1日め、から飛んで4日めの昼下がり
唸るPC。
遮光カーテンのかけられた窓。
煌々と輝く無数のディスプレイ。
そこわ電子のユートピア。
「異世界に生きたいわー」
ポチポチ、二本の指先でパソコンを操るわたくし、引きこもりはじめました。
☆☆☆
引きこもり。
ニート予備軍であり、社会不適合者。
それは、自由を謳歌し、世間体と戦う電脳戦士。
めっさ、ひま。
いや、なんもする事ねーよ。
つーか、パソコンの使い方がわからねー。
ひまじゃ、よわひまなのじゃ。
最初の三日間は、よかった。
パソコン初心者でもネットサーフィンで暇を潰せた。
事件が起きたのは、4日目。
親 に ネ ッ ト を 止 め ら れ た
そして現在に戻る。
発光する鉄屑と化したパソコンと、私は暇をもて余したのである。
「我戦力は……これだけか」
発光する鉄屑、たくさん。
薄型ガラケー、いっこ。
コイル、にこ。
太陽光発電パネル、いっこ。
手回し充電器、さんこ。
手回し充電器付きラジオ、いっこ。
「充電器が豊富過ぎるッ!」
そう、引きこもりになるにつき、電力大切!と無駄に充電器を買っていた私。
あかん、これはあかん。
Wi-Fiが必要なんだ。
あかんで~あかんで~と、椅子の上でお山座りしながら、回転する。
どうしよう。引きこもり4日目にして外出したくなってきた。
現在お昼の2時、我がお部屋は真っ暗だが、外はサンサンと太陽が輝いている。
ついでに、マイマザーが一階のリビングにいる。
備考ではあるが、我がお部屋は三階のベランダ付きのお部屋だ。
階段を降りれば気付かれる。
とりあえず、ドローンを飛ばそ。
ベランダから小型カメラ付きドローンを放つ。
「敵影なし、か……」
犬の散歩中のじいさん以外の人はいなかった。
「世間体、大切だもんな……」
相島のとこのお嬢さん、引きこもりなんですって!
まあ、相島さんも大変ねえ
でも引きこもりだなんて
相島のお家、上手くいっていないのかしら……
うふふふふふふふ
うふふふふふふふ
「怖すぎる!」
恐ろしや、ご近所さんとは、げに恐ろしや。
灰色のスウェットを脱ぐ。
着替えたのは、カーキのカーゴパンツにシャツに黒のゆったりカーディガン。
仕上げに、オシャレな黒のミリタリーキャップ。
イメージはそう、『俺らイケイケ、青春謳歌』
さあ、逝くぞ!
「戦場へ!」
☆