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平穏の終わり




いきなりだが…俺は転生者だ。

何言い出してんだと思うだろうが俺『山田 太郎』の話を聞いてくれ。


まず、転生者の作品でもっともポピュラーな物はなんだと思う?

なろうフリークやネット小説が好きな人ならすぐにわかると思うが…俺もそう神様と自分で名乗った糞に手違い(ではなくわざと)殺されるというポピュラーなプロセスを踏んで転生者になった。


また能力はこれまたベタなくじ引きで決まった物なのだが…能力と書いて呪いと呼べる物が俺の特典だった。


それは【全主人公体質】と俺は呼んでいた…余計な一文字で能力がわからないと思うので一言で説明すると、全てのジャンルの主人公になれ能力だ。


極端な言い方で例えるとラブコメの主人公から愛する者から裏切られる悲劇の主人公など…一つの世界毎に俺は物語の主役として生きてきた。


そして何故呪いと言っているのは先に言った通り…様々な世界で主役として何回も転生する事とそしてその物語に俺の意思は一切なかったことだ。


まるでゲームのキャラクターのように自分が知らない事を勝手するのは正直泣きたかったがそれはできなかった。


しかし、まるでテレビに映る自分を見るしかなかったなど嫌なことしかなかったのが前世までの話。


この呪いはある条件があり、それは同じ物語ジャンルはおきないと言うものだ、そのお陰で今思えば俺にとってはとっても楽しかった神殺しの物語を前世でやり、糞を殺しこの呪いを解いた。


恐怖に歪むあの糞の顔は未だに笑えてくる、そんな前世が終わりまた俺は転生を体験する。


自我が目覚め記憶を思い出した時驚いた事があった、それは自分で声が出せたごく当たり前のこと。


自分の意思で声が出る動ける聞けると考えることしかできなかった俺にはとてもとてもひさしぶりの感覚に感動で泣いたのを今でも覚えてる。


そんな神を名のる者と俺の特典ギフトから解放されて…はや17年俺は日本で俺は学校に通っている。

と言っても普通の日本ではない…普通の日本と思って暮らしていたときそれに気付いたの本当に偶然だった。


知り合い(エルフ)がテレビで出てたのをたまたまつけたテレビで見た事だ、そこから俺は調べに調べたこの地球の事を…でわかったことは一つ。

この地球は今までの俺の前世の物語の登場人物が住んでいるパラレルワールドだったという事だ。


しかも全員が全員転生者のようで俺との記憶をきっちり覚えてると言う俺にとっては最悪な事だと調べた10才の時頭を抱えた。


確かに前世の力も知識も技術も今の俺なら自由に使えるが、前世の登場人物達は俺であって俺ではない主人公しか知らない、そんな奴らに会ってみたら色々と面倒なことになるのは目に見えてる。


それに俺は俺が描く普通の人生をしたい…なので出来るだけ会わないように奴らの存在を知って六年バレないように暮らして来た。


その六年間の間に亜種族のエルフを筆頭に様々な知的生命体が現れ。


魔法が使われるようになり、科学も急激な進歩をし俺の最初の人生と同じだった地球はほんの少ししか原型をとどめてない位に転生者達のせいで変わっていった。

それでも俺はバレないように時に魔法を学ぶフリをしたり(学ぶ以前に俺が作った魔法なのだが…)ロボットの展示会に見に行ったり(俺の遺作なのだが…)亜種族の村に友達と行ってみたりと変化するなかでそれにあった事をしてきた。


そして17年目の春、俺は高校に向かっていた、この後おきる出来事も知らずに…。


(普通科高校に行きたかったな~でもこれの方が俺にあってるしなぁ…)


と俺は自分の学校に重い足で向かっていた…俺の高校はモンスターが現れそれに対策する為に出来た戦闘学校と言える物だ、さすがに日本でもこんな物を作らないといけない位に問題になってるので偏差値は低めだ。


まぁ今まで戦闘ばっかしてた俺にはむいてると思うしと自分に言い訳をする。


(なんであの時あんなことしたかなぁ~)


俺は偏差値が低くても入るメリットのない戦闘学校に入ったのは訳がある、それはある闘技場(格闘技の試合みたいな物)で闘ってた人の間違えて飛んで来た弓矢をつかんでしまったからだ。


それから気付けば高校に通ってはや一年が過ぎている、進路はとりあえずモンスター専門の警備員でもなろうかなぁ~と思っている。


そう思っているとふと…あることに気付いたあまりにも静過ぎるのだ。


俺の歩いてる場所は確かに人の少ない道だがそれでも音がしないのは不自然だ…さては誰かがよくある結界でも作って人払いでもしてるのか?なら今の俺の状況はとてもまずい。


人払いする位だ、やましい事をするのは目に見えてる巻き込まれたらただでさえ俺の黒歴史を知ってる奴がたくさんいるこの地球で裏の世界(あること確認済み)の事情に関わったらよけい目立つしそれに裏の方が知り合いが多い。


なので静かにかつバレないように学校に向かおう、さすがにそこまでなら大丈夫だろうと思って走り出そうとしたら…。


「そこのお前…止まれ」


フラグ回収早いって。


さて…現状を確認しよう俺は今後ろから首に刃物たぶんだが剣を当てられている、まぁこれについては別に問題ではない、対処法なんていくらでもある…問題はその声に聞き覚えがあることだ。


「よし…そのままでいろ、そしてそのままで私の質問に答えてもらう」


しかも出来れば会いたくなかった奴の一人だ。


「何故この結界の中にいる、これは私が認めた者とあのお方しか入れない特別な物だ…ただの戦闘学校の学生が入れる物では無い」


話の流れでわかるように俺があの方なんだよね、俺の後ろで剣を首に当ててるこいつの名はたしか…『デメリィ・ダークライト』魔族だ、結界魔法が得意でそれを生かした近接戦闘が得意な魔王軍のNo.2の強さを持つ俺の妻でもあった女性だ。

こいつとの関係はまずは使えない魔王じょうしと有能な前代魔王の友人の娘から始まる…それからはなんやかんやあって恋仲となるのだが、先に言った通り俺はこいつが苦手だ…お堅く厳しいのだがこいつとの関係が縮まったのはこいつが俺を○レしたからだ…正直トラウマ物だ。


まぁ魔王をやってた俺は着々と好感度を上げてたのわかるのだが鈍感でデメリィの告白にも普通に態様してたしな…○レされても不思議でもないがそれでも本来の俺からしたらトラウマになりかけたのにはかわりない、それに時が進むほどヤンデレ属性がついてきて怖かったのを覚えてる。


(最後らへんの1000年は監禁されてたしな…ハハハ)


と後ろの奴について思い出していたら…足跡が聞こえてきた。


「くそ…お前は運がいい今回は見逃してやる早くこの場を去れ」


と剣をどかしてくれた…まぁ声も出してないしそれに魔王やってた時と種族違うからバレないから良かったと…。


「ふぅ~」


気が抜けて声を出してしまった。

「あ…あな「勇者さまー!!」

ドゴーン!!と後ろからそんな音がした…うんやべぇ新手だ、しかもデメリィと同じで会いたくない奴の声だ。


「やっと…やっと見つけました…勇者さま?」

俺の顔を見て?マークを浮かべる彼女はローラ・フローライト、人間ヒューマンの巫女だ。

俺が勇者をやったときの仲間で恋人そして妻となった女性だ。

彼女との物語はスタンダードな奴だった、この子除けば…この子もヤンデレ属性持ちでねぇ夜は眠れないこと眠れないこと獣か!!言いたい位に本能に忠実な子だ…で話は変わるが何故この子が?マークを浮かべてるかと言うと…毎回毎回おんなじ顔な訳がねぇと言うわけだ。


「ヒトチガイデス」


自分で言ってて棒読み過ぎるなと思いつつ彼女ローラから離れる。


「た…確かに勇者さまの気配がするのに雰囲気が違う…わかりました!!記憶がよみがえってないんですね…なら思い出させてあげます、フフフ」


牝の顔して近づくな、怖いわ!!。


「ふざけるな!!」


後ろは壁前に獣とかなりやばい状態を抜け出すのに頭を使っていたらデメリィの声がした…結構飛ばされていたのに早い登場だ。


「彼は私だけの魔王様だ…お前のような勇者好きの○ッチ巫女の勇者ではない!!」


「ふ…笑わさないで下さい、彼は勇者さま、人間ヒューマンの勇者そして私の旦那です!!あなたの魔族のビッ○の魔王な訳ないわ!!」

俺からしたらどっちビッ○だ。


「もういい…お前と話すと彼が汚れる、ここで始末させてもらう」


「奇遇ですね、私もあなたを始末するつもりだったんですよ」


ーーー


どっちもビッ○と思った辺りで抜け出せて学校についたのだが気持ちはブルーだ。

(ああ…俺の平穏が崩れてく)

そう思いながらホームルームを受けるのだった。

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