それ良く言われるー」
無駄話はその辺にして、2人はひっそりと白組の旗を目指す。
旗付近にはルーとバルバトスだけの様だ。
奇襲を仕掛けてしまおうか。
「シズカ行くわよ!」
「う。うん」
ジスが飛び出し、雪玉をバルバトスに投げる。
まだこちらに気づく様子は無い。殺った♡
と、思いきや、隣りのルーがバルバトスを突き飛ばす。
「失礼します!」
「おっ!?」
「チッ!ルー兄、気付いてたか」
「フフ、ただの爆撃では無い事程度ですよ」
「シズカ!殺るわよ!」
「私にはルー様に投げるなんて出来ません!」
「何、言ってるのよ!」
ジス達がそんな事している時。
「取ったなのです!」
前線に居たはずのリオが弾丸の様に飛んで来て白組の旗を奪う。
「「「あっ!」」」
そしてエイルが続け様に神速で接近。赤組の旗を立てた。
「よっしゃー!このタイミングを待ってたんだ。ハッハッハー!」
エイルが無い胸をはり、ドヤ顔で勝ち誇る。
囮になったのはジス達だったと言う事だ。
エイルとリオは持ち前のスピードで前線を翻弄しつつ、接近。空爆による敵陣防衛網の沈黙を確認して、リオをジャイアントスイングで飛ばし、更にエイルも突撃して勝利。
「まんまと騙されたけど勝ちは勝ちね」
雪合戦は赤組の勝利で幕を閉じた。勝利した赤組には近海で捕れた海の幸を使った7種の具材の特上海鮮恵方巻きが配られた。負けた白組には普通の恵方巻きだ。
「なんでミカさん俺をガン見しながら食べてるの?怖いんですけど!」
「何言ってるの?恵方は好きな人の方を見て食べて幸せを願うのよ。ホントにエイルは無知ね!」
ジスに最後まで馬鹿にされた。
「じゃ、俺も食べよう」
エイルとミカエルは向かいあい、2人頬をほんのり赤くしながら恵方巻きを食べた。
ほんの一瞬ジスがエイルに向いて食べたのは誰も気付かなかった。
因みに他の魔族は皆、ミカさんの方を向いて食べていたのは言うまでもない。
ふと、振り返ったら、鬼の格好で豆の入った升を持った、アチナと椿ちゃんが立っていた。
「エイル!また呼んでくれなかったね!鬼のコスプレして待ってたのに!」
「あー……ごめん」
また忘れてました。




