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番外編 異世界節分①

書いてたら長くなりそうなので2回に分けます。

節分が終わってしまうかもですが(´ω`;)



俺たち銀の翼一行は魔族国デスニーランドに滞在中だ。

扱いは魔王ミカエルの客人として日々、遊んだりしていた。だらけ過ぎである。


季節は冬で、アチナ歴303年の2月になる。

因みに暦がある事を最近知った。ジスに散々バカにされたが。だって知らなかったんだから仕方ないよね?


2月かぁ。日本に居た頃は節分の時期だった。

豆はあまり撒かなかったが、恵方巻きは食べたな。

コンビニの恵方巻きをひたすらに。

ほとんど賞味期限のきれた廃棄品を消化していた。3日間は3食恵方巻きであった。毎年、二度と食べたく無いランキングの上位になるが、結局毎年食べる事になる。

だが、今年は違う。異世界だし。なんて思っていたのだが……


「ミカエル様!いよいよ節分ですね!腕がなります!」

「え?えぇ、そ、そうね。楽しみね……」


ジスが突然、『節分』と言うワードを確かに言った。

あるのか?節分。この異世界に!

しかし、ミカさんの反応がおかしい。何か、しまった!みたいな顔をして、こちらを見ようとしない。


「ミカさん。こっちの世界にも節分あるの?」

俺は、こっちを見ようとしないミカさんにあえて問いかけた。絶対何か隠しているのだ。


「うっ!うん、あるわ。ある事はあるのだけど……ちょっと向こうの節分とは違うのよ」


ほう。キョドってますね。


「ジス!節分って何?教えて!」

「?!」


「いいわ!頭の悪いエイルに私がミカエル様の考案した節分について説明してやるわ!感謝、いえ。土下座しなさい!」 なんで土下座?


「なんだ?そのセツブンとは?魔族の風習なのか?」

セリスも知らないのも当然の様だ。

どうやらミカさんが魔族に教えたみたいだ。


「えー、節分。それは2月3日に行われる、無病息災を賭けた紅白雪合戦の事よ!毎年恒例の壮大な戦い!勝者には特上の海鮮恵方巻きが配られるのよ!」


なんだって?紅白雪合戦?


「ミカさん?どう言う事かな?」


「違うの!こんなつもりじゃなかったのよ!」

必死に自分のした、間違った節分の言い訳を始めた。



最初は普通に、豆撒きをしようと、思ったらしい。

だが、豆は貴重な資源でもあり、無駄にしたくない。それと、節分の豆は歳の数を食べる。しかし、魔族の中には寿命が永い者が多く、何百も食べる必要があり、豆が足らなくなる。

代わりに雪を投げる事にした。

鬼は外。福は内。

だが、問題が発生した。鬼と言えばオーガ族だ。

オーガ族の族長から抗議があった。なんで、ウチだけ雪を投げられないといけないのか?

確かに鬼も国民だった。と言うわけで、雪を投げ合う事になり、雪合戦になったそうな。


「そ、そうか。なら仕方ないか。でも楽しそうだね!」


「雪合戦やってみたいっス!」


「痛くないんですかぁ?」


「特上の何とか巻きが気になるのです!」


銀の翼メンバーはやる気のようだ。


「私達は皆赤組よ!女は赤組。男は白組に別れるの」


ルールは、赤組白組それぞれに雪で砦を作成し、本陣に旗を立てる。敵陣の旗を奪い、自軍の色の旗を立てれば勝利。制限時間は2月3日午前9時から昼12時の3時間だ。決着が付かない場合は生き残った人数の多い方が勝ち。生死判定は審判団が行うらしい。

基本的に攻撃は雪玉だが、風と水の魔法は許可。

雪の生成は〇で氷塊の様な硬いものは危険なので✕。

敵を凍らせるのは〇だそうだ。充分危険な気もするが。

武器の使用は刃物不可、銃火器は火の魔石使用✕。

風の魔石で飛ばすのは〇。エアガンみたいな物ね。


最早節分じゃ無くね?

と言うツッコミはミカさんにしか通用しないので、もう魔族的節分って事で楽しむ事に。



第七回節分雪合戦開催!

七回もやってるのね。ご苦労さまな事で。


赤組の主力はやはりミカさん。四天王のサクヤ、邪竜バースさん。ミカさん親衛隊桜花の五人。それとゲスト参加の俺たち銀の翼だ。


対する白組の主力は四天王の悪魔公ベリアル、死者王シピン。ドワルデス将軍、参謀のルーさん。そして旧帝国軍大将のバルバトスだ。因みに今は魔王軍士官学校で教鞭をとっているらしい。


昨年は白組が勝ったらしく、今年は赤組がリベンジに燃えているらしい。ミカさんが居るのに負けるのが意外だ。確かに白組はオーガ、オークの屈強な野郎共が多いので分からなくも無いが……


ウウー!っとサイレンが鳴り、戦闘開始の合図が白銀の雪が積もった平原に響く。


「行くわよ!赤組に勝利を!」


ミカさんが先頭に立ち、抱えた雪玉を敵陣に投げつける。何だか可愛い。

続いて魔族の女の子達がキャッキャしながら雪玉を作り、投げたりしてる姿は、ほのぼのとした光景だ。

思っていたより、普通の雪合戦だ。と思っていたら、やっぱり違った。


敵陣から雪玉と言うには巨大過ぎる雪玉が隕石の様に降って来る。2メートル級の雪玉が、次々と赤組を襲う。

875、536.1259.アウト

背中に付けたゼッケンを審判団に言われると戦死扱いになり、退場だそうだ。


「くらえ!レーザービーム!」


ミカさんが、イチ〇ーもビックリの狂犬、いや強肩で雪玉を投げて行くと、一撃必殺で白組を殲滅して行く。


敵陣からザッザッと雪中行軍して来る肉の無い肉壁部隊、毎度お馴染み骸骨兵さん達だ。


「雪玉砲スタンバイ!右15度、高角5度!」

「撃ち殺せ!」

氷で造られた大砲が、ミカさんの射撃命令と共に骸骨兵に向けて撃たれた。

次々と骸骨兵達が戦死判定されていく。


「今よ!突撃隊進め!」


「よし!任せろ!1人残らず撃ち殺して来る!」

セリスは雪玉バズーカを抱えて我先にと敵陣に突っ込む。

「守りは任せるっス!」

貝殻水着と言う軽装でセリスに追従して行くマリン。風邪引くぞ!

「砦は守りますよぅ」

体力が凡人のティファは危険なので後方で待機だ。

「お腹空いたなのです!」

リオはさっきから雪玉を食べていた。


まぁ、銀の翼はいつもの通りだ。


突撃隊に編成されたサクヤ率いる淫魔部隊は、クネクネと、色っぽい動きで白組の野郎共を誘惑するつもりなのか、肌の露出の多い服装だ。て言うかほぼ下着だ。


「私、寒いの苦手なのよねぇ〜♡」

サクヤが悩殺衣装で何か言ってる。

「きゃっ!いたーい♡」

「いやん♡お尻に当たったわー♡」

尻をフリフリと敵陣に向けて突き出したりとか、無防備な淫魔連中は次々に戦線離脱していく。役に立ってねぇな!


赤組メンバーが中央付近で白組と壮絶な雪玉のぶつけ合いをしていると、敵陣から長距離の雪玉砲が赤組の本陣目掛け多数撃ち込まれる。


「バースさん!対空砲!」


「任せるなの!うりゃおい!」


次々と対空砲で白組の長距離砲を撃ち落として行くが、撃ち落とされた雪玉からゴブリンが出て来る!

白組は雪玉の中にゴブリンを入れて、赤組の本陣に侵入し、一気に旗を奪う作戦のようだ。


「さすが、ルーさん!」

これにはミカさんも虚をつかれた様だ。

ルーさんは手強い。



◇白組本陣


「流石ルー殿。ミカエル様も驚いている様ですな!」

「いえいえ、ただの奇策に過ぎませんよ」

バルバトスとルーが談笑していた。


「ようし!そろそろ我が決めてこようぞ!この四天王最強のベリアルがな!」


「まだそんな世迷い言を抜かすか。最強はこの死者王シピン様よ!」


「ならば、この節分で活躍した方が最強に相応しいであろう!勝負だ!」

「望む所よ。直ぐに死ぬでないぞ!」


相変わらず最強を騙る2人は実は仲良しなのかもしれない。



◇赤組本陣


「ミカエル様!例の物、準備完了です!いつでも行けます!」親衛隊のシュリ・ブライアントがミカさんに何やら報告をしていた。

報告を聞いたミカさんは砦の中に消えた。


少しすると、砦の見張り役が声をあげる。

「進路クリア!発進どうぞ!」


キュルキュルキュルキュル


何やら変な作動音がして、砦から出てくる。


出て来たのは、戦車みたいなキャタピラを足にした、ロボットみたいなアレでした。


「ハッハッハー!魔族の技術を結集した汎用人型決戦兵器、魔導アーマーMS303インマ・インマMkーⅡよ!」


どうやら、中に搭乗しているのはミカさんみたいだ。

機体?は上半身はガンダ〇に出て来そうな敵モビルスーツの見た目だが、足がキャタピラの出来損ないみたいな感じだ。肩にキャノンが2つ。完全にアレをパクってます。ガ〇タンクね。


「雪玉キャノン発射!アハハ!見たか白組!去年のと違うのだよ!去年のとは!」


去年もあったんだね。

ミカさんの操縦するモビルスーツの出来損ないが、雪の大地を速いとは言えない速度で進んで行く。

キュルキュルとキャタピラ音をたてながら……


高さ10数メートルの巨大さゆえに、まぁ予想した通りただの的でしかなく、次々に雪玉砲を被弾する。


「足の車部分を集中砲火!」

ルーさんの指示で白組の砲台はミカさんのインマ・インマの脚部を集中的に攻撃する。

しばらくすると……


「あれ?キャタピラが動かないわ!」


雪玉をキャタピラの隙間に詰め込まれ、動きが鈍くなり、やがて停止。後はフルボッコにされた。


「インマ・インマ大破!」

「ミカエル様アウトー!」


審判団もミカさんの戦死判定をした。

なるほど、ミカさんの趣味に走ったロボットのせいで戦線離脱。去年も負けた訳だ。


「なんでよ!二足歩行だと雪中の機動性が悪いからキャタピラにしたのに!足なんて飾りじゃないの?一体、どうすればよかったのよ!」


ミカさんがヒステリックに泣きながら頭を抱える。


「ミカさん。機動性ならホバリングの方が良くないか?」


「それよ!それだわ!なんで気付かなかったのかしら!エイル!後で設計から手伝いなさい!」


あ、余計な事言ってしまったかもしれない。


しかし、ミカさん離脱の状況で白組に勝つにはどうしようかな……




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