↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/7

第一話 起点

 今日は蒸し暑い。朝のニュースでは、今年初めて三〇℃を超えたらしい。

 衣替えも既に終え、クラスの全員が夏服を着てはいるが、みんな下敷きをうちわにしている。

 クーラーも扇風機もない。今時の高校にしては設備をケチっている。

 この蒸し暑さの原因は梅雨が終わったばかりだからだろう。

 最近の異常気象のせいか、梅雨は七月下旬近くまで続いた。

 おかげで今年の夏はジメジメしたものになりそうだ。

 しかし、そんなことはお構いなしなのが高校生の頭の中。休み時間ということもあり、もう既に、数日後に控えた夏休みの話で盛り上がっている集団もいる。

 もちろん、僕はぼっち。常に教室の隅にいるような陰キャラだから。

 自分から何かしようとは思わないし、したいとも思わない。

 毎年、長期休暇は家でゴロゴロ過ごすのがお決まりになっている。

 そのせいで高一にして肥満体型。みんなからは変なあだ名を付けられるほどだ。

 だけど、今年は違った。

「おーい、プー太郎」

 一人の男子が近付いてきた。

「お前、夏休み暇だろ? 二二日さ、俺らに付き合えよ」

 唐突の誘い。

 そして彼は僕の返事を待たずに男子五人のグループに戻っていった。

 彼は五十嵐健治。あのグループのリーダー的な存在。いつも教室で騒いでいる奴ら。僕とは正反対な人間なのに、なぜ僕を誘う。きっとバカにしているに違いない。

 とは言え、強制的に約束をこじつけられた。

 約束を破るわけにはいかない。

 誰にも聞こえないように小さく舌打ちをしつつも、逆らうことはしなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。