表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

橙の廊下の先に

作者: 蒼狗

 食事のカートを押しながら廊下に並ぶ照明に明かりを灯していく。一つ、また一つと明かりを灯していくと闇に包まれていた長い長い廊下の先が映し出されていく。無骨で冷たい石畳にオレンジ色が加えられ温かみを得ていく。

 カートを押す。明かりを灯す。カートを押す。明かりを灯す。

 同じ所作を繰り返し、最後の明かりを灯したと同時に今まで見えなかった扉が出てくる。

 その扉の前に食事を置きノックを二回すると、小出しの窓が開き料理が中に吸い込まれていく。そして入れ替わりで出てきた空の皿をカートに乗せて来たばかりの廊下を戻る。

 毎日繰り返し行う行動だが今日はいつもと違うことが起きていた。皿についていたソースがきれいになめとられていたのだ。

 ああ、主様。私の血は美味しかったですか。

 もしあなたの吸血欲が満たされないのであれば、本日はこの明かりを消してあなたの道を示しましょう。

 思わず鼻歌を歌いながらつけてきた照明を一つ、また一つと消していく。

 冷たさが戻った廊下の奥で木のきしむ音が聞こえた。

テーマ「照明」で書いたこのSSは書き始めるのに時間はかかりましたが思いのほかすんなりといった作品でした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ