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Love a lie  作者: しいな
3/7

第1話  中篇 

「じゃあ、また明日ね」

「うんっ。 ありがとね!」


結局、家まで送ってくれた健也。 バス代として偽ったお金、意味なかったかな・・・


でも、一緒にいれたからそれでいい気もしていた。


健也は私に手を振って、背中を向けて歩いて行った。

私は、健也の背中が見えなくなるまで、ずっと見ていた。


「はぁーっ・・・」


健也の姿が見えなくなり、私はその場で立ち尽していた。


「・・・何してんの?」


背後から聞こえた声。


「・・・あ、ふぅにぃ」


ふぅにぃだった。


「・・・どいて」

「あっ・・・ごめん」


私は少し右により、玄関から離れた。


黒の無地のマフラーで首を覆い、ブレザーのポケットに手を突っ込んでいるふぅにぃの姿を見ると、1年前を思い出してしまう。


「・・・そこにいると風邪ひくぞ。 あんま長い時間いるなよ」


「えっ・・・」


ふぅにぃは、そのまま家に入っていった。


「今の言葉・・・」


そっくりそのまま。 あの時と同じだよ。


今の優しさは、兄妹としてですか?


どうしても期待をしてしまう私はバカですか・・・?



「・・・寒いっ」


寒さに耐えられず、私も家に入った。






私はすぐに自分の部屋に入り、暖房をつけた。


「寒い寒いっ・・・」


部屋着に着替え、少し身体が温まった。

私は机にあった写真立てに目を向けた。


1年前の文化祭の写真。


そこには私とふぅにぃがいて、お互いに右手でピースをしていた。


ふぅにぃが・・まだ高校2年の頃。

2年C組の教室前で撮ったのを、今でも覚えている。


でもね、ふぅにぃ。


写っていたのは、私とふぅにぃだけじゃないんだよ?


「・・・・」

端っこで、文化祭のパンフレットを持って悩んでいる一人の男。


「・・・・ほんと偶然だよね」


健也が写っていたんだ。



「夢乃~っ! 晩御飯! 風也君も~!」

「はーいっ!!」


母の声で我に戻った私は、写真立てを元の場所に戻し、部屋を出た。












「夢乃~っ! 晩御飯! 風也君も~!」

「ほーいっ」


夢乃の母さんに言われた俺は、教科書を閉じてシャーペンをおいた。


「はーいっ!!」


部屋越しから、夢乃の声が聞こえた。


「・・・はぁっ」


ひとつため息をついて、俺は部屋から出た。



「あれ、またカレー?」

「ごめんねぇ・・時間なくって」


おいしいからいいんだけどね。


そんなことを思いながら、私は椅子に腰かけて、手を合わせた。


それと同時に、ふぅにぃがリビングのドアを開けて入ってきた。


「・・・いただきます」


右手に持ったスプーンで、カレーをすくいあげた。


「・・・あ、飲み物」

「あら、出すの忘れてた!」

「私、持ってくる」


私はスプーンを置いて、立ちあがった。


「いいよ、俺持ってくるから」

「え、あ・・」


私の隣に座っていたふぅにぃが立ちあがり、さっさとキッチンへ向かってしまった。


「風也君優しいわよね~・・・」


小声で言うお母さんの一言が、なぜか胸を締め付ける。

ふぅにぃの後姿を見た瞬間、私の頭の中で、あの日の記憶がよみがえった。


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