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3話 初陣ですね

 

 いきなりドラゴンの出現


 負け確定のイベント戦闘か何かですかね?

 チュートリアルにドラゴンは無いだろ、難易度高過ぎではございませんか?

 

 ステータス確認

 体力1750/3000


 一撃で250ダメージか……

 相手のステータスは分からないので長期戦は厳しい。

 とりあえず色々やってみよう。最悪は逃げる。


 ドラゴンが大きな口を開き、咆哮がこちらを襲う。

「ドゴォォォー」


「あぶねっ!」

 咄嗟に右に飛びなんとかかわした。

 着弾地点は深い大穴が空き、粉塵が巻上がる。

 何ですか?焼くつもりですか?第一異世界人さん?


 竜の咆哮ドラゴンロア獲得。


 ん?何か覚えた?


 直撃したらただで済まない様な気がする。

 とりあえず斬ってみよう。


 雷電丸を抜刀し、突撃GO!


 まずはドラゴンの右腕を狙う。上段に構えて銀翼で飛び、勢いよく振りかぶる。

「せいっ!」


 ガキン!まるで岩を叩いたみたいに硬い、両手が痺れる。「硬っ!」

 つーか全然斬れないじゃねーか!この刀!

 約束がちげーぞ、約束が!←していない


 斬ってダメなら刺してみるべし。

「えいっ」

 ブスッと刺さり即抜いてまた刺した。

「えいっ」「えいっ」


「ギャァァァァ!」

 ドラゴンが悲鳴を上げる。


 効いてるっぽいぞ。


 ドラゴンが暴れながらも巨大な腕で殴りかかってきた

 ガッ!

 顔面を強打され口の中が切れた。


「痛てーなコラ!」

 ドラゴンを蹴飛ばす。


「「…………」」


 雷電丸を地面に刺し、ケン○ロウの様に拳の関節をポキポキ鳴らす。


 ドラゴンの鼻息がフンってなった。

(かかって来い)って言ってる気がした。


「上等だ!タイマンでケリつけてやるらりぁ」

 噛んだ。↑最初からタイマンです


 そこからは、壮絶な殴り合いとなった。

 口の中は切れて血の味がするし、拳は血だらけだ。


 互いに防御無視の拳と拳のぶつかり合い。


 竜のドラゴンブロウ獲得


 ん?またなんか覚えらたらしい、自身の拳撃が強化された。

 明らかにダメージを与える様になった。


 ボディブローでドラゴンの身体が浮く程だ。

 ドラゴンのあばら骨が何本か折れた感触がする。


「グギャー!」


 だが、こちらも確実にダメージをくらい過ぎてる為

 このままなら敗北は免れない。

 既に頭髪が血で赤く染まってる。

 血が目に入って視界も悪い。

 因みに初戦闘ENDとかしたらどうなる?


「そろそろ終わりにさせてもらうよ!」

 覚えた竜の拳(ドラゴンブロウ)でドラゴンの脇腹に渾身の一撃を入れる。


「グギャ」

 ドラゴンの頭が下がった所で、後ろに飛び魔法を発動させる。


「ヘブンクロス!」


 すると天から一筋の光が超高速でドラゴン目掛けて降りた。

 そして巨大な十字の柱が地から天に向け舞い上がる。


 もう1発「ヘブンクロス!」ついでに「ヘブンクロス!」連発で食らわす。


 さすがに連発の爆風で俺も吹き飛ばされて、転がり大地に伏せた。

 立ち上がろうとしたら、急激な脱力感が襲った。

 そこで意識を失った……





 エイルがドラゴンに遭遇した頃。

 大陸の東方に位置するファミリア王国の南西部サンク市。

 このサンク市防衛隊長フレオニールの元に、ある一報が届いた。


「失礼します!」

 司令部の隊長室に、伝令役の士官が勢いよく入って来た。


「なんだ」

 事務処理中の筆を止め、入って来た士官を見る。


「ハッ、南方10キロ程の場所にて巨大な光の柱が数発上がったとの監視塔からの報告です!」


「光の柱?魔法か何かか?」

 顎の髭をさわさわしながら考えてみるが、答えは出ない。


「いえ、そこまでは分からないとの事で……」


「分かった、至急第1小隊を招集し、調査に向かう。セリス、留守を頼む」


「了解した。ご武運を」

 金髪の長い髪をサイドテールに束ねた女騎士は立ち上がり敬礼をした。




 フレオニール・ダンテス

 貴族の出だが、体格に恵まれ腕力も人並み以上でまさに武人と言ったイメージそのままの人である。

 性格は豪快で、人当たりも良く、身の丈に近いくらいの、巨大な大剣を振り回す姿は王国兵士だけでなく

 国民男子の憧れとなっている。

 素手でオークの首をへし折る程の怪力である。




 フレオニール達一行が、現地付近に到着した頃、辺り一帯は煙やら蒸気やらで視界が悪くなっていた。むせ返る様な肉の焦げた匂いが充満していた。


「霧払いを頼む」

 フレオニールが随行していた魔導士に命じると、風魔法で辺りの霧は吹き飛ばされた。


 辺りの地面は激しい戦闘の跡か、20メートル程のクレーターが幾つも存在した。


「一体何があったんだ?戦争か?」


 そこには黒焦げのドラゴンと、少女が倒れていた。


「生存者確認しました!」

 若い兵士が、少女の息がある事を確認し報告しに来た。


「命に別状は無いようですね、念の為、回復魔法を施します」

 治癒術師の兵士が外傷を確認しつつそう言った。


「隊長!このドラゴン、本国から要討伐に認定されている赤龍です!」


「なんだと!まさか!?」


 赤龍……王国領内で主に活動し、村や町を襲い度々戦闘になったが、かなり強く大隊規模でなんとか退ける事が出来る災害レベルのドラゴンだ。


「とにかく少女は保護、赤龍は解体して町へ運べ!」

「「ハッ!」」


 フレオニール達が町へ帰還して、一時間程。


「失礼します」

 セリスが、隊長室に入って来た。


「少女の容態はどうだ?」


「それが……まだ意識は戻らないのですが、あれだけボロボロの衣服と血だらけにも関わらず、傷一つ見つかりません、それに……」


「それに、なんだ?」


「背中に翼の様な紋章が2つありました」


「翼の紋章?」


「ええ、最初は奴隷紋かと思ったのですが、見た事もない類の紋章でした」


「意識を取り戻したら、話をするしかないか」


「それと、同時に回収した剣ですが、非常に珍しい刀と言われる物で、鑑定師の話によると伝説級か神話級の可能性があるとの事です」


「ますます怪しいな。出来れば味方である事を祈るしかあるまい」



「光の柱に翼の紋章……赤龍の死体……いや、まさかな……」

 フレオニールはある一つの可能性に行き着いたが、ありえないと思い、頭を横に振った。





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